ツール・ド・フランス開幕前日までに行われた記者会見より、キーとなる選手たちのコメントをお届けする。

スカイプロサイクリング
クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)「スーパーコンディション。準備はできている」クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)「スーパーコンディション。準備はできている」 photo:Makoto.Ayanoクリス・フルーム
リッチー・ポルト(オーストラリア、スカイプロサイクリング)「去年とは全く別のレースになる」リッチー・ポルト(オーストラリア、スカイプロサイクリング)「去年とは全く別のレースになる」 photo:Makoto.Ayanoー 今の調子は?
「“スーパーコンディション”だ。準備はできている。強いチームが僕の周りにいる。レースが始まることが楽しみ。待ちきれない。

ー マイヨ・ジョーヌのライバルは?
「総合の可能性がある選手はたくさんいる。彼らの名前を挙げようとすると誰かを忘れてしまうからやめておく。でも、7、8人はいる。

ー コルシカでの3ステージについて
「ロスを最低限に抑えること、決定的な結果になるステージをつくらないことだ。そうすれば残りのツールが見えてくる。それがコルシカでの絶対的な目標だ」。

リッチー・ポルト
アシストとしても強力なエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、スカイプロサイクリング)アシストとしても強力なエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、スカイプロサイクリング) photo:Makoto.Ayano「クリテリウム・アンテルナシオナルのあと、コースを下見してそのあまりにテクニカルなコース状況にショックを受けた。第3ステージのカルヴィへのコースはとくに危険だ」。

ー 昨年優勝したときと比べて今年のチームはどう違うのか?
「ブラドレーの代わりになれる選手は居ないが、まったく違うチームだ。そして違うツール。今回は上りで差がつくだろう。昨年も良いチームだったが、今年はもっといいチームだと思う。トーマスとケノーも登れる選手だ」。

ブレイルスフォード監督
「ツールに勝とうと思ったら、何か派手なこと(アタックなど)をやるよりは、エラーを最小限に食い止めることがまず大事になってくるようなところがある。力を出すことさえ問題なく出来れば目標を遂げられる、凄い選手たちが揃ったと思う。
おそらく戦術も昨年とは大きく変えることになる。違う持ち味の選手を揃えたからには、やり方も変わってくるからだ。昨年のチームとはまったく違う。我々がプランした走りを知って驚く人もいるだろう」。


記者会見に臨むキム・アンデルセン監督やアンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・レオパード)記者会見に臨むキム・アンデルセン監督やアンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・レオパード) photo:Makoto.Ayanoアンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・レオパード)「僕が優勝候補だとは思わない」アンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・レオパード)「僕が優勝候補だとは思わない」 photo:Makoto.Ayanoレディオシャック・レオパード
記者会見には選手としてアンディ・シュレクのみが出席。グエンチェッラ監督からは前日に発表されたトレック社によるUCIプロツアーライセンス引き継ぎに伴うチーム継続が決まったことを喜びとして報告。一部囁かれているアンディ離脱の噂は否定した。

アンデルセン監督
「このツールではアンディの総合上位と、チームとしていくつかのステージ優勝を狙う。我々は総合優勝候補ではない。プレッシャー無く走れることが有利に繋がるだろう」。

アンディ・シュレク
「僕が優勝候補だとは思わない。このツールでは総合は狙わない。でもツール・ド・スイスではとてもうまく走れた。トップ争いには加わらなかったが、そうしようと思えばそれができた。それまでにも自分がしたことがない努力を払ってきた。僕はそんなに悪くはないと思う」。

ー 今季勝利がなく、2011年ツールでのガリビエ峠でのステージ勝利から今まで何も勝利がないことについて。調子の良かったその時と今を比べて。
「もし2011年の調子で今年のコースを走ったら優勝できたと思う。ツール前に勝利がないのは今に限ったことじゃない。2010年だってなかった」。

ー 精神的な問題を抱えているのでは?
「難しい時期だったが、僕が問題を抱えているということじゃない。家族や友人、親しい人たちがついていてくれた。僕はうまくやってきた。」

ー どのステージがキーになるか?
「ラルプデュエズを2回登るステージは革命だね。僕はとても好きだ。でも上りはいいが下りが狭くてコーナーが急で危なすぎる。ドーフィネの後試走をしたけれど、他の選手もそう批判していた。受け入れがたいが、僕らに選択肢はない」。


オメガファーマ・クイックステップ
マイヨヴェールを狙うマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)マイヨヴェールを狙うマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Makoto.Ayanoマーク・カヴェンディッシュ
ー 第1ステージのゴールスプリントで勝利してマイヨ・ジョーヌを獲ることが目標か?
「ツール・ド・フランスでは、それがマイヨ・ジョーヌのためかどうかにかかわらずスプリントステージは狙うものだ。100%のモチベーションがある。マイヨ・ジョーヌのためだ、と余計なプレッシャーをかけないようにしている。

なぜならツールでのスプリントはもうそれ自体が大変なことだから。もしマイヨを穫れたら素晴らしいが、ベストを尽くすのみ。楽しみにしていてほしい。第1ステージでマイヨ・ジョーヌを着ることができても、ピュアスプリンターがそれを守れるのは1日だろう」。

ー コルシカ島での3ステージについて
「正直言ってとても危険だと思う。ツールのスタートでプロトンはいつもナーヴァス。いつもクラッシュが起きる。もしそれらが後のステージなら選手たちは安全に走ろうとするだろうけど、フレッシュな選手たちが曲がりくねった細い道でアタックすることを考えたら...。皆が安全に走ってくれることを願うよ」。


BMCレーシング
カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)「3週目によりフレッシュな状態で臨める」カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)「3週目によりフレッシュな状態で臨める」 photo:Makoto.Ayanoカデル・エヴァンス
ー ジロ・デ・イタリアの後、調整はうまく行っているのか?
「ジロ終了後は少し疲れが残ったが、それは普通のこと。それから今までの練習はトレーニングというよりはリカバリーだ。2010年のときとは違って、ツール第3週によりフレッシュな状態で臨めるだろう。ツールを勝ってから2年たち、誰もが僕のことを忘れて、話題は他の選手に移ったようだ。それは僕にとっていいこと。自分の仕事に集中できる。

ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)「マイヨブランの連取は結果次第」ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)「マイヨブランの連取は結果次第」 photo:Makoto.Ayanoティージェイ・ヴァンガーデレン
ー 昨年はエヴァンスより上位でゴールした。今年は表彰台の可能性があるのに自分がエースになりたいと思わないのか?
「自分にとって第一目標はまずカデルを表彰台に上げるか勝たせることだ。スカイやコンタドールらライバルたちに対して僕がアタックするとしたら、そのための戦術ということになるだろう。

フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)「勝利できれば良いと思う」フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)「勝利できれば良いと思う」 photo:Makoto.Ayanoカデルがチームと数年契約していること、後数年可能性があることと、そのモチベーションがあることを知っている。彼はツールに勝っているし、僕はキャプテンになろうとは思わない。すでにここまで僕も3度表彰台に上れたレースがあったし、決してチームが僕に不公平をしているとは思っていない。チームは僕に対しとてもフェアだ」。

ー マイヨ・ブランを守ることについては?
「それはすぐに求める目標じゃない。もしそうなれば、そうなるだけ。結果次第ということだね」。

フィリップ・ジルベール
ー 今まで勝利がないけれど、ここまでのシーズンを振り返ってどうだった?
「確かに。勝利はないけれど、それに近づいたことは何度もある。調子は悪くないし、何かしたいと思っている。ツールで勝利があげられるといいね」。


キャノンデール・プロサイクリング
スペシャル塗装のバイクを手にするペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリングチーム)スペシャル塗装のバイクを手にするペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリングチーム) photo:Makoto.Ayanoペーター・サガン
「2度めのツール。また戻ってこれて嬉しい。昨年よりプレッシャーは増えたけど、僕はもっとリラックスしている。

記者会見で笑顔を見せるペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)記者会見で笑顔を見せるペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング) photo:Makoto.Ayano初参加のツールでグリーンジャージをとったけど、今年はもっと大きな目標をもってやってきた。同じことが目標だが、グリーンジャージについてもっと大きな予想を見越している。昨年はステージを勝つこと、そして経験を積むことが目標だったけど、今年はジャージを獲ることが可能なことが分かっていて、それを守るためのチームでやってきた。

ポイントをとるために、ほとんど毎日何かすることになるだろう。僕はピュアスプリンターじゃない。坂のあるステージでできることがあるし、結果を出してきた。スプリントで助けてくれるチームで来たけれど、ハードなステージでもコントロールしてポイントを取れるチームだ。

第1ステージはツールの第1のステップ。だがツールは21日間もある。良い日もあれば悪い日もある。まったくダメになってしまうこともある。トラブルなくツールを終えることは誰にとってもほとんど不可能といっていい」。


photo&text:Makoto.AYANO


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