ツール・ド・ポローニュ(UCIワールドツアー)はイタリアからポーランドに移動。第3ステージはスプリンター向きの難易度の低いコースが設定され、トル・フースホフト(ノルウェー、BMCレーシングチーム)がマーク・レンショー(オーストラリア、ベルキンプロサイクリング)との接戦を制した。



ポーランド初日、多くの観客がレースを見守るポーランド初日、多くの観客がレースを見守る photo:Riccardo Scanferlaポーランド南部クラクフからジェシュフまでの226kmで行なわれた第3ステージ。レース時間が5時間を超えるロングコースに設定されたカテゴリー山岳は、ゴール36km手前の3級山岳のみ。終盤にかけてジェシュフの6km周回コースを3周する。

メイン集団を牽引するマルコ・ピノッティ(イタリア、BMCレーシングチーム)メイン集団を牽引するマルコ・ピノッティ(イタリア、BMCレーシングチーム) photo:Riccardo Scanferla雨降りのクラクフをスタート後、すぐに飛び出したのはバルトロミエイ・マティシアク(ポーランド、CCCポルサットポルコウィチェ)、リカルド・メストレ(ポーランド、エウスカルテル)、アレクサンドル・ディアチェンコ(カザフスタン、アスタナ)、ミルコ・セルヴァッジ(イタリア、ヴァカンソレイユ・DCM)という面々。この4名をBMCレーシングチームやスカイプロサイクリング、アルゴス・シマノが追撃する。

一時的に最大10分まで広がったタイム差はフィナーレに向けて確実に縮まり、ジェシュフの周回コースに差し掛かるころには1分30秒に。危険なコーナーを含む周回コースでもメイン集団のペースは落ちず、先頭4名は残り2kmを切ってすぐ吸収された。

強力なリードアウトトレインを組んだのはベルキンプロサイクリングとBMCレーシングチーム。残り1kmを切ると、緑&黒のジャージを纏ったロバート・ワグナー(ドイツ)とデーヴィッド・タナー(オーストラリア)の2人が先頭に立ってマーク・レンショー(オーストラリア)のポジションをキープした。

BMCレーシングチームが積極的にメイン集団を牽引BMCレーシングチームが積極的にメイン集団を牽引 photo:Riccardo Scanferla

ジェシュフの周回コースに差し掛かるプロトンジェシュフの周回コースに差し掛かるプロトン photo:Riccardo Scanferla残り500mに差し掛かると、今度はフースホフトの発射台テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)が先頭へ。フィニーの牽引が終わると同時に、レンショーとフースホフトのスプリントが始まった。

先頭でスプリントを繰り広げるマーク・レンショー(オーストラリア、ベルキンプロサイクリング)やトル・フースホフト(ノルウェー、BMCレーシングチーム)先頭でスプリントを繰り広げるマーク・レンショー(オーストラリア、ベルキンプロサイクリング)やトル・フースホフト(ノルウェー、BMCレーシングチーム) photo:Riccardo Scanferla先行するレンショーと、追撃するフースホフト。フィニッシュラインに向けて伸びやかな加速を見せたノルウェーチャンピオンジャージが先着し、レンショーが2位に。2011年ジャパンカップ・クリテリウム覇者のスティール・ヴォンホフ(オーストラリア、ガーミン・シャープ)が3位に入った。

6月のノルウェー選手権ロードと7月上旬にオーストリアで開催されたエースターライヒ・ルントファート(UCI2.HC)ステージ優勝に続くシーズン4勝目を飾ったフースホフト。「今日はテイラー・フィニーだけでなく、チーム全体が素晴らしい走りをした。チームメイトが僕を100%信頼してくれたことが力になったよ。明日もスプリンター向きのステージで、僕に向いている難易度の高いステージも残っている。この先のステージも楽しみだ」。春先のクラシックレースでは結果を残せなかったが、シーズン後半に向けて調子を上げている。1チーム6名という限られた戦力の中で、チームの働きに最高の形で報いてみせた。

ラファル・マイカ(ポーランド、サクソ・ティンコフ)がリーダージャージとポイント賞ジャージ、トーマス・ローレッガー(オーストリア、レディオシャック・レオパード)が山岳賞ジャージをキープしている。

レンショーとヴォンホフをスプリントで下したトル・フースホフト(ノルウェー、BMCレーシングチーム)レンショーとヴォンホフをスプリントで下したトル・フースホフト(ノルウェー、BMCレーシングチーム) photo:Riccardo Scanferlaリーダージャージを守ったラファル・マイカ(ポーランド、サクソ・ティンコフ)リーダージャージを守ったラファル・マイカ(ポーランド、サクソ・ティンコフ) photo:Riccardo Scanferla

レース内容や選手コメントはBMCレーシングチーム公式サイトならびにレース公式サイトより。




ツール・ド・ポローニュ2013第3ステージ結果
1位 トル・フースホフト(ノルウェー、BMCレーシングチーム)          5h10'02"
2位 マーク・レンショー(オーストラリア、ベルキンプロサイクリング)
3位 スティール・ヴォンホフ(オーストラリア、ガーミン・シャープ)
4位 グレガ・ボーレ(スロベニア、ヴァカンソレイユ・DCM)
5位 トッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・ベリソル)
6位 リー・ハワード(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
7位 ミカル・ゴラス(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
8位 ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、アージェードゥーゼル)
9位 ベン・スウィフト(イギリス、スカイプロサイクリング)
10位 ルーカ・メスゲツ(スロベニア、アルゴス・シマノ) 

個人総合成績
1位 ラファル・マイカ(ポーランド、サクソ・ティンコフ)            16h14'45"
2位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、スカイプロサイクリング)    +04"
3位 クリストフ・リブロン(フランス、アージェードゥーゼル)            +06"
4位 ピーター・ウェーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)          +07"
5位 ヨン・イサギーレ(スペイン、エウスカルテル)                 +09"
6位 クリスアンケル・セレンセン(デンマーク、サクソ・ティンコフ)
7位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル)        +13"
8位 エロス・カペッキ(イタリア、モビスター)           
9位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、レディオシャック・レオパード)     +16"
10位 トーマス・ローレッガー(オーストリア、レディオシャック・レオパード)     +18"

ポイント賞
ラファル・マイカ(ポーランド、サクソ・ティンコフ)

山岳賞
トーマス・ローレッガー(オーストリア、レディオシャック・レオパード)

アクティブライダー賞
バルトス・フザルスキー(ポーランド、ネットアップ・エンドゥーラ)

チーム総合成績
レディオシャック・レオパード

text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla