上りゴールのスプリントで綾部が5位、吉田が6位。伊藤は総合6位をキープ

1kmの登坂を経てゴールへと至るツール・ド・台湾第3ステージ。最後は40名ほどに絞られた集団によるゴール勝負となり、モハマドシャール・アミンが優勝。綾部勇成が5位、吉田隼人が6位とそれぞれ入賞を果たした。

大仏殿をスタートしていく photo:tourdetw開幕3日目を迎えたツール・ド・台湾（UCI2.1）が辿るコースは、台湾中西部にある彰化縣を巡る154kmのサーキットコース。スタート/ゴールとなるのは彰化のシンボル・大仏がある郊外の八卦山で、最後は標高89mの頂上まで1kmを駆け上がる頂上ゴールだ。

コースは序盤に標高258mのカテゴリー2級山岳がある以外は概ねフラットで、登坂力のあるスプリンターや、アタッカーに有利。過去には鈴木真理（当時シマノレーシング）や宮澤崇史（当時日本ナショナルチーム）がステージ優勝をさらっている。


彰化の市内を駆け抜けるツール・ド・台湾第3ステージ photo:tourdetw

平塚吉光（愛三工業レーシング）を含む逃げグループ photo:tourdetw10kmのパレード走行を経てリアルスタートが切られると、この日も激しいアタック合戦が繰り広げられていく。そしてダニー・サマーヒル（アメリカ、ユナイテッドヘルスケア）、平塚吉光（愛三工業レーシング）、内間康平（日本ナショナルチーム）を含む9名が先行し、最大で3分ほどのタイム差をつけることに成功する。

やがてテンポを早める集団に75km地点で逃げを飲み込むと、カウンターアタックで11名の逃げグループが形成される。この中には入部正太郎（シマノレーシング）と内間康平が入った。

終盤に逃げるフェン・チュンカイ（台湾、チャンピオンシステム・プロサイクリング）とリー・ロジャース（イギリス、CCNサイクリング） photo:tourdetw日本ナショナルチームがこの日選んだ作戦は、「ステージ成績を見越し、逃げにメンバーを送り込むこと」。内間は2連続でエスケープに入り、チームオーダーをこなしていく。

上りスプリントを制したモハマドシャール・アミン（マレーシア、トレンガヌサイクリング） photo:tourdetwしかしこの逃げグループも、集団が猛烈な勢いで追ったため長くは続かない。代わってフェン・チュンカイ（台湾、チャンピオンシステム・プロサイクリング）とリー・ロジャース（イギリス、CCNサイクリング）、マーティン・イルヴィン（アイルランド、ユナイテッドヘルスケア）が飛び出した。

強力な3名は一時1分弱程の差をつけることに成功したものの、ゴール勝負に向けてペースを上げる集団の勢いには叶わず残り4kmで吸収。ドラパック・サイクリングとユナイテッドヘルスケアがリードする形で残り1kmから始まる登坂に突入した。

そしてラスト500mから西村大輝（日本ナショナルチーム）がアタックしたが、残り100mで捉えられ、圧倒的なスプリントでモハマドシャール・アミン（マレーシア、トレンガヌサイクリング）がステージ優勝を飾った。

その後方では綾部勇成（愛三工業レーシング）が5位、吉田隼人（シマノレーシング）が6位に入り、UCIポイントの獲得に成功。総合6位の伊藤雅和（愛三工業レーシング）はトップとタイム差無しのステージ17位に入り、総合順位をキープしている。


総合、各賞、ステージ表彰 photo:tourdetwイエロージャージを守ったキリル・ポズディヤノフ（ロシア、シナジーバクサイクリング） photo:tourdetw



ツール・ド・台湾2013第3ステージ結果
1位　モハマドシャール・アミン（マレーシア、トレンガヌサイクリング）　3h15′33″
2位　ベルナルド・サルツバージャー（オーストラリア、ドラパック・サイクリング）
3位　アンドレアス・ミュラー（オーストリア、オベルンドルファー）
4位　モハマドアディク・フサイン（マレーシア、チャンピオンシステム・プロサイクリング）
5位　綾部勇成（愛三工業レーシング）
6位　吉田隼人（シマノレーシング）
7位　キリル・ポズディヤノフ（ロシア、シナジーバクサイクリング）
8位　グリシャ・ヤノルシュケ（ドイツ、ニュートリション・アバス）
9位　クロムステン・アンデルセン（デンマーク、フロイ・ビアンキ）
10位　マックス・ワルスレーベン（ドイツ、ニュートリション・アバス）　

16位　鈴木譲（シマノレーシング）
17位　伊藤雅和（愛三工業レーシング）
27位　西村大輝（日本ナショナルチーム）
34位　平塚吉光（愛三工業レーシング）
60位　清水太己（日本ナショナルチーム）　+36″
67位　安井雅彦（シマノレーシング）　+52″
68位　福田真平（愛三工業レーシング）　+56″
72位　寺崎武郎（日本ナショナルチーム）　+1′13″
78位　内間康平（日本ナショナルチーム）　+1′19″
82位　中島康晴（愛三工業レーシング）　+1′44″
88位　入部正太郎（シマノレーシング）　+2′15″
89位　野中竜馬（シマノレーシング）

個人総合成績
1位　キリル・ポズディヤノフ（ロシア、シナジーバクサイクリング）　9h24′07″
2位　ベルナルド・サルツバージャー（オーストラリア、ドラパック・サイクリング）　+01″
3位　ネイサン・アール（オーストラリア、ジェネシス・ウェルスアドバイザーズ）　　+03″
4位　クロムステン・アンデルセン（デンマーク、フロイ・ビアンキ）　+09″
5位　ホ・チョイキ（香港、香港ナショナルチーム）　+13″
6位　伊藤雅和（愛三工業レーシング）　+19″
7位　モハマドソフィ・セナン（マレーシア、トレンガヌ・サイクリング）
8位　ツガブ・ブルメイ （エチオピア、MTNキュベカ・サムスン）
9位　モハマドアディク・フサイン（マレーシア、チャンピオンシステム・プロサイクリング）　+25″
10位　ルイス・メインテ（南アフリカ、ＭＴＮキュベカ・サムスン）

ポイント賞
キリル・ポズディヤノフ（ロシア、シナジーバクサイクリング）

山岳賞
ネイサン・アール（オーストラリア、ジェネシス・ウェルスアドバイザーズ）

チーム総合成績
フロイ・ビアンキ


text:So.Isobe
photo:tourdetw