8月7日に開催されたツアー・オブ・ユタ(UCI2.1)第2ステージで、オリカ・グリーンエッジのマイケル・マシューズ(オーストラリア)が勝利。ステージ2位のフレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)からリーダージャージを奪うことに成功した。



キャピトルリーフ国立公園を駆けるプロトンキャピトルリーフ国立公園を駆けるプロトン photo:Tour of Utahユタ第2ステージはパンギッチからトーリーまでの今大会最長210km。土の柱が並ぶ独特の風景が広がるブライスキャニオン国立公園やキャピトルリーフ国立公園を駆け抜ける。登場するカテゴリー山岳は3つ。残り38km地点で標高2930mの1級山岳ボルダーマウンテンを越える。

ユタ州南部に広がる山岳地帯を走るユタ州南部に広がる山岳地帯を走る photo:Tour of Utahこの日の逃げを許されたマーティン・ウェーゼマン(南アフリカ、MTNキュベカ)とマイケル・ヘップバーン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)の2人。最大8分差で逃げたウェーゼマンは「美しい山と風景から目をそらすのは不可能だった」と語っている。結局2人はこの日最大の難所ボルダーマウンテンでリードを失い、頂上まで7kmを残してメイン集団に吸収された。

メイン集団をコントロールするレディオシャック・レオパードメイン集団をコントロールするレディオシャック・レオパード photo:Tour of Utah登りで飛び出した22歳のアンジェ・フラクシス(ラトビア、ボントレガー)が先頭のままトーリーまでのダウンヒルに突入。過去に2年連続でラトビアU23チャンピオンに輝いているフラクシスが独走を続けるその後ろでは、ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・シャープ)がカウンターアタックを仕掛ける。

しかしヘジダルのカウンターアタックも、フラクシスの独走も、BMCレーシングチームやオリカ・グリーンエッジの集団牽引によって封印。残り3kmからのデーヴィッド・ザブリスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)の強力なアタックも残り1kmで吸収される。

70名ほどの集団スプリントで焦らずタイミングを待ち、リーダージャージを着るファンアフェルマートを引き連れてスプリントしたマシューズが勝利。前日ステージ2位のマシューズがボーナスタイムによって総合首位に立った。

2010年にツアー・オブ・ジャパン第1ステージで優勝し、ロード世界選手権U23チャンピオンに輝いたマシューズ。ラボバンクから地元オーストラリアに移籍した今シーズンは勝ち星に恵まれていなかった。

ファンアフェルマートを振り切ってゴールするマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)ファンアフェルマートを振り切ってゴールするマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) photo:Tour of Utah

各賞ジャージ着用者がステージに上がる各賞ジャージ着用者がステージに上がる photo:Tour of Utah「今シーズンここまで長い長いプロセスだった。ずっと勝てていなかった。2位ばかりだったんだ。このツアーに良い状態で挑むことを目標としていた。1週間この調子でビルドアップしていきたい」とマシューズはコメントする。マシューズは昨年のツアー・オブ・ユタでもステージ優勝を飾っており、最終的にポイント賞に輝いている。

この日は増田成幸(キャノンデール・プロサイクリング)が先頭集団でゴール。「最後の登りで見事に遅れた」と言う西薗良太(チャンピオンシステム)は7分43秒遅れ。

増田はレース後に「ラスト3kmからのザブリスキーのアタックが強烈だった。後ろのグループから見ていて、ただただ凄い選手だなと。昨日もだけど、自分はあまり良い感じではなかった。レース開始1時間の掛け合いで、意外なSRMのデータが取れたぐらいだ」とツイートしている。

選手コメントはレース公式サイトならびに各選手Twitterより。




2013 Tour of Utah Stage 2 Highlights from Tour of Utah on Vimeo.



ツアー・オブ・ユタ2013第2ステージ結果
1位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)        5h17'56"
2位 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)
3位 ジャスパー・ステイヴェン(ベルギー、ボントレガー)
4位 ミヘル・コッホ(ドイツ、キャノンデールプロサイクリング)
5位 キール・レイヘン(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
6位 タイラー・マグナー(アメリカ、ヒンカピースポーツウェア)
7位 アレッサンドロ・バッツァーナ(イタリア、ユナイテッドヘルスケア)
8位 チャド・ベイヤー(アメリカ、チャンピオンシステム)
9位 セルゲイ・ツヴェトコフ(モルドバ、ジェリーベリー)
10位 ハニエル・アセベドカーイェ(コロンビア、ジェイミス・ハーゲンズベルマン)
64位 増田成幸(日本、キャノンデール・プロサイクリング)
97位 西薗良太(日本、チャンピオンシステム)                    +7'43"

個人総合成績
1位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)       9h28'39"
2位 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)         +01"
3位 クリス・ジョーンズ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)             +11"
4位 タイラー・マグナー(アメリカ、ヒンカピースポーツウェア)            +13"
5位 ジャスパー・ステイヴェン(ベルギー、ボントレガー)
6位 マックス・ジェンキンス(アメリカ、5アワーエナジー)              +16"
7位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック・レオパード)
8位 キール・レイヘン(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)              +17"
9位 ミヘル・コッホ(ドイツ、キャノンデールプロサイクリング)
10位 チャド・ベイヤー(アメリカ、チャンピオンシステム)
61位 増田成幸(日本、キャノンデール・プロサイクリング)
92位 西薗良太(日本、チャンピオンシステム)                    +8'00"

ポイント賞
マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)

山岳賞
マイケル・トルッケラー(ニュージーランド、ビッセルプロサイクリング)

新人賞
タイラー・マグナー(アメリカ、ヒンカピースポーツウェア)

チーム総合成績
ヒンカピースポーツウェアー・デヴェロップメント

text:Kei Tsuji
photo:Tour of Utah