ツール・ド・フランス第6ステージを闘い終えた選手たちのコメント。

トル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ)出典:letour.fr
雄叫びを上げるトル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ)雄叫びを上げるトル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ) photo:Cor Vos「常々言っているように、マーク(・カヴェンディッシュ)は無敵ではない。もちろん彼の俊敏さは凄まじいものがある。間違いなく彼は世界最速のスプリンターだ。でもいつでも無敵ってわけじゃない。今日はそれを証明したよ。今日は一日中調子の良さを感じていたんだ。」

「今日のコースレイアウトはオスカル・フレイレ向きだと知っていた。特に今日はスペインステージだったから、彼のモチヴェーションが高いのは明らか。ラボバンクのチームメイトもフレイレのために働いていた。だから彼の後ろについてチャンスを伺ったんだ。スプリント力では今日は僕が勝っていた。パーフェクトなスプリントだった。」

「僕の目標はマイヨヴェール獲得。これはいつでも変わらぬ目標だ。もう一つの目標であるステージ優勝は今日達成できた。明日からは山岳が始まる。明日からチームは総合優勝を狙うカルロス・サストレのために走る。個人的には、マイヨヴェールを見据えたポイントの動向に注意しつつ、毎日山岳をこなしていきたい。」

ファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)出典:letour.fr
マイヨジョーヌをもう一日守ったファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)マイヨジョーヌをもう一日守ったファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク) photo:Cor Vos「バルセロナに至るまでの道は非常にスリッピーだった。沿道は観客でごった返していて、本当に特別な気持ちになったよ。」

「明日は今日までと全く異なるレースになる。明日は総合狙いの選手たちが動く最初のステージ。マイヨジョーヌを着続けることは喜びだったけど、それは今日までだ。明日から僕の役割はアシストに変わる。出来る限りタイムロス無く走りたいけど、チームのオーダーに沿って、チームメイトのアシストに徹するよ。」

デーヴィッド・ミラー(イギリス、ガーミン)出典:letour.fr
最後の山岳で独走態勢に入ったデーヴィット・ミラー(イギリス、ガーミン)最後の山岳で独走態勢に入ったデーヴィット・ミラー(イギリス、ガーミン) photo:Cor Vos「ジローナは第2のホームタウン。だから今日は何か動きを見せたいと思っていたんだ。ステージ優勝を目前にしながら、直前でそれを失うのは残念。でも予想以上に走れたことには満足しているよ。作戦通りというより、感情から生まれたアタックだった。コースは良く知っていたし、気づけば我を忘れてアタックしたていた。」

「レース展開は少し可笑しくて、逃げグループとメイン集団のイタチごっこだった。レースが進むうちに、他の逃げメンバーがいない方が速く走れるということに気づいたんだ。上りで単独で飛び出してからは、際どい闘いになると思った。1対150(ミラー対メイン集団)の闘いは楽しかったよ。凄い数の観客が詰めかけたバルセロナの街中を、単独で駆け抜けるのは素晴らしい経験だった。」

「残り10kmの時点では逃げ切れるかと思い始めていた。でもバルセロナ市内に入ると、道幅のある直線路が延々と4kmも続いて、追い上げるメイン集団に有利な状況になったんだ。稼ぎ出していたタイム差はどんどん消費。でも諦めずに逃げ続けた。ゴールまで数キロを残した地点で売り切れ寸前だったよ。」

「最後の上りはなるべく見ないように走っていた。『そこに着いてからそれからのことを考えよう』と思っていたんだけど、いざ上りが始まると、もう希望が無いことを悟ったよ。吸収されると、身体的な機能が完全に止まった。完全にバッテリー切れだった。(ミラーは1分21秒遅れでゴールした)」

ステファヌ・オジェ(フランス、コフィディス)出典:letour.fr
逃げるステファヌ・オジェ(フランス、コフィディス)逃げるステファヌ・オジェ(フランス、コフィディス) photo:Cor Vos「逃げに乗った時、マイヨアポワ(山岳賞ジャージ)のことは考えていなかった。ただステージ優勝だけを狙って集団から飛び出したんだ。終盤にミラーが加速したとき、付いていくべきだった。でも脚が無かった。2日前(実際は4日前)にも逃げに乗っていたし、脚に重さを感じていたんだ。3〜4名に逃げ続けていれば、集団に捕まることなくゴールまで逃げ切っていたかもしれない。」

「とにかくマイヨアポワを獲得できて嬉しいよ。今日は逃げの報酬を得た。ここまでのツールで、僕は主役の一人を演じている。でも明日に向けてのプランは無い。明日のゴール地点アンドラでは、他の選手がこのジャージを着ていると思う。」

ランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ)出典:astana-cyclingteam.com
観客が詰めかけた上りを進むランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ)観客が詰めかけた上りを進むランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ) photo:Makoto Ayano「今日はナーバスで特に面白みのないステージだった。バルセロナのような大都市が近づくと、路面は白線で埋め尽くされた。白線は雨が降ると非常に滑り易くなるんだ。あちこちで落車が発生していたよ。」

「とにかく明日は重要なレースになる。間違いなく今年のツールにおける山場の一つだ。アタックするかって?アタックする必要があるのは他のチームだ。アスタナチームは自らアタックするポジションじゃない。おそらくカルロス(・サストレ)が動きを見せてくると思う。アルプスは知り尽くしているけど、今年はピレネーステージをそれほど試走していない。」

「チーム戦略はヨハン(・ブリュイネール監督)に一任している。カルロス、(カデル・)エヴァンス、そしてシュレクブラザーズに注意しないといけない。もちろんアルベルト(・コンタドール)は攻撃準備が整っているよ。彼が本気で踏み始めると、誰も付いていけないだろう。彼が飛び出せば、僕はライバルたちをマークする。マークしながらもいい走りをしたい。ベストを尽くして頂上まで上りきってみせる。」


カデル・エヴァンス(オーストラリア、サイレンス・ロット)出典:davitamon-lotto.com
「上りスプリントでは勝てなかった。だからと言って落胆しているわけじゃない。フレイレやフースホフト、ポッツァートを相手に闘えばチャンスは無い。トップ10に入ったことに満足しているよ。今日はずっと集団前方で走ることが出来たし、このモンジュイックの丘で好調さも見せつけることが出来た。充分に満足している。これは明日のアルカリスに向けていい布石だ。」


ハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ)出典:cervelo.com
「ロータリーの滑り易い部分で転んでしまった。完全にウェットな路面で前輪を滑らせてしまったんだ。落車で遅れてからは、トール(・フースホフト)をアシストするために、リスクを冒して集団復帰を目指した。でもそこでまた30人ぐらいを含む大きな落車に巻き込まれてしまったんだ。落車したことは気にしていない。今はとにかくトールが勝って嬉しい。」