ホテルでのプレゼンテーションを終えると、出席した数十人のジャーナリストたちとテストライドへと出かけた。ロケーションは西海岸のモントレー周辺。ツアー・オブ・カリフォルニアのコースにもなったアップダウンに富んだエリアでの150kmライドだ。

テストライドしたのはCW編集部・綾野 真。このところ他社製バイク含め新コンフォート系バイクのテストが相次いでいるため、それらとの比較も意識してライドに臨んだ。

世界各国のロングライド好きジャーナリストがGF01をテスト世界各国のロングライド好きジャーナリストがGF01をテスト

スタイリング

テストライド用に準備されたアルテグラDi2仕様のBMC granfondo GF01テストライド用に準備されたアルテグラDi2仕様のBMC granfondo GF01
まずはGF01のスタイリングからみていこう。GF01はそのルックスからしてまず特徴的だ。先端部で大きくベンドしたフォーク、同じく大きくベンドしたチェーンステイとシートステイ。太いダウンチューブ。角張り、屈曲したチューブ。筋骨隆々とした力強さと同時に、チューブの曲げ方向から振動吸収性の向上を狙って開発されたことが伺える。
フレーム表面は流行のマットブラックの仕上げに、シャープな赤いストライプが入る。アルテグラDi2仕様の完成車スペックでテストライドに臨んだ。

上1-1/8、下1-1/2サイズのテーパードヘッドチューブを採用する上1-1/8、下1-1/2サイズのテーパードヘッドチューブを採用する チューブレスレディホイール標準装備。フレームに十分なクリアランスが確保され、28Cのタイヤも使用可能チューブレスレディホイール標準装備。フレームに十分なクリアランスが確保され、28Cのタイヤも使用可能

BMCの象徴とも言えるシートチューブ周り「クロスロック・スケルトン構造」の造詣も健在BMCの象徴とも言えるシートチューブ周り「クロスロック・スケルトン構造」の造詣も健在 もちろんGF01もスイスでデザイン、開発が行われているもちろんGF01もスイスでデザイン、開発が行われている

タイヤの太さが選べたので、25cをチョイス。太めなのでまずは安心感を持って走りだすことができる。そしてライディングフォームもややアップライトなコンフォートポジション。しかし踏み出してすぐに感じるのは加速の良さだ。小気味良くダッシュが効くので、タイヤの太さを忘れてしまう。

テストライド

モントレーの海岸線へ向けて走りだす。まずは振動吸収性に気をつけて走ってみた。海岸道路ならではのザラついた路面の振動は、まったくと言っていいほど消し去ってくれる。そして、意図して舗装路を外れて路肩のオフロードを走って「春のクラシック」のようなシーンを再現してみるも、こちらも余裕で振動を打ち消してくれる快適さだ。路面の穴や段差に意図してタイヤを落としても、ショックをすぐに収束してしまう。パヴェで使用して有利なことは十分に想像できる。

一緒に走ったジャーナリストたちはツワモノぞろい。走りこむうちにだんだんとスピードが上がり、レースのようになる。GF01はクルージングも得意だ。集団でレースライクに走っても、ロードバイクそのままの反応性でキビキビと走る。ひとり、またひとりと代わる代わるアタックしてみるも、加速性になんら不満は感じない。そして、安定した走りで流すように走れる。

カリフォルニア州モントレー周辺の一般道を5時間に渡って走るカリフォルニア州モントレー周辺の一般道を5時間に渡って走る 快適さの中にダッシュにも小気味よく反応するレーシング性能がある快適さの中にダッシュにも小気味よく反応するレーシング性能がある

試乗したコースはツアー・オブ・カリフォルニアに使用されたルートだけあり、急なアップヒルへと上る。峠の頂上までの道を、それぞれが自分の限界を試すようにテンポを刻み、ヒルクライムアタックしてみた。
太いタイヤを履いたホイールは軽さに秀でていて、不利な感じは受けない。どころかとても軽快に上ることができた。チューブレスホイールだが標準はチューブド仕様のコンチネンタル4シーズン25Cタイヤも、軽快に走れる。微振動が伝わらないので、転がり抵抗も軽く感じられるほどだ。

そしてなにより強く感じたのは、ペダリングの軽快さ。踏み込めばすぐ反応する点はハイエンドのロードレーサーそのもので、まったくロングライドバイクにありがちな「ダルさ」を感じ取れないのだ。
ダウンヒルも速い。ワインディングをコーナリングでこなして飛ばす際の安心・安定感は他のバイクにはなかなかないものだ。

ヒルクライムにおいてもまったくダルな面がなく、ハイテンポを刻めるレーシーさを感じたヒルクライムにおいてもまったくダルな面がなく、ハイテンポを刻めるレーシーさを感じた 振動吸収性の高さは下りでも安心感をもたらしてくれる振動吸収性の高さは下りでも安心感をもたらしてくれる

ライディングポジションはレーシングバイクよりも上体がやや起きている。しかし決してコンフォートすぎるものではない。しっかりトルクをかけたパワーライディングが出来る。それはレースでも対応できるだろう。むしろ、トレーニングとスポーツライドの普段使いには持ってこいだ。名前のとおり、グランフォンドには最適なライディングフォームとフィーリングだ。

ロードレースに的を絞って購入するバイクではない。しかし、ハイアマサイクリストのライディングスタイルを見た場合、このバイクがカバーするフィールドはあまりに広いと感じた。「レースでないなら、このバイクを選ぶ」と思えるほどに。

フォーム、フィーリング共に快適。グランフォンドやデイリーユースなら迷わずGF01をチョイスする。しかし依然としてレーサーでもあるフォーム、フィーリング共に快適。グランフォンドやデイリーユースなら迷わずGF01をチョイスする。しかし依然としてレーサーでもある
パーツセレクトすみずみまでにも感心する。リスクを負った軽量パーツはないが、堅牢だけを追求した重さもない。むしろ必要な確実性を確保しつつ、ラフな使用に耐えるパーツが選ばれている。この点もバイクのキャラクターとマッチしているのだ。

BMCというブランドはスポーツ以上のバイクに的を絞って開発される。今回バイク開発について説明してくれたエンジニアやスタッフはすべてマニアックなライダーだ。彼らの込めたメッセージがバイクのすべてのポイントから感じ取れる。特徴的な点が多いが、バイクの全体像は非常に適応範囲の広いユーザーフレンドリーなバイクだと思った。
提供:フタバ商店  編集:シクロワイアード