2012年のツール・ド・フランス期間中に行なわれたドーピング検査で利尿促進剤キシパミドが検出され、レースから退去したフランク・シュレク(ルクセンブルク)。ヒアリングを重ねたFシュレクに、LADA(ルクセンブルクアンチドーピング機構)は1年間の出場停止処分を与えた。

フランク・シュレク(ルクセンブルク)フランク・シュレク(ルクセンブルク) photo:Makoto AYANO2012年ツールの中で最大の衝撃だったと言える、Fシュレクのドーピング陽性。禁止薬物の使用の痕跡を消すマスキング(隠蔽)作用があるキシパミドが、Fシュレクの尿サンプルから検出され、その後のBサンプルの再検査の結果も陽性。Fシュレクは暫定的に出場停止状態に置かれた。

7月以降何度も開かれたヒアリングで、Fシュレクは無実を主張し続けた。当初LADAは規定通りの2年間の出場停止処分を与えると見られていたが、検出されたキシパミドの値がごく微量だったことを考慮し、処分期間は1年間となった。

処分決定を受け、Fシュレクは以下のようにコメントしている。「もちろん、処分が発表されたことに落胆している。私が故意にキシパミド含有物を摂取していないことを審議会も認めている。にも関わらず、1年間の処分は厳し過ぎる。現行のUCIルールでは、無意識のうちの薬物摂取にも処分が与えられる取り決めになっている」。

Fシュレクは2013年7月14日からレース復帰が可能。つまりツール・ド・フランス出場は不可能だ。今後、LADAの決定に関して、Fシュレク、UCI(国際自転車競技連合)、WADA(世界アンチドーピング機構)がCAS(スポーツ仲裁裁判所)に告訴する可能性もある。

なお、Fシュレクとレディオシャック・レオパードの契約は継続中。Fシュレクはオフシーズンのトレーニングキャンプに参加し、チームホームページの選手紹介にも登場している。

以下は処分決定後のFシュレクの記者会見の様子。


text:Kei Tsuji