祝日の3月20日(水)、埼玉県の大宮ソニックシティと隣接する鐘塚公園で埼玉サイクリングショーが開催された。自治体が主催する見本市としては全国初となるこのイベントには、自転車関連企業や市町村など約50の企業・団体が出展。「じてんしゃ王国・埼玉」をアピールした。

大宮駅に程近い、ソニックシティの鐘塚公園大宮駅に程近い、ソニックシティの鐘塚公園 会場は大宮市の駅前、ど真ん中だ会場は大宮市の駅前、ど真ん中だ


晴天に恵まれた当日、会場となるのは大宮駅から徒歩1分。駅前からすぐの鐘塚公園だ。ビルの谷間の広場が会場という、今までにない自転車イベントの模様をお伝えする。

このイベントの主催は「埼玉県」。自転車の楽しみ方を広め、自転車市場の拡大による埼玉経済の活性化を目指すとしている。埼玉県にはブリヂストンサイクルを筆頭に自転車関連企業が多くあり、かつ「自転車保有率日本一」「自転車出荷台数日本一」であることを背景に、県が「ぐるっと埼玉サイクルネットワーク構想」を策定し、安全で快適にサイクリングができる「じてんしゃ王国」づくりに取り組んでいる。

電動アシストサイクルやハンドサイクルまでが試乗できた電動アシストサイクルやハンドサイクルまでが試乗できた カーボンフレームの解説をするグラファイトデザインとVAXレーシングの松尾修作選手カーボンフレームの解説をするグラファイトデザインとVAXレーシングの松尾修作選手


広報キャンペーンの「LOVE bicycle SAITAMA」では、自転車と埼玉の魅力を発信する女性グループ「ポタガール埼玉」を結成、自転車で散歩する「ポタリング」で見つけた埼玉県の魅力を発信するなど、県民運動として盛り上げている。埼玉は自転車に熱いのだ。(埼玉の自転車に関連することは記事下部にまとめよう)

マスコットの「コバトン」はどこでも人気者だマスコットの「コバトン」はどこでも人気者だ 各市のゆるキャラもいろいろ登場 こぜにちゃんとつうべえ各市のゆるキャラもいろいろ登場 こぜにちゃんとつうべえ


周辺には最新自転車の展示・試乗コーナーが設けられ、試乗もできた。
キャンペーンの応援ソングを歌う「にゃんたぶぅ」の3人の愉快な司会でショーは進行。都会的な大宮ソニックシティの会場で、クイズ王選手権など様々なプログラムが進行。

クイズ王選手権も盛り上がるクイズ王選手権も盛り上がる 会場となった大宮ソニックシティの一角会場となった大宮ソニックシティの一角


au損保プレゼンツ「 LOVE bicycle SAITAMAトークショー」では、上田埼玉県知事、別府始さん(スポーツジャーナリスト)、宇井愛美さん(ポタガール埼玉リーダー)、au損保の柳保幸専務、そしてMCには日向涼子さんのメンバーが、サイクリングやレースの魅力、生活の中での自転車を取り巻く交通ルールや安全事情などについて語り合った。

au損保プレゼンツ「 LOVE bicycle SAITAMAトークショー」au損保プレゼンツ「 LOVE bicycle SAITAMAトークショー」

話題に登ったのは自転車保険の重要性。自転車の魅力を訴えながらも、利用する人が多いだけに事故も多いこと。手軽であっても自動車と同じく、加害者にもなりうる自転車だからこそ、それに備える保険への加入を訴えた。上田知事は県民が誰でも入りやすい自転車保険加入の制度やしくみを検討したいとも話した。

上田埼玉県知事、別府始さん(スポーツジャーナリスト)、宇井愛美さん(ポタガール埼玉リーダー)、au損保の柳保幸専務が登場上田埼玉県知事、別府始さん(スポーツジャーナリスト)、宇井愛美さん(ポタガール埼玉リーダー)、au損保の柳保幸専務が登場 上田知事は「県民が誰でも入りやすい自転車保険のしくみを検討したい」と話す上田知事は「県民が誰でも入りやすい自転車保険のしくみを検討したい」と話す


LOVE bicycle SAITAMA公式ソングの「片思いライダー」を歌うシンガーソングライターの丸本莉子さんのライブも人気。会場内には埼玉各市町村の名物グルメ、B級グルメのブースが多数出店。それらを味わいながら見入る人も多かった。

「片思いライダー」を歌うシンガーソングライターの丸本莉子さんのライブも人気「片思いライダー」を歌うシンガーソングライターの丸本莉子さんのライブも人気 比企サイクリングマップが本格サイクリストには好評だ比企サイクリングマップが本格サイクリストには好評だ


「比企サイクリングマップ」をはじめ各地域のサイクリングマップやスタンプラリーなど、サイクリングで埼玉をまわってもらおうとする企画も多く紹介されていた。

大宮ソニックシティ内の会場ではツール・ド・フランスの映像が公開され、一般の方にもサイクルレースの魅力をアピール。ローラー台上でスピードを競うタイムトライアルコンテストなども盛り上がった。

ツール・ド・フランス冠クリテリウム大会を開催することが話題の「さいたま市スポーツコミッション」のブースではまだASOとの調印前のためそのレースに関する話は聞けなかったが、今月25日に発表が行われるとのことだ。

来年度も開催
埼玉県によれば、当日の来場者数は1万5000人。来年は2月15日~16日に会場を「さいたまスーパーアリーナ」に移し、さらに規模を拡大して開催する予定だという。

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埼玉と自転車の関係

・埼玉県は自転車発祥の地といわれる。18世紀初め、本庄市にあたる武州児玉郡の庄田門弥が発明した「陸船車」は世界最古の自転車機能をもつ。

・荒川&入間自転車道など、川沿いのサイクリングロードが人気。ほかにも多数のたくさんのサイクリングコースがある「じてんしゃ王国」。マナー向上のための「あらかわマナーアップミーティング」(グッチャリ主催)なども開催。

・自転車ごと載せることができる臨時電車「秩父サイクルトレイン」が、西武鉄道(池袋駅・秋津駅〜西武秩父駅間)と秩父鉄道(羽生駅〜御花畑駅間)で運転されている。

・ブリヂストンサイクルを筆頭に、自転車関連企業が多い。秩父のグラファイトデザイン、熊谷市のReric(アパレル)、越谷市のKhodaaBloomなど製造業のほか、輸入・卸の代理店も多く、自転車製品の流通の拠点となっている。

・将来ツール・ド・フランスへの出場を目指すエキップアサダ、VAX RACING with SAITAMAらがレースで活動。サイクルライフプロデューサーの相沢康司さんはソフトを教える。シクロワイアード編集部も狭山湖に近い所沢市にある。

・「自転車みどころスポットを巡るルート100体験ツアー」なども企画されていて、ポタリング企画は盛り沢山に用意される。

・秩父地域のすべてのコンビニが自転車の休憩拠点として利用促進のために「駐輪スタンド」と「空気入れ」を配備するなど、歓迎体制もある。

・スピードではなくのんびりを楽しむのがコンセプトのイベント、「埼玉サイクリングフェスティバル」、暑さ日本一といわれる熊谷市を舞台に夏季開催される自転車耐久レース「バーニングマンレース」、シクロクロス大会の「GPミストラル」、「秋ヶ瀬の森バイクロア」、ワイズロード主催の「スポーツバイクデモ」など各種レース・イベントが開催されている。

・さいたま市スポーツコミッションが今年の10月にツール・ド・フランスの名前を冠したクリテリウム大会を開催するべくA.S.O(アモリー・スポール・オルガニザシヨン)と交渉中。まもなく調印予定だという。

photo&text:Makoto.AYANO
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