のべ1万5千人が集まる世界最大のロードレースイベント、シマノ鈴鹿のトリとなる国際ロードをスプリントで制したのはイグナツィオ・モゼール(イタリア、BMCディベロップメントチーム)。イタリアの英雄フランチェスコを父に持つ21歳だ。
スタート直後からスピードが上がり続けるメイン集団 (c)MakotoAYANO
30回記念大会となったシマノ鈴鹿ロードレースのメインイベントが2日目の国際ロードレースだ。今年の海外招待チームはアルゴス・シマノ、BMCディベロップメントチーム、BKCPパワープラスと、デライク。ホストチームのシマノレーシングを含めた国内チームとクラブチームが迎え撃つ10周、距離58.2kmの超高速レースだ。
トップカテゴリーのアルゴス・シマノからはヨナス・オルストランド(スウェーデン)、フランソワ・パリジャン(カナダ)、18歳のスタジエ選手のヤウレギ・カンタン(フランス)の3人が参戦。チームのエースは新進気鋭の22歳のスプリンター、オルストランドだ。昨年のツアー・オブ・ノルウェーでトル・フースホフトらを破りステージ優勝を飾り、今季アルゴス・シマノと契約。オルストランドは3年前にもスウェーデンU23チャンピオンジャージを着てシマノ鈴鹿を走っている。しかし今回は来日してすぐ体調を崩しているという。
アルゴス・シマノのヨナス・オルストランド(右・スウェーデン)とフランソワ・パリジャン(カナダ) (c)MakotoAYANO
シクロクロスで有名なベルギーのBKCPパワープラスが来日 (c)MakotoAYANO
ずらりと並んだホストチームのシマノレーシング (c)MakotoAYANO
ベルギーのコンチネンタルチーム、デライク (c)MakotoAYANO
BMCレーシングの下部チーム、BMCディベロップメントチームは偉大な自転車選手フランチェスコ・モゼールを父に持つイグナツィオ・モゼールをエースとする若手3人が出場。そして、シクロクロスチームとしての知名度が勝るベルギーのコンチネンタルチーム、BKCPパワープラスと、デライクが出場した。
2日とも雨に見舞われた鈴鹿。しかし国際ロードが始まる前に雨は止み、レースが進み、終盤には好天に転じた。しかしヨーロッパの選手が苦手とする例年の酷暑はなく、肌寒いまま。これは海外勢に有利な天候とも言えた。
清水都貴(チームブリヂストン・アンカー)のアタックが炸裂 (c)MakotoAYANO
大きな身体でひときわ目立つイグナツィオ・モゼール(イタリア、BMCディベロップメントチーム) (c)MakotoAYANO
ホームストレートを観客たちの喝采を浴びて走る先頭集団 (c)Yuya.Yamamoto
レースはスタートからアタックの応酬で始まる。ホストチームのシマノレーシングが常に先頭に数を揃え、シマノがスポンサードする海外チームと結託してレースを展開するため”シマノレーシング+海外チーム” 対”国内有力チーム”という構図になる。これに元気のいいクラブチームの選手が展開に絡もうとする。
海外勢とシマノレーシングに対向する勢力は愛三工業レーシングとチームブリヂストン・アンカー。直近の海外レース、ツール・ド・アルザスとツール・ド・グアドループで活躍した清水都貴が強力に牽引する。マトリックス・パワータグ、宇都宮ブリッツェンも意欲的に展開する。
逃げを決めたかに思えた15人の逃げグループ (c)MakotoAYANO
レース終盤に向けてアルゴス・シマノがペースを上げ続ける (c)MakotoAYANO
畑中勇介らシマノレーシング勢がレースをコントロールする (c)MakotoAYANO
ペースの上がる集団だがなかなか人数は減らない (c)MakotoAYANO
アタックは続くが決定的な逃げは決まらない。西谷泰治(愛三工業)、清水都貴(チームブリヂストン・アンカー)といったエース級の選手たちも果敢なアタックと逃げを繰り返すなか、最後にはスプリントに持ち込みたいアルゴス・シマノとシマノレーシング勢もできるだけ有利になるように集団を絞込みたい動きだ。
5周目、15人の逃げができ、後に2名が合流してメイン集団との差を20秒に開き、レ−スは決まったかに思えた。しかし逃げグループ内の協調体制もいまひとつでペースが上がらない。残り2周で後続メイン集団が猛チャージを掛ける。中切れを起こしながらもペースアップに対応できた集団の半分ほどが追いつき、先頭集団が40人ほどの大集団となる。そこからもペースは上がるが、アタックは決まらない状況となる。
イグナツィオ・モゼール(イタリア、BMCディベロップメントチーム)と2位アルノー・グランド(スイス) (c)MakotoAYANO
ウィナージャージを着たイグナツィオ・モゼール(イタリア、BMCディベロップメントチーム) (c)MakotoAYANO勝負は最終のスプリントに持ち込まれた。アルゴス・シマノが先行するが、後方から伸びたBMCの2人が交わしてワン・ツーフィニッシュを飾る。勝利したのはイグナツィオ・モゼール。ジロ・デ・イタリアやパリルーベの覇者としてイタリアの英雄と呼ばれるフランチェスコ・モゼールの息子だ。
勝利したモゼールは身長190cmの大柄な21歳。父フランチェスコの3人の息子の末っ子のうち、ただひとり自転車競技の道を進んでいる。「強い選手が沢山いてとても厳しいレースだった。しかし自分を信じて献身的にサポートしてくれたチームメイトに感謝したい。シマノの30回目の記念レースで勝利できて光栄だ」と語った。
血統書つきの若者は、「自転車競技は家族の伝統。将来はもっとも好きなパリ〜ルーベで勝つことが夢」とも話してくれた。
シマノ鈴鹿国際ロードレース 結果
1位 イグナツィオ・モゼール(イタリア、BMCディベロップメントチーム)1h'15"29
2位 アルノー・グランド(スイス、BMCディベロップメントチーム)
3位 ヨナス・オルストランド(スウェーデン、アルゴス・シマノ)
4位 吉田 隼人 (シマノレーシング)
5位 ダーン・ホーエイベルグス)
6位 平井 栄一(チームブリヂストン・アンカー)
7位 六峰 亘 (チームブリヂストン・アンカー)
8位 マリウス ヴィズィアック (マトリックス・パワータグ)
9位 小室 雅成(イナーメアイランド信濃山形)
10位 ディエテル・ファントーレンホウト
photo&text:Makoto.AYANO

30回記念大会となったシマノ鈴鹿ロードレースのメインイベントが2日目の国際ロードレースだ。今年の海外招待チームはアルゴス・シマノ、BMCディベロップメントチーム、BKCPパワープラスと、デライク。ホストチームのシマノレーシングを含めた国内チームとクラブチームが迎え撃つ10周、距離58.2kmの超高速レースだ。
トップカテゴリーのアルゴス・シマノからはヨナス・オルストランド(スウェーデン)、フランソワ・パリジャン(カナダ)、18歳のスタジエ選手のヤウレギ・カンタン(フランス)の3人が参戦。チームのエースは新進気鋭の22歳のスプリンター、オルストランドだ。昨年のツアー・オブ・ノルウェーでトル・フースホフトらを破りステージ優勝を飾り、今季アルゴス・シマノと契約。オルストランドは3年前にもスウェーデンU23チャンピオンジャージを着てシマノ鈴鹿を走っている。しかし今回は来日してすぐ体調を崩しているという。




BMCレーシングの下部チーム、BMCディベロップメントチームは偉大な自転車選手フランチェスコ・モゼールを父に持つイグナツィオ・モゼールをエースとする若手3人が出場。そして、シクロクロスチームとしての知名度が勝るベルギーのコンチネンタルチーム、BKCPパワープラスと、デライクが出場した。
2日とも雨に見舞われた鈴鹿。しかし国際ロードが始まる前に雨は止み、レースが進み、終盤には好天に転じた。しかしヨーロッパの選手が苦手とする例年の酷暑はなく、肌寒いまま。これは海外勢に有利な天候とも言えた。



レースはスタートからアタックの応酬で始まる。ホストチームのシマノレーシングが常に先頭に数を揃え、シマノがスポンサードする海外チームと結託してレースを展開するため”シマノレーシング+海外チーム” 対”国内有力チーム”という構図になる。これに元気のいいクラブチームの選手が展開に絡もうとする。
海外勢とシマノレーシングに対向する勢力は愛三工業レーシングとチームブリヂストン・アンカー。直近の海外レース、ツール・ド・アルザスとツール・ド・グアドループで活躍した清水都貴が強力に牽引する。マトリックス・パワータグ、宇都宮ブリッツェンも意欲的に展開する。




アタックは続くが決定的な逃げは決まらない。西谷泰治(愛三工業)、清水都貴(チームブリヂストン・アンカー)といったエース級の選手たちも果敢なアタックと逃げを繰り返すなか、最後にはスプリントに持ち込みたいアルゴス・シマノとシマノレーシング勢もできるだけ有利になるように集団を絞込みたい動きだ。
5周目、15人の逃げができ、後に2名が合流してメイン集団との差を20秒に開き、レ−スは決まったかに思えた。しかし逃げグループ内の協調体制もいまひとつでペースが上がらない。残り2周で後続メイン集団が猛チャージを掛ける。中切れを起こしながらもペースアップに対応できた集団の半分ほどが追いつき、先頭集団が40人ほどの大集団となる。そこからもペースは上がるが、アタックは決まらない状況となる。


勝利したモゼールは身長190cmの大柄な21歳。父フランチェスコの3人の息子の末っ子のうち、ただひとり自転車競技の道を進んでいる。「強い選手が沢山いてとても厳しいレースだった。しかし自分を信じて献身的にサポートしてくれたチームメイトに感謝したい。シマノの30回目の記念レースで勝利できて光栄だ」と語った。
血統書つきの若者は、「自転車競技は家族の伝統。将来はもっとも好きなパリ〜ルーベで勝つことが夢」とも話してくれた。
シマノ鈴鹿国際ロードレース 結果
1位 イグナツィオ・モゼール(イタリア、BMCディベロップメントチーム)1h'15"29
2位 アルノー・グランド(スイス、BMCディベロップメントチーム)
3位 ヨナス・オルストランド(スウェーデン、アルゴス・シマノ)
4位 吉田 隼人 (シマノレーシング)
5位 ダーン・ホーエイベルグス)
6位 平井 栄一(チームブリヂストン・アンカー)
7位 六峰 亘 (チームブリヂストン・アンカー)
8位 マリウス ヴィズィアック (マトリックス・パワータグ)
9位 小室 雅成(イナーメアイランド信濃山形)
10位 ディエテル・ファントーレンホウト
photo&text:Makoto.AYANO
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