カンパニョーロを使用するジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)が、カンパニョーロのお膝元ヴィチェンツァで勝利。ステージ2勝目。ドーピングへの関与によって出場停止処分を受けたヴィスコンティの再スタートを印象づけるには十分な成績だ。

レースディレクターのマウロ・ヴェーニ氏の電話は朝から鳴りっぱなしレースディレクターのマウロ・ヴェーニ氏の電話は朝から鳴りっぱなし photo:Kei Tsuji
朝、マウロ・ヴェーニは頭を抱えながら電話で話し込んでいた。ジロのレースディレクターを務めるヴィーニ氏は、積雪と悪天候によって変更の可能性があるドロミテ山岳ステージの対策を取り仕切っている。

ヴェーニ氏によると、元ロード選手の大会スタッフを現在ガヴィア峠やステルヴィオ峠に向かわせ、コース状況を探っている。ガヴィア峠の沿道には数メートルの雪の壁があり、マイナス14度まで気温が下がっているという情報も。

標高2500mクラスの高い峠を通過する金曜日と土曜日に合わせるように、全国的に悪天候&低温の予報が出ているイタリア。コース変更の可能性がますます高まっている。ヴェーニ氏曰く「今まで携わってきたジロの中で一番大変」。なお、総合ディレクターのミケーレ・アックアローネ氏はレース運営に携わっていない。

サントゥアリオ・ディ・カラヴァッジョの前をスタートサントゥアリオ・ディ・カラヴァッジョの前をスタート photo:Kei Tsuji
スタートラインに一番乗りのリカルド・メストレ(ポルトガル、エウスカルテル)スタートラインに一番乗りのリカルド・メストレ(ポルトガル、エウスカルテル) photo:Kei Tsujiあれはホンドだなあれはホンドだな photo:Kei Tsuji

スタートを待つダニエル・オス(イタリア、BMCレーシングチーム)スタートを待つダニエル・オス(イタリア、BMCレーシングチーム) photo:Kei Tsuji
スタート地点カラヴァッジオは、大都市ミラノから40〜50kmの距離にある。そのため、自走でやってくるサイクリストで溢れ返っていた。今年はミラノに立ち寄らないため、3週間の中で一番ミラノに近いこの日のスタートに人が集中したとも言える。

この日はミラノ、ベルガモ、ブレシア、ヴェローナをかすめるようにして東へ。大都市の近くを通るため、コースと交わる道路の交通量は多い。

レース通過のおよそ2時間前にはコースは完全に封鎖される。交差点にはフェンスが設置され、必ず警察や憲兵、ボランティアのおじさんが立つ。彼らは必然的にジロと関係の無いドライバーたちと衝突することになる。

「な〜んだ、ジロか、仕方ない」と諦めて観戦する人がほとんどだが、もちろん中には食って掛かる人も。3週間、3400kmのコース脇ではそんな衝突が数えきれないほど起こっている。レース通過も見えないような交差点で、雨が降ろうと雪が降ろうと、一日中ずっと立ち続ける彼らの献身の上にジロは成り立っている。

広大な麦畑を駆け抜ける逃げグループ広大な麦畑を駆け抜ける逃げグループ photo:Kei Tsuji
アルゴス・シマノやオメガファーマ・クイックステップがメイン集団を牽引アルゴス・シマノやオメガファーマ・クイックステップがメイン集団を牽引 photo:Kei Tsujiファビオ・フェリーネ(イタリア、アンドローニジョカトリ)のサングラスが目立つファビオ・フェリーネ(イタリア、アンドローニジョカトリ)のサングラスが目立つ photo:Kei Tsuji

ヴィチェンツァにあるカンパニョーロ本社ヴィチェンツァにあるカンパニョーロ本社 photo:Kei Tsuji
第17ステージはカンパニョーロ社のお膝元ヴィチェンツァにゴールする。今やロードレースの必需品であるクイックリリースを発明したトゥーリオ・カンパニョーロ氏が興した同社は今年で創業80年。ジロのゴールに合わせて社屋では80周年の記念式典が行われ、メルクスやインドゥラインやジモンディが登場したそうだ。

ヴィチェンツァの南には、標高400mほどの丘(コッリ)が広がっている。イタリアを代表する白ワインの一つ「ソアーヴェ」の産地。ゴールの16km手前の4級山岳クロサーラはそんな丘を登る。

マリアロッサを着るマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)は、時折感情を爆発させながらも厳しい山岳ステージを乗り越えて来た。スプリンターに残されたチャンスは、この第17ステージと最終第21ステージのみ。難易度の低い4級山岳だからこそ、カヴェンディッシュは集団でやり過ごせると思っていたはず。しかしジロの4級山岳は緩いものではなかった。

地元のサイクリスト数人に「クロサーラの登りは細くて勾配もあるけど、登りの距離が短いからカヴェンディッシュも問題なくクリア出来るさ」と言われていたので、その旨をJsportsの電話レポートで伝えたが、実際そこまで甘くなかった(すいません)。

頭を抱えるジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)頭を抱えるジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター) photo:Kei Tsuji
4級山岳クロサーラで最も積極的だったのは、この日のガゼッタ紙で2ページにわたって特集が組まれていたダニーロ・ディルーカ(イタリア、ヴィーニファンティーニ)だった。ざっくり言って「このままでは終われない」というコメントを残すディルーカが、チームメイトを発射台に使ってアタック。ヴィーニファンティーニは今大会最も積極的にレースを動かしている。しかし、2007年ジロ覇者の挑戦は、乗りに乗るジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)によってかき消された。

昨年12月、ドーピングスキャンダルの首謀者ミケーレ・フェラーリ医師と接触していたとして、ヴィスコンティには3ヶ月の出場停止処分と11000ユーロの罰金を言い渡されている。レース後の記者会見では当然フェラーリ医師に関する質問が飛んだ。

それまで笑顔に包まれていたヴィスコンティは、冷静な表情を浮かべて「こんな幸せな瞬間にそんな質問を聞きたくなかった。でも自分には答える義務がある。誰でも人生で間違いを犯すこともある。自分の中でそのチャプターは終了している」と答える。過去の過ちを認めながら、今は前を向いている。ジロでのステージ2勝は、再スタートを印象づけるには十分な成績だ。

ヴィスコンティの2勝目、モビスターの4勝目。カンパニョーロを使用するモビスターの勝利に同社は盛り上がっていることだろう。

ゴール後、報道陣に囲まれるジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)ゴール後、報道陣に囲まれるジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター) photo:Kei Tsuji転職したポール・スミス氏転職したポール・スミス氏 photo:Kei Tsuji

危なげなくマリアローザを守ったヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)危なげなくマリアローザを守ったヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) photo:Kei Tsuji
text&photo:Kei Tsuji in Vicenza, Italy
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