2009年2月9日、第14回ツール・ド・ランカウイ(UCI2.HC)が開幕した。初日の平坦ステージは、逃げを飲み込んだ集団によるスプリントバトルが繰り広げられ、マッティア・ガヴァッツィ(イタリア、ディキジョヴァンニ)が優勝。清水都貴(EQA梅丹本舗グラファイトデザイン)が9位に入った。

ディキジョヴァンニがペースを上げ、先頭を捕らえようとするディキジョヴァンニがペースを上げ、先頭を捕らえようとする photo:Hitoshi.OMAEランカウイ第1ステージは、プトラジャヤからスナワンまでの133.8kmで行なわれた。コースは概ね平坦で、中盤に登場する4級山岳は勝負に影響を及ぼす難易度ではない。この日スタートした20チーム・119名の選手うち、日本人選手はEQA梅丹本舗グラファイトデザインの福島晋一、清水都貴、増田成幸、中島康晴とBboxブイグテレコムの新城幸也の計5名だ。

アタックの応酬でスタートしたレースは、30km地点でようやく3名の逃げが決まる。アタックを成功させたのはディミトリ・グルージェフ(カザフスタンナショナルチーム)、ジャコ・ヴェンター(南アフリカナショナルチーム)、モハメドアクマル・アムラン(マレーシア、MNCFサイクリングチーム)の3名だ。

協力して逃げる3人。地元マレーシア人の逃げはメディアにとっても大歓迎だ協力して逃げる3人。地元マレーシア人の逃げはメディアにとっても大歓迎だ photo:Hitoshi.OMAEこの逃げは最大5分のリードを得て逃げ続け、ヴェンターが山岳ポイントを先頭通過。しかしディキジョヴァンニを中心とした集団牽引によってタイム差は縮まり、ゴールまで30kmを残して3名は吸収された。

ゴールまで距離を残した地点での逃げ吸収は更なるアタックを誘発し、ヨハン・チョップ(スイス、ブイグテレコム)らが逃げを試みる。しかしこの動きも封じ込められ、最後は大集団によるスプリント勝負に持ち込まれた。

ゴールスプリントはマッティア・ガヴァッツィ(ディキジョヴァンニ)が制するゴールスプリントはマッティア・ガヴァッツィ(ディキジョヴァンニ)が制する photo:Hitoshi.OMAE絶対的なスプリンターを欠くバトルの中で、先頭に立ったのは25歳のイタリア人スプリンター、ガヴァッツィだ。クリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン)を僅差で破ったガヴァッツィはボーナスタイム10秒を獲得し、リーダージャージを獲得した。総合連覇を狙うディキジョヴァンニの士気は上がっていることだろう。

イタリアの新鋭スプリンターであるガヴァッツィは、昨年のブリクシアツアーでダニーロ・ナポリターノ(イタリア)らを撃破。今年プレーティ・マンジーミからサヴィオ監督率いるディキジョヴァンニに移籍した。近年急成長を遂げており、イタリアの将来を担うビッグスプリンターとして注目が集まる。

総合リーダーもマッティア・ガヴァッツィ(ディキジョヴァンニ)だ総合リーダーもマッティア・ガヴァッツィ(ディキジョヴァンニ)だ photo:Hitoshi.OMAEマッティアの父親ピエリーノはミラノ〜サンレモ勝利やジロ・デ・イタリアのステージ通算5勝を飾った元プロ選手だ。なお、2007年のジャパンカップで3位に入ったフランチェスコ・ガヴァッツィ(ランプレ)と血縁関係はない。

日本勢は清水都貴(EQA梅丹本舗グラファイトデザイン)がスプリントに絡んで9位。新城幸也(Bboxブイグテレコム)も11位に食い込んだ。ステージ優勝のみならず総合成績にも期待が集まる両者は好スタートを切った。

ツール・ド・ランカウイ2009第1ステージ結果
1位 マッティア・ガヴァッツィ(イタリア、ディキジョヴァンニ)3h06'42"
2位 クリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン)
3位 ノラン・ホフマン(南アフリカ、南アフリカナショナルチーム)
4位 ティツィアーノ・ダラントニア(イタリア、CSFグループ・ナヴィガーレ)
5位 ホセイン・ナテギ(イラン、イランナショナルチーム)
6位 ダニエル・ムシオル(ドイツ、フォアアールベルク)
7位 アフマド・ハイダル(マレーシア、マレーシアナショナルチーム)
8位 ラファー・シュティウィ(チュニジア、ドーハチーム)
9位 清水都貴(日本、EQA梅丹本舗グラファイトデザイン)
10位 アヌアル・マナン(マレーシア、マレーシアナショナルチーム)
11位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)

個人総合成績
1位 マッティア・ガヴァッツィ(イタリア、ディキジョヴァンニ)3h06'32"
2位 ディミトリ・グルージェフ(カザフスタン、カザフスタンナショナルチーム)+03"
3位 クリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン)+04"
4位 ジャコ・ヴェンター(南アフリカ、南アフリカナショナルチーム)
5位 モハメドアクマル・アムラン(マレーシア、MNCFサイクリングチーム)+05"
6位 ノラン・ホフマン(南アフリカ、南アフリカナショナルチーム)+06"
7位 ティツィアーノ・ダラントニア(イタリア、CSFグループ・ナヴィガーレ)+10"
8位 ホセイン・ナテギ(イラン、イランナショナルチーム)
9位 ダニエル・ムシオル(ドイツ、フォアアールベルク)
10位 アフマド・ハイダル(マレーシア、マレーシアナショナルチーム)

ポイント賞
マッティア・ガヴァッツィ(イタリア、ディキジョヴァンニ)

山岳賞
ジャコ・ヴェンター(南アフリカ、南アフリカナショナルチーム)

アジアンライダー賞
ディミトリ・グルージェフ(カザフスタン、カザフスタンナショナルチーム)

チーム総合成績
南アフリカナショナルチーム

アジアンチーム総合成績
マレーシアナショナルチーム