「Finally(ようやくだ)」。2年連続ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ優勝を飾った世界チャンピオンのフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)は安堵の表情でそう語った。ジンクスに苦しめられた続けた世界チャンピオンが、実に11ヶ月ぶりに勝利を掴んだ。



ブエルタ・ア・エスパーニャ2013第12ステージ高低図ブエルタ・ア・エスパーニャ2013第12ステージ高低図 image:Unipublicイベリア半島の西海岸で開幕したブエルタがついに東海岸に到達する。第12ステージは、アラゴン州のマエリャから地中海に向かって東に舵を取る。

スタート直後に飛び出したロメン・ジングル(ベルギー、コフィディス)、ファブリシオ・フェラーリ(ウルグアイ、カハルーラル)、セドリック・ピノー(フランス、FDJ.fr)スタート直後に飛び出したロメン・ジングル(ベルギー、コフィディス)、ファブリシオ・フェラーリ(ウルグアイ、カハルーラル)、セドリック・ピノー(フランス、FDJ.fr) photo:Kei Tsuji地中海の街タラゴナに向かって184名の選手たちがスタートを切ると、1km地点でロメン・ジングル(ベルギー、コフィディス)、ファブリシオ・フェラーリ(ウルグアイ、カハルーラル)、セドリック・ピノー(フランス、FDJ.fr)がアタック。メイン集団はこの逃げをすぐに見送った。

逃げを見送ったメイン集団ではトイレ休憩逃げを見送ったメイン集団ではトイレ休憩 photo:Kei Tsuji平野が大半を占めるアラゴン州からカタルーニャ州に入ると、波打つ丘陵が選手たちの前に現れる。しかも、風力発電の風車が勢いよく回るほどの風が進行方向から吹き付ける。スケジュールより遅い平均スピードを刻みながら、ジングル、フェラーリ、ピノーの3名は協力して6分40秒のリードを築いた。

全長164.2kmのコースは起伏に富んでいるが、スプリンターが脱落するほどの難易度ではない。スプリンターに残されたチャンスは、この日を含めて4回(第12、13、17、21ステージ)だけ。スプリンターが勝利を狙わない理由はない。

ここぞとばかりにメイン集団をコントロールしたのはガーミン・シャープ、オリカ・グリーンエッジ、アルゴス・シマノの3チーム。レース中盤に位置する標高560mの3級山岳アルト・デル・コレット通過の時点で、タイム差は5分に。

レース後半にかけてランプレ・メリダやBMCレーシングチームも集団牽引の動きに加わると、タイム差の縮小は加速する。奮闘も虚しく先頭3名は残り18kmで吸収され、平坦ステージの台本通り、ゴールスプリントに向けてレースは進んだ。



アスタナがコントロールするメイン集団がカタルーニャ州を行くアスタナがコントロールするメイン集団がカタルーニャ州を行く photo:Kei Tsuji

3級山岳アルト・デル・コレットに向かうプロトン3級山岳アルト・デル・コレットに向かうプロトン photo:Kei Tsujiいくつものアップダウンをこなしながら逃げグループを追ういくつものアップダウンをこなしながら逃げグループを追う photo:Kei Tsuji



独立運動が絶えないカタルーニャ州を行く逃げグループ独立運動が絶えないカタルーニャ州を行く逃げグループ photo:Kei Tsujiゴール15km手前のスプリントポイントではイヴァン・バッソ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)とニコラス・ロッシュ(アイルランド、サクソ・ティンコフ)の2人が抜け出し、そのままの順位でアーチを通過。総合7位のバッソが3秒、総合2位のロッシュが2秒のリードを得ることに成功する。

エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、スカイプロサイクリング)に並ぶフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、スカイプロサイクリング)に並ぶフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム) photo:Kei Tsujiスプリンターチームの引きの弱さからメイン集団のスピードは上がりきらず、そこからトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)らが果敢にアタック。結果的に数キロの独走の末に吸収されたが、マルティンがそのスピードとモチベーションを披露した。

ボアッソンハーゲンを下したフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)がハンドルから手を離すボアッソンハーゲンを下したフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)がハンドルから手を離す photo:Kei Tsujiオリカ・グリーンエッジが率いる形でタラゴナの街中を駆け抜けたメイン集団。集団先頭でスプリンターチームが隊列を組む頃、総合6位のドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル)が残り4kmでパンクしてしまう。幸い、複雑なコースを考慮して「3kmルール」が残り5kmまで延長されていたため、ポッツォヴィーヴォは2分47秒の遅れを免れた。

1年ぶりの勝利を手にしたフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)1年ぶりの勝利を手にしたフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム) photo:Kei Tsuji残り1kmアーチを通過し、最終コーナーを抜けて緩斜面のストレートへ。するとリゴベルト・ウラン(コロンビア)にリードアウトされたエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、スカイプロサイクリング)が先頭でスプリントを開始した。

早めに仕掛けたボアッソンハーゲンが、緩斜面で一人飛び出して先行する。他のスプリンターたちが慌ててスプリント体勢に入る中、ジルベールがボアッソンハーゲンを捉え、残り50mでスリップストリームから踏み直す。先頭で踏み続けたボアッソンハーゲンを、アルカンシェルが抜き去った。

アルカンシェルを着るジルベールが見せる初めてのガッツポーズ。昨年9月のロード世界選手権の優勝以来、ずっと勝利から遠ざかっていた世界チャンピオンがようやく突破口を開いた。

終始笑いを浮かべながら記者会見に臨んだジルベールは「やっと勝つことが出来た」と気持ちを込める。「今日までずっと勝つことが出来ず、フラストレーションの塊になっていた。でもモチベーションと周りからの信頼を失わなかった」。

ジルベールは昨年のブエルタでもカタルーニャ州にゴールする第9ステージでシーズン初勝利を飾っている。縁起を担ぎ、「来年はボルタ・ア・カタルーニャに出るべきかもしれない」とおどけてみせる。3週間後に迫ったロード世界選手権に向けて、ディフェンディングチャンピオンがようやく息を吹き返した。



シャンパンを豪快に飲むフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)シャンパンを豪快に飲むフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム) photo:Kei Tsuji目の腫れがひかないため、サングラスをかけてマイヨロホを受け取るヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)目の腫れがひかないため、サングラスをかけてマイヨロホを受け取るヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) photo:Kei Tsuji




ブエルタ・ア・エスパーニャ2013第12ステージ結果
1位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)        4h03'44"
2位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、スカイプロサイクリング)
3位 マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、ランプレ・メリダ)
4位 ルーカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ)
5位 ジャンニ・メールスマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
6位 フランチェスコ・ラスカ(イタリア、カハルーラル)
7位 ストゥヴ・シェネル(フランス、アージェードゥーゼル)
8位 レイナード・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、アルゴス・シマノ)
9位 アントニー・ルー(フランス、FDJ.fr)
10位 ザッカリ・デンプスター(オーストラリア、ネットアップ・エンドゥーラ)

敢闘賞
ファブリシオ・フェラーリ(ウルグアイ、カハルーラル)

マイヨロホ(個人総合成績)
1位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)            45h26'06"
2位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、サクソ・ティンコフ)            +31"
3位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)               +46"
4位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・レオパード)
5位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)               +2'33"
6位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル)       +2'44"
7位 イヴァン・バッソ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)        +2'52"
8位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ.fr)                    +3'35"
9位 ラファル・マイカ(ポーランド、サクソ・ティンコフ)             +3'46"
10位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)               +3'56"

マイヨプントス(ポイント賞)
1位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)                97pts
2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)              90pts
3位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、サクソ・ティンコフ)           89pts

マイヨモンターニャ(山岳賞)
1位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・レオパード)     18pts
2位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、サクソ・ティンコフ)           15pts
3位 レオポルド・ケーニッヒ(チェコ、ネットアップ・エンドゥーラ)        12pts

マイヨコンビナーダ(複合賞)
1位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、サクソ・ティンコフ)           7pts
2位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・レオパード)     12pts
3位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)              13pts

チーム総合成績
1位 アスタナ                               135h30'45"
2位 サクソ・ティンコフ                             +33"
3位 モビスター                                +3'07"

text&photo:Kei Tsuji in Tarragona, Spain
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