超級山岳アルブラ峠でリーダージャージを突き放し、先頭グループ内のゴールスプリント勝負を制したルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター)。ツール・ド・スイス(UCIワールドツアー)第7ステージで勝利したディフェンディングチャンピオンが、総合首位の座を遂に視界に捉えた。

ツール・ド・スイス2013第7ステージ・コース高低図ツール・ド・スイス2013第7ステージ・コース高低図 image:www.tourdesuisse.chゴール9km手前で超級山岳アルブラ峠を越える第7ステージこそ、今大会のクイーンステージ(最難関ステージ)だ。標高2315mの超級山岳を越え、標高1695mのラ・プントにゴールする。コース全長は今大会最長の206km。

曇り空のスイス東部を走る曇り空のスイス東部を走る photo:Riccardo Scanferla1時間半に及ぶアタック合戦をくぐり抜け、アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック・レオパード)やルイスレオン・サンチェス(スペイン、ブランコプロサイクリング)を含む強力な14名が逃げグループを形成。しかし逃げが決定的なリードを得ることが出来ないままレースは進行する。

メイン集団をコントロールするサクソ・ティンコフメイン集団をコントロールするサクソ・ティンコフ photo:Riccardo Scanferla3級、1級、4級の山岳を越えるうちにタイム差は縮小。登坂距離25.8kmの超級山岳アルブラ峠に差し掛かったところで、メイン集団から飛び出したジョセフロイド・ドンブロウスキー(アメリカ、スカイプロサイクリング)が逃げメンバーを全員パスした。

超級山岳で精鋭グループを率いるティボー・ピノ(フランス、FDJ)超級山岳で精鋭グループを率いるティボー・ピノ(フランス、FDJ) photo:Riccardo Scanferlaメイン集団はサクソ・ティンコフが徹底的にコントロール。独走するドンブロウスキーを追ってミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ)らがカウンターアタックを仕掛けたが成功しない。ここまで精彩を欠き、「自分がどんな状態にあるのか知るために、追い込みたかった」と語るアンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・レオパード)も久々にメイン集団の前方に姿を見せる。

均衡を破ったのはバウク・モレマ(オランダ、ブランコプロサイクリング)のカウンターアタックだった。頂上まで2kmを残したこの動きに、コスタとティボー・ピノ(フランス、FDJ)、ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)が反応する。リーダージャージのマティアス・フランク(スイス)に「ライバルたちをマークし、下りでスピードダウンさせてほしい」と告げられたティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)もこの動きに乗った。

ピノやコスタが積極的にペースを作る強力な5人のグループが、それまで先行していたドンブロウスキーをパス。超級山岳をクリアして下りに差し掛かる。頂上を先頭で通過したピノが山岳賞トップに立っている。

やがてダウンヒル区間でコスタとヴァンガーデレンが先行し、モレマが単独で追走。リーダージャージのマティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム)を含む追走グループが20〜30秒遅れで続く展開に。

ラスト2kmのバルーンアーチがコースを覆うトラブルに見舞われながらも、コスタとヴァンガーデレン、そしてゴール直前で追いついたモレマの3人がスプリント体勢に入る。リーダージャージのフランクを待つために先頭交代に加わらなかったヴァンガーデレン有利と見られたが、ひたすら前を引き続けたコスタのスプリントが伸びた。

3人でのゴールスプリントを制したルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター)3人でのゴールスプリントを制したルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター) photo:Riccardo Scanferla

モレマとヴァンガーデレンを振り切り、メイン集団を22秒引き離したコスタが勝利。クイーンステージを終えて、フランクがリーダージャージを守り、13秒差でコスタ、23秒差でロマン・クロイツィゲル(チェコ、サクソ・ティンコフ)が続く。「マティアス・フランクの調子は決して悪くないし、厳しい闘いになると思う。総合逆転を達成するために、全力を尽くすよ」と、総合3位のコスタ。1分以内で5名がひしめく混戦の総合争いは、翌々日の最終山岳個人タイムトライアルで決着する。

ステージ優勝を飾ったルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター)が表彰台に上がるステージ優勝を飾ったルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター)が表彰台に上がる photo:Riccardo Scanferla総合リードを失いながらもリーダージャージを守ったマティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム)総合リードを失いながらもリーダージャージを守ったマティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム) photo:Riccardo Scanferla

選手コメントはレース公式サイトより。

ツール・ド・スイス2013第7ステージ結果
1位 ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター)                 5h11'08"
2位 バウク・モレマ(オランダ、ブランコプロサイクリング)
3位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)
4位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ)                       +09"
5位 キャメロン・マイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)        +22"
6位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)
7位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、サクソ・ティンコフ)
8位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)
9位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム)
10位 ジョセフロイド・ドンブロウスキー(アメリカ、スカイプロサイクリング)

個人総合成績
1位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム)          25h42'36"
2位 ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター)                    +13"
3位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、サクソ・ティンコフ)             +23"
4位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ)                       +44"
5位 バウク・モレマ(オランダ、ブランコプロサイクリング)             +46"
6位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)      +1'17"
7位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)          +1'23"
8位 キャメロン・マイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)       +1'42"
9位 タネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ)                 +1'43"
10位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)             +1'50"

ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)

山岳賞
ティボー・ピノ(フランス、FDJ)

チーム総合成績
アスタナ

text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
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