「impeccable=完全無欠」という言葉から名付けられた完全スイスメイドのカーボンフレーム“BMC impec”。カーボンフレーム製造を、人件費の安いアジアで行うメーカーが多い中、BMCはこのバイクのためにスイス本国に工場を作り、生産を開始したのだという。

世界各国から集まったジャーナリストを前にimpecが発表された世界各国から集まったジャーナリストを前にimpecが発表された photo:Kei Tsuji
BMC社オーナー/アンディ・リース氏BMC社オーナー/アンディ・リース氏 photo:Kei Tsuji「impecのフレームは、すべてハンドメイドで生み出されます。しかし、ハンドメイドと言っても職人の手による手作業ではありません。その製造はすべて独自に専用開発した機械で行われます。そのため、すべての製品はムラなく一様にして高い品質を実現することに成功しました。その徹底した品質管理は、やはり自分たちの目の届く範囲で高性能と精密性を追求できる結果です。つまり、自国の自社工場で自分たちの手で製造しているという意味でハンドメイド=“手作り”ということなのです」(BMC社オーナー/アンディ・リース氏)

スイス製というのは、単なるこだわりではない。高い技術を有する自社工場を完成させた同社にとって、それはベストな選択であるのだ。

リース氏はプレゼンテーションの最後にこう付け加えた。「バイク作りの概念を覆すこの先進の製造技術を駆使して誕生したimpec。これは単なる序章に過ぎません。ここから新たな歴史が始まるのです」

BMC社オーナー/アンディ・リース氏が自信をもって送り出すimpecBMC社オーナー/アンディ・リース氏が自信をもって送り出すimpec photo:Kei Tsuji

マシンによるハンドメイド第一弾 impec

長年に渡って極秘に進められたプロジェクトがようやくimpecという形で結実した。製品開発マネージャーのロルフ・シンゲンバーガー氏の「開発の第一コンセプトは、一見してBMCのバイクだと分かること」という言葉通り、impecは特別なオーラをまとう。目を奪われがち奇抜なデザインの隅々には、最先端の技術が詰め込まれている。

low seat stay

反応の良さと
快適性を両立


BMCの従来モデルにも使用されているシートステイをトップチューブの接合部より低い位置にする設計を採用。これによってシートステイに後方へのしなりが得られ、サドルに座っているときにはフレキシブルな振動吸収性を実現し、さらにサドルから荷重が抜けるダンシング時には素早い反応を得ることが可能に。

シートステイを低い位置につけ、反応の良さと快適性を両立したシートステイを低い位置につけ、反応の良さと快適性を両立した photo:BMC

force specific tubing

フレーム全体で
最適な剛性バランスを実現


立体的に形状が変化するカーボンチューブと高精度に作られたシェルにより、impecはフレーム前・中央・後方の剛性分布のバランスが最適化されている。これによって、ただBB部分の剛性が高くパワー伝達性を高めただけでなく、全体的に抜群の振動吸収性も実現。高次元で高速走行性と快適性が融合されている。

立体的に形状が変化するカーボンチューブと高精度に作られたシェル立体的に形状が変化するカーボンチューブと高精度に作られたシェル photo:BMC

rider fitting

2つのタイプを
1つのプラットフォームから


impecにはレースとパフォーマンスの2タイプが用意される。パフォーマンスはレースに比べて、ホイールベースやアングルを変更することなくヘッドチューブが19mm高く・6mm手前に設計される。これによって、プロ選手と同じポジションではない多くの一般ライダーにとっても、impecの高い性能を堪能しやすくなっている。

レースとパフォーマンスの2タイプが用意されるimpecレースとパフォーマンスの2タイプが用意されるimpec photo:BMC

BMC impec

impec noble versionimpec noble version photo:Kei Tsuji
impec team versionimpec team version photo:Kei Tsuji

SPEC

価格 完成車仕様
787,500円(SRAM RED+EA-90)
840,000円(Dura ace+EA-90)
1,102,500円(カンパニョーロSUPER RECORD+EC-90SL)
1,260,000円(シマノDI2+MAVIC COSMIC CARBON SLR)
サイズ 50、53、55、57、60
カラー noble version、team version
フレーム LSW infusion molded caron tubing +injection molded SNC
フォーク impec tapered
コンポーネント シマノDi2、DURA-ACE、カンパニョーロSUPER RECORD、SRAM REDから選択
ハンドル&ステム Easton EC-90&EA-90
ホイール MAVIC COSMIC CARBON SLR、 KSYRIUM ELITE、 EASTON EC-90SL、 EA-90AERO より選択
重量 1,790g(フレーム・フォーク・シートポスト・ヘッドセット)

シマノDi2モデルもケーブルは内蔵されるシマノDi2モデルもケーブルは内蔵される photo:Kei Tsuji高精度のシェルが実現した奇抜なデザイン高精度のシェルが実現した奇抜なデザイン photo:Kei Tsuji

ボリューム感のあるBBももちろんSNC製法の高精度シェルによるものボリューム感のあるBBももちろんSNC製法の高精度シェルによるもの photo:Kei TsujiリアエンドもSNC製法のカーボンシェルを使用リアエンドもSNC製法のカーボンシェルを使用 photo:Kei Tsuji

直線的でエッジが効いたデザイン直線的でエッジが効いたデザイン photo:Kei TsujiシマノDi2のバッテリーはBB下部に設置シマノDi2のバッテリーはBB下部に設置 photo:Kei Tsujiフォークのエンドに至るまでSNC製法のシェルを使用するフォークのエンドに至るまでSNC製法のシェルを使用する photo:Kei Tsuji



なおBMCオフィシャルサイトにはimpecの工場の製造工程を動画で紹介するファクトリーツアーMOVIEが公開されている。
次回はBMC本社周辺で行われたimpecインプレッション。
最高のライディング環境の中、じっくり乗り込んだライダー達の感想は!?お楽しみに。

取材協力:フタバ商店 企画/制作:シクロワイアード テキスト:星野知大 写真:辻啓