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110回目を迎えたツール・ド・フランス 世界最高のレースを支えるシマノ

当代きってのロードレーサー176名がスペイン、ビルバオの街をスタート。3週間の長い闘いが始まった photo:So Isobe

今年も世界最高峰のステージレース、ツール・ド・フランスが開幕した。最上の栄誉を求めるプロレーサーたちの争いは、初週であることを忘れさせる白熱ぶり。加速するレースの激しさ同様に、それを取り巻く環境や機材、サポート体制も進化を止めることは無い。

世界で最も過酷な三週間の戦いを、世界最大の自転車パーツメーカーであるシマノが支える。選手、チーム、そしてツールという大会自体に対するシマノのパートナーシップを詳らかにしていこう。

プロトンで圧倒的使用率は選手からの信頼の表れ 50周年を迎えたDURA-ACE

カルロス・ロドリゲス(スペイン)やトム・ピドコック(イギリス)を擁するイネオス・グレナディアーズ photo:So ISOBE

数多くのロードレースの中でも最高の格式を誇るツール・ド・フランス。その権威は自転車競技の枠組みを易々と越え、サッカーワールドカップ、F1と並び世界三大スポーツイベントと称されるほど。

ツールと共にグランツールと呼ばれ重要視されるジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャと比較しても、その存在感は際立っている。ツールを制することは、その年最強の選手であることの証明であり、確実に自転車史に名を刻むことが出来る偉業でもある。

コンポーネント、ホイール共にDURA-ACEを使用するイネオス・グレナディアーズ photo:So ISOBE

そんな栄光を目指し、当代きってのスター選手がスタートリストに名を連ね、各チームは彼らを勝たせるべく最高の布陣で臨む。それは、チームメンバーの選出という人材面だけでなく、使用する機材という側面においても同様だ。

今年のツール・ド・フランスにおいても、最も多くのチームが使用するのが一昨年正式デビューを果たしたシマノの最新レーシングコンポーネント、R9200系DURA-ACE。1973年にドイツのケルンにおいて発表された初代DURA-ACEより50年の歴史を重ねて辿り着いた最先端のコンポーネントがプロトンを席巻しているのは、決して偶然ではない。

総合を狙うダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)のラピエール photo:So ISOBE

チェーンステーにはDURA-ACEの50周年を記念するステッカーが貼られていた photo:So ISOBE
プロトンスタンダードとなった54-40のフロントギアを各チームに供給している photo:So ISOBE


全22チーム中、18チームがDURA-ACEを選択している現状はすなわち、最も高い信頼性と走行性能を持つコンポーネントが何であるかを指し示していると言えよう。50年の歴史の中で11,540勝を数え、ツール・ド・フランスを11度制している実績もまた、その結論を補強する。

ツールに欠かせない存在となったシマノ サプライヤーの枠を越えレース全体へのコミットを拡大

熱い総合争いが繰り広げられたツールマレー峠に、この3年間のツールへのメンバーシップを称えるロードペイントが施された photo:So ISOBE

DURA-ACEは412ステージで勝利 photo:So ISOBE
そして、11度の総合優勝 photo:So ISOBE


ただ、サイクルスポーツに携わるメーカーとして選手たちに最新のパーツを供給し、彼らが多くの勝利を収めるというのは、ある種当然の広報活動の一環であるとも言えるだろう。優れた機材が選手に勝利を呼び込むという側面も事実であるが、優れた選手が手にした勝利が機材に権威を与えるという側面もまた一つの真実ではある。

しかし、シマノは単なる商品の宣伝という枠組みを超えて、サイクルスポーツへのスポンサーシップを強めている。世界中のレースを統括するUCI(国際自転車競技連盟)とは26年以上に渡ってタッグを組み、ジロやブエルタとも協力関係を締結。そして、ツール・ド・フランスを主催するASOとも、2021年から正式なパートナーシップを開始し、大会に無くてはならない存在として大きく貢献している。

選手らを勝負から脱落させないよう活躍するニュートラルサポートカー。シマノのコーポレートカラーであるブルーが目を惹く photo:So ISOBE

その象徴とも言えるのが、ニュートラルサポートカーの運行だろう。機材に関するトラブルが起きた際、チームカーの助けを得ることのできない状況下で選手を迅速に助け、競技へと復帰させるために必要不可欠なのがニュートラルサポートだ。機材サポートの有無を問わず、プロトン全ての選手の為に働く存在として、今年もシマノのコーポレートカラーであるブルーに彩られた車が全ステージに帯同している。

3週間に渡り、ピレネーやアルプスの山稜を越え、いくつもの街を巡り、パリのシャンゼリゼを目指す長大な旅路。勝負を争う選手らと道程を同じくするニュートラルサポート部隊が、ツールを支える屋台骨の一つであることに疑いはないだろう。

史上稀に見るホットスタートとなった第一週をプレイバック

ジロからの連戦となるティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) photo:So ISOBE

さて、そんなシマノが支える第110回ツール・ド・フランスは、スペインで開幕。TTステージが1度のみとなり、総合争いはクライマー有利と予想されていた。スペインの中でも自転車競技への愛に満ちたバスク地方の都市、ビルバオがグランデパールとなる第一ステージから、獲得標高差3,300mという山岳に近い丘陵コース。

さながらクラシックのようなコースで今大会初のマイヨジョーヌを着用する選手を決めるべく、初日から熱戦が繰り広げられた。勝つのはパンチャーだ、スプリンターだ、という事前の予想を覆し、総合勢が積極的に動く一日に。シモン・グリエルミ(フランス、アルケア・サムシック)らが入る5名の逃げを捕らえた集団は既に大きく絞られ、初日にして総合争いに大きな影響を与える1日に。

第2ステージ、終盤にアタックしたトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos

続く第2ステージも同様の丘陵ステージ。レミ・カヴァニャ(フランス、スーダル・クイックステップ)ら3名のエスケープを最終2級山岳ハイスキベルでつかまえた集団は、前日同様厳しいセレクションを経た精鋭のみ。この中に残ったトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が最終盤にアタックし見せ場を作る一方で、スプリンターらはグルペットで過ごす2日間を強いられた。

開幕間もないとは思えない濃密な2日間を過ごしたプロトンだが、3日目にして初のスプリントステージを迎える。スペイン最終日となるこの日、ビスケー湾沿いに東進するプロトンがついにフランスへと到達した。

今大会最初のスプリントを制したヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:So Isobe

フィリプセンをサポートするアルペシン・ドゥク―ニンクのトレイン photo:CorVos
第4ステージ、ハンドルを投げるヤスペル・フィリプセンとカレブ・ユアン photo:CorVos


第5ステージ、マイヨヴェールを着用してスタートに現れたヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:So ISOBE

フランス領バスクの中心都市、バイヨンヌに設けられたフィニッシュ地点を最速で駆け抜けたのはヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)。チームメイトのマチュー・ファンデルプール(オランダ)による高速リードアウトから発射されたフィリプセンが今大会1勝目を飾った。

フィリプセンの勢いは止まらず、続く第4ステージでも並みいるスプリンターを蹴散らして2連勝。このステージでマイヨヴェールを獲得したフィリプセンはDURA-ACEコンポーネントだけでなく、DURA-ACEホイールも使用。完全な平坦ステージはここまでほとんど無かったこともあり、オールラウンドな50㎜ハイトのDURA-ACE C50をメインで使用しているようだ。

初のツールでステージ優勝を飾ったジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos

ステージ優勝と共にマイヨジョーヌに袖を通したジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos

そして山岳ステージでもシマノサポートチームの勢いは止まらない。ピレネーに足を踏み入れた第5ステージでは22年のジロ覇者であるジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)が独走での逃げ切り勝利。同時に自身初となるマイヨジョーヌを獲得し、キャリアに新たな一ページを加えた。初の山頂フィニッシュでは総合争いも激化。続く第6ステージでも一進一退の攻防を繰り返す様子は、初週とは思えない波乱の展開で世界中のロードレースファンをテレビの前に釘付けにした。

第7ステージでは、フィリプセンがツール最多勝記録が掛かるカヴェンディッシュを下し、1週目にして3勝を挙げる大躍進を果たす。続く第8ステージでも2位へと入りスプリントポイントを着実に積み重ね、早くもシャンゼリゼでのスプリント賞の獲得に向けて幸先の良いスタートを切っている。

破竹の勢いで勝利を重ねるヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)のバイク photo:So ISOBE

フィリプセンのバイクにもDURA-ACE50周年記念ステッカーが貼られる photo:So ISOBE
もちろんスプリンタースイッチを装備。フィリプセンの加速を支える変速スピードと信頼性を持つコンポーネントだ photo:So ISOBE


ハットトリックを達成したヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos

波乱含みの第1週を締めくくる第9ステージは、超級山岳ピュイ・ド・ドームへフィニッシュする山岳ステージ。大逃げが決まる後ろで総合争いも勃発。シマノサポートチームからは、3位にヒンドレーが、4位にはカルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ)らが入り、表彰台を射程圏内に収めている。

これまでのツールの定石と大きく異なる熱戦で幕を開けた第1週。ここまでの9ステージ中、8ステージをDURA-ACEを用いる選手が制しており、その圧倒的な実績は今年も健在。そして、次週以降も、フィリプセンのマイヨヴェール、そして総合争いにも期待がかかる。
提供:シマノセールス 制作:シクロワイアード編集部