1956年の創業以来プロチームへの機材供給を絶やさず、レースの現場で製品開発を行っているイタリアンブランド、コルナゴ。同社のフラッグシップモデルの一端を担う「M10」の流れを汲み、同様の構造を採用したカーボンバイク「AC-R」が発売される。

コルナゴ AC-R(ホワイト、一部仕様が異なる)コルナゴ AC-R(ホワイト、一部仕様が異なる) (c)エヌビーエス
AC-Rはコルナゴのフラッグシップモデル「M10」と同様の構造を採用したカーボンバイク。M10が6ピースのパイプをラッピングしてフルモノコックと似た構造であるのに対し、AC-Rは3ピースのパイプからなる構造を採用。ボリュームのある外観や乗り味などはM10と同等としながらも、より求め易い価格を実現した。

販売パッケージはシマノ・105完成車とフレームセットの2種類が用意され、完成車にアッセンブルされる105にはブラックバージョンを採用。フレームサイズはカーボンバイクながら8サイズと豊富に展開される。最も小さな420スローピングサイズは身長150cm前後のライダーでも乗ることが出来るため、小柄な女性ライダーにもおススメだ。

コルナゴ AC-R(チームブラック、一部仕様が異なる)コルナゴ AC-R(チームブラック、一部仕様が異なる) (c)エヌビーエスコルナゴ AC-R(ブラック、一部仕様が異なる)コルナゴ AC-R(ブラック、一部仕様が異なる) (c)エヌビーエス


カラーバリエーションはホワイト、ブラック、チームブラック、チームホワイトの全4種類がラインナップされる。カーボンの模様がレーシーなイメージのチームブラックは、日本の新城幸也選手などが所属するユーロップカーに供給されるチームバイクと同様のデザインを採用。取扱はエヌビーエス。


コルナゴ AC-R 105
フレーム:カーボン
フォーク:カーボン
メインコンポーネント:シマノ 105
ホイール:コルナゴ ARTEMIS CW32
カラー:ホワイト(QTIT)、ブラック(QTOR)、チームブラック(TEAM B)、チームホワイト(TEAM W)
サイズ:420S/450S/480S/500S/520S/540S/560S/580S
発売開始:7月31日(水)
価 格:299,250円(税込、完成車)、262,500円(税込、フレームセット)



「まさしくM10の乗り味」 ユーロップカー 新城幸也選手によるAC-Rのインプレッション

6月に大分で行われた全日本選手権個人ロードレースを圧倒的な独走で優勝し、現在開催中のツール・ド・フランス第100回記念大会に出場中のユーロップカー所属の新城幸也選手。普段からコルナゴのサポートを受け、ハイエンドモデルC59とM10を使い分ける全日本王者が「AC-R」のインプレッションを行った。

ヨーロッパではC59をメインバイクとしていますがレースによってはM10で走ることもあるのでM10の乗り味は良くわかっていますが、AC-Rの乗り味は正しくM10ですね。塗装がもし同じだったら、気付かずにレースで走っても違和感無く乗れるほどM10に似た乗り味でした。

M10で最も特徴的なポイントである踏み出しの軽さをしっかりと引き継いでいますね。ピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)はM10の軽快な踏み味が大好きでC59ではなくM10を愛用していますが、それと全く同じものを感じました。ただし、M10よりもフレームのしなりが出ているので初心者の方や、レースではなくロングライドなどを楽しみたい方に向いているでしょう。

C59と同様の直線なフレームデザインがいかにもレーシングバイクらしいルックスで、ボリュームのあるダウンチューブはいかにも走りそうな雰囲気を醸し出していますね。カラーリングも僕が普段愛用しているチームカラーのC59と同じデザインで、カーボンの模様に高級感があって良いと思います。

完成車に装着されるホイールはスポークが多いため振動吸収が良く乗り心地が良いのですが、軽量なカーボンホイールに換装するだけでフレームの素性の良さをさらに引き出せると思います。例としては、僕がいつもレースで使っているカンパニョーロ・BORAなどのカーボンホイールがマッチするでしょう。

M10とAC-Rには多くの共通点がありますが、それぞれの特性がしっかりと味付けされていると感じました。また魅力的なラインナップがコルナゴに増えて皆さんは困るでしょうね(笑)。レースで勝ちたい人はM10、週末のロングライドなどを快適に走りたい人はAC-Rがおススメですね。