オリカ・グリーンエッジが怒濤のステージ2連勝。4月2日、スペイン・バスク州で行なわれたブエルタ・アル・パイスバスコ(UCIワールドツアー)第2ステージで、チームメイトたちにリードアウトされたダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ)が勝利した。

州都ビトリア・ガステイスを目指すプロトン州都ビトリア・ガステイスを目指すプロトン photo:vueltapaisvasco.diariovasco.comバスク州の州都ビトリア・ガステイスにゴールする第2ステージには、カテゴリー2級と3級の山岳が合計5つ設定されている。バスクレースらしいアップダウンコースが特徴だが、今大会最も難易度の低いステージと言っていい。ビトリア・ガステイスでは大集団のゴールスプリント勝負が繰り広げられることになる。

ガヴァッツィやビシオソを振り切るダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ)ガヴァッツィやビシオソを振り切るダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ) photo:vueltapaisvasco.diariovasco.com前日の第1ステージで逃げ、山岳賞とスプリント賞でトップに立っているアメツ・チュルカ(スペイン、カハルーラル)がこの日もエスケープ。昨年までエウスカルテルで走っていた2007年ツール・ド・フランス総合敢闘賞の30歳は、単独で5分のリードを得る。チュルカはカテゴリー山岳と中間スプリントでポイントを量産した。

次なる展開が生まれたのは、ゴールまで30kmを残した3級山岳サンマルティン峠。イェンス・フォイクト(ドイツ、レディオシャック・レオパード)とアドリアーノ・マローリ(イタリア、ランプレ・メリダ)が集団を飛び出して先頭チュルカを追撃する。

フォイクトとマローリは、最後の3級山岳ザルディアラン峠で先頭チュルカをキャッチ。ゴール9km手前のザルディアラン峠をマローリが先頭通過したが、メイン集団とのタイム差は15秒。カウンターアタックで飛び出したホセ・エラーダ(スペイン、モビスター)とロメン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼル)とともに、先頭マローリはラスト5kmで吸収された。

全てのカテゴリー山岳を越えた時点で、メイン集団は120名を越える大所帯。アスタナとオリカ・グリーンエッジが積極的に大集団を率いてビトリア・ガステイスの市街地へ。ラスト1kmのフラムルージュに差し掛かると、リーダージャージを着るサイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)が献身的なリードアウトを開始する。ゴールが近づくとマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)にスイッチ。オリカ・グリーンエッジが主導権を握ったまま、ラスト200mでインピーがスプリント体勢に入った。

インピーに勝負を挑んだのは、総合3位のアンヘル・ビシオソ(スペイン、カチューシャ)や、総合4位フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、アスタナ)。しかし好位置からスプリントを開始したインピーの優位は崩れず、そのままライバルたちを振り切ってゴールした。
2年連続ビトリア・ガステイスで勝利を飾ったダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ)2年連続ビトリア・ガステイスで勝利を飾ったダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ) photo:vueltapaisvasco.diariovasco.com

インピーは昨年もビトリア・ガステイスにゴールするステージで優勝している。昨年はゴール前でロングスパートを成功させ、今年は集団スプリントで勝利した。インピーはチームメイトへの感謝を忘れない。「クリスティアン(メイヤー)とアルバジーニが前半から働いて、後半に入るとウェズ(サルツバージャー)やクラーキー(クラーク)、ピーター・ウェーニングのサポートを受けた。そこからは今大会最もスピードのある2人(ゲランスとマシューズ)がリードアウトしてくれたんだ。チーム全体の働きが勝利に繋がった。最高のポジションでスプリントが始まったんだ」。

この日はスプリント力のあるマシューズが発射台役を務めた。役割分担についてインピーは「今朝のミーティングで話し合いを重ね、僕で勝負することに決まった。2人とも似た脚質で、どちらがアシストに回っても良い結果が残せたと思う。調子が良かったので、朝の決定を変えずに勝負したんだ」と説明する。ニール・スティーブンス監督は「チームには、マイケルとダリルというステージ優勝の可能性をもつ選手が2人いた。仮に今回と役割が逆だったとしてもチャンスはあったと思う。2人ともそのことを理解していたし、マイケルも発射台役を快く引き受けてくれた。マイケルで勝負する日がまた来ると思う」と語っている。

オリカ・グリーンエッジはステージ2連勝の代償として、ゲランスのリーダージャージを失った。総合首位の座は、ステージ2位のガヴァッツィの手に。ボーナスタイムが設定されていないため、総合上位17名がタイム差0秒の中にひしめく。翌日から始まる2連続頂上ゴールで総合争いは動く。
総合首位に立ったフランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、アスタナ)総合首位に立ったフランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、アスタナ) photo:vueltapaisvasco.diariovasco.com2日連続で逃げたアメツ・チュルカ(スペイン、カハルーラル)が山岳賞とスプリント賞のトップをキープ2日連続で逃げたアメツ・チュルカ(スペイン、カハルーラル)が山岳賞とスプリント賞のトップをキープ photo:vueltapaisvasco.diariovasco.com

選手コメントはオリカ・グリーンエッジ公式サイトより。

ブエルタ・アル・パイスバスコ2013第2ステージ結果
1位 ダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ)         4h23'31"
2位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、アスタナ)
3位 アンヘル・ビシオソ(スペイン、カチューシャ)
4位 ダニエーレ・ラット(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)
5位 デニス・ファネンデルト(ベルギー、ロット・ベリソル)
6位 ミシェル・クレダー(オランダ、ガーミン・シャープ)
7位 ダニエーレ・ピエトロポッリ(イタリア、ランプレ・メリダ)
8位 エゴイス・ガルシア(スペイン、コフィディス)
9位 マチェイ・パテルスキー(ポーランド、キャノンデールプロサイクリング)
10位 ペーター・ベリトス(スロバキア、オメガファーマ・クイックステップ)

個人総合成績
1位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、アスタナ)           8h30'04"
2位 アンヘル・ビシオソ(スペイン、カチューシャ)
3位 ペーター・ベリトス(スロバキア、オメガファーマ・クイックステップ)
4位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ)
5位 ナイロ・クインターナ(コロンビア、モビスター)
6位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、スカイプロサイクリング)
7位 サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
8位 リッチー・ポルト(オーストラリア、スカイプロサイクリング)
7位 ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター)
10位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)

ポイント賞
フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、アスタナ)

山岳賞
アメツ・チュルカ(スペイン、カハルーラル)

スプリント賞
アメツ・チュルカ(スペイン、カハルーラル)

チーム総合成績
アスタナ

text:Kei Tsuji
photo:vueltapaisvasco.diariovasco.com
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