各地で新規開催されているシクロクロスレースが東海地区でもスタートする。来年度のシリーズ戦化を目指しプレ大会として岐阜県の平田リバーサイドプラザで開催されたCX大会を紹介する。

東海地域で人気の高い平田リバーサイドプラザ・クリテリウム東海地域で人気の高い平田リバーサイドプラザ・クリテリウム (c)Akihiro.NAKAO
2月24日に岐阜県海津市の平田リバーサイドプラザで、「平田リバーサイドプラザ・シクロクロス」プレ大会が開催された。
東海地区では過去にもホビーレースとしてシクロクロスが開催されていたが、このシクロクロスは今後AJOCCルールに則った公式戦として開催することも視野に入れている。

コースは河川敷で風が強いのが特徴コースは河川敷で風が強いのが特徴 (c)Akihiro.NAKAOシクロクロスを前にクリテリウムを走る筧五郎(イナーメ・アイランド信濃山形)シクロクロスを前にクリテリウムを走る筧五郎(イナーメ・アイランド信濃山形) (c)Akihiro.NAKAO


近年東海でもシクロクロスが浸透しており、隣関西クロスでは東海レーサーが遠征にきてレースを盛り上げている。
東海から関西は比較的に距離は近いものの、やはり地元でのシクロクロスを開催する要望が高まり実現に至った。

ゴールはスプリント勝負!ゴールはスプリント勝負! (c)Akihiro.NAKAOカメラマンも多数の選手の走りを激写!カメラマンも多数の選手の走りを激写! (c)Akihiro.NAKAO


クリテリウム
当日のメインイベントの岐阜県自転車競技連盟が主催する平田リバーサイドプラザ・クリテリウムは、クラス分けが細かくされており、毎月レースが行われるので東海レーサーにとっては練習レースとしてお馴染みとなっている。

子供達の勝負も熱い!子供達の勝負も熱い! (c)Akihiro.NAKAO小学生のクラスの参加が充実していた小学生のクラスの参加が充実していた (c)Akihiro.NAKAO


WEBで仮エントリーして会場で参加費を払うシステムは、その日にキャンセルをしてもペナルティがなく、空きがあれば当日のエントリーができる。また会場は名神岐阜羽島ICから近くアクセスがよいのも利点だ。

シクロクロス
35人と満員となったシクロクロスのC2クラス35人と満員となったシクロクロスのC2クラス (c)Akihiro.NAKAO
クリテリウム終了後にシクロクロスとなり、プレ大会との事なので独自ルールとなっており、今回の参加費は無料。C1.C2.C3.レディース.ギッズの各クラス35人の定員で、大きな告知をせずともC2.3は満員となった。東海だけでなく関西からの遠征の選手も多数いた。
C1は辻善光(湘南ベルマーレ)のエントリーで注目度は高まったと言えるだろう。

プレ大会となった平田リバーサイドプラザ・シクロクロスのC1がスタートプレ大会となった平田リバーサイドプラザ・シクロクロスのC1がスタート (c)Akihiro.NAKAOお兄さんの筧太一が作ったステップを飛ぶ筧五郎(イナーメ・アイランド信濃山形)お兄さんの筧太一が作ったステップを飛ぶ筧五郎(イナーメ・アイランド信濃山形) (c)Akihiro.NAKAO


コースは2012マスターズチャンプの筧太一が監修しており、平坦な河川敷で緩やかな斜面でもそれをうまく使ったレイアウトで、ライン取りに差がでるように工夫されている。コース中央の舗装路とレースで「慣らされていない」荒れたダートコース、芝生のちょっとした濡れた路面でシクロクロスで重要なタイヤ圧の設定が難しい。距離は2.5kmとなっている。

レースは辻善光(湘南ベルマーレ)と筧五郎(イナーメ・アイランド信濃山形)の一騎打ちレースは辻善光(湘南ベルマーレ)と筧五郎(イナーメ・アイランド信濃山形)の一騎打ち (c)Akihiro.NAKAOシケインを飛ぶ辻善光(湘南ベルマーレ)シケインを飛ぶ辻善光(湘南ベルマーレ) (c)Akihiro.NAKAO


また、クリフォードに続いてBUCYOシケインと新たにBUCYOステップも登場。関西クロス堺で選手の目を回らせた通称「グルグル」区間も用意され、初開催としては仕掛け満載のコースとなっていた。

関西シクロクロスで登場した「グルグル」のミニ版が登場?関西シクロクロスで登場した「グルグル」のミニ版が登場? (c)Akihiro.NAKAO

走り応え、見応えのある満足度の高いレース

レースの競技時間はAJOCCと異なり、C1は40分、C2は30分、C3は20分、レースではそれぞれ6周・4周・3周となりレディーズは2周。キッズは小学生を対象にショートコースを走る。
初コースという事でレポーターの私もC3でレースに参加してみた。昼からのシクロクロスのスタートではクリテリウムと反対側で告知が周知されておらず、試走してやっと気づいたくらい。

シケインの集団通過は勝負所の一つシケインの集団通過は勝負所の一つ (c)Akihiro.NAKAO3位の川村誠3位の川村誠 (c)Akihiro.NAKAO


レースは35人と十分な選手層で、スタート後は舗装路を走って公園の芝生区間へ。ここはコーナーが連続するクランク状になっていて少し路面がぬかるんでいるから滑らせないように慎重に走る。BUCYOシケインを飛び越え、続いてBUCYOステップは5連で、関西クロスではお馴染みのセクションで降りるか飛ぶかの選択を迫られる。

子供達もシクロクロスは楽しい子供達もシクロクロスは楽しい (c)Akihiro.NAKAOMTBならステップを飛び越えるのは簡単?MTBならステップを飛び越えるのは簡単? (c)Akihiro.NAKAO


舗装路に戻って、続いては道の盛り土の急斜面を昇り降りするキャンバーセクション。高さは無いものの草刈りされたばかりでラインが読み辛い。担ぎセクションから舗装路〜キャンバーセクション〜舗装路を経てスタートに戻る。
C3は20分となっていたが、風も強く踏み踏みでパワーのいる「ドM」なレイアウトなっている。

C1は注目された辻とともにクリテリウムでレースを動かしていた筧五郎(イナーメアイランド信濃山形)の一騎打ちとなった。太一は五郎の兄で、五郎は過去シクロクロス選手として活動していた。

出走12名のスタートでトップを走る筧に後ろから追いつく辻。テクニックのいる芝生区間と踏む力のいる舗装路で差が開きにくく、3周ほど二人のランデブー走行となった後に辻が筧を引き離し勝利。3位には3番手を走っていた蜂須賀智也がメカトラで脱落後、関西から遠征の川村誠となった。2レースを出た筧五郎はさすがに出し切った感で「しんどかった」というのが精一杯。

C1を制した辻善光(湘南ベルマーレ)C1を制した辻善光(湘南ベルマーレ) (c)Akihiro.NAKAO二つのレースも走った筧五郎(イナーメ・アイランド信濃山形)二つのレースも走った筧五郎(イナーメ・アイランド信濃山形) (c)Akihiro.NAKAO


辻は今回のレースの感想を次のように話す。
「コースはオンロード区間と短い草区間は泥っぽくなっていたりと、単純に見えてスピードを上げると苦戦するコースでよく考えられていました。争っていた筧さんは昼のクリテリウムでしっかり踏めていたのは分かっていました。自分は3間日は湘南でのイベントにいったりして自転車に乗れていなかったので前半上げていくのが難しかったです。リードを奪われないように走りました。
今年は去年気持ちが折れかけて、そんな中湘南ベルマーレが僕を必要としてくれたので、走れる環境を用意してくれたので気持ちも上向いているのでロードシーズンで早く勝利を獲るべくトレーニングに励んでいます」

来シーズンに本格スタートする平田シクロクロスはどうなる?

コースセッターを務めた2012シクロクロスマスターズチャンプの筧太一コースセッターを務めた2012シクロクロスマスターズチャンプの筧太一 (c)Akihiro.NAKAOプレ大会とはいえ盛況だった平田シクロクロス。来シーズンからシリーズ戦としてクリテリウムとは別日程で開催される予定だ。

コースセッターを務めた筧太一はコースのレイアウトについて話す。
「僕がいつも練習している場所はこういったド平坦なコースで、アスファルト区間が組み込まれています。自分が走りたいコースを考えてその中でも芝生の区間に入ってからシケイン〜ダッシュ〜シケイン〜クランクといやらしいセクションを随所に入れました。あと滑りやすいように木の根のキャンバーを使って外側に滑るような感じを取り入れたりしました。

賞品は特製のBUCYOカフェ賞品は特製のBUCYOカフェ (c)Akihiro.NAKAO芝生を超えたら完全に向かい風の舗装路は地足が出る力勝負の区間があってテクニカルもある狙った通りのコースでした。
ステップや『グルグル』は、僕が関西クロスに出て相当楽しかったし、皆さんに聞いても良いイメージが伝わってきて、コースに取り入れました。ステップも自分のコーヒーのコマーシャルも兼ねていて、自分で色を塗って作らさせてもらい凄く楽しい。
今後のコースは間延び過ぎると駄目でバックストレート先の遊歩道は観客が誰もいない。秋から川側の芝生が使えるので繋げると皆が見れるようにしたい。次回から面白くできると思います」。

運営した岐阜県自転車競技連盟の山田冨美雄さんは言う。
「今回は来シーズンに向けて開催するために、連盟の役員の勉強を兼ねて開催しました。やはりというか初めてのことなので、いろんなトラブルがあったがなんとか無事に開催できたと安堵しています。
コース設営はコース機材の足らなくなるなどのトラブルがあって、会場の門限ぎりぎりになって完成しました。当日はスタート地点の案内やコース地図がないなど不手際があり、混乱を与えていたようでした。
来シーズンについてはいずれAJOCC規定で運営できることを目的に、独自のルールで開催して運営レベルを上げていく予定です」。

次シーズンのシクロクロスでは平田リバーサイドプラザ・シクロクロスにも注目しよう。

おもなリザルト
C1 1位 辻義光 2位 筧五郎 3位 川村誠
C2 1位 橋屋耕平 2位 岡本辰志 3位 鷹野剛久
C3 1位 吉田啓一郎 2位 坂直之 3位 滝川将史
レディーズ 1位 岩出愛未 2位 川合妙呼
キッズ5.6年 1位 細田悠太 2位 山内渓太 3位 大河内将泰
キッズ3.4年 1位 名田正興 2位 坂間星南 3位 熊本衣千瑚
キッズ1.2年 1位 山本秀人 2位 山崎雄太 3位 大蔵悟生

text&photo:Akihiro.NAKAO