2018年にデビューして以来、常にソフトウェアの改良が加え続けられてきたオルターロック。満を持してハードとソフトをメジャーアップデートし、よりサイクリストフレンドリーなIOT自転車ロックへと進化を遂げた。本ページではその進化の内容を詳しく紹介しよう。

第2世代でハードウェアはどこが進化を遂げた?

CFD解析も行ったボディ形状に進化

デバイスの屈曲によってエアロを阻害しない作りだデバイスの屈曲によってエアロを阻害しない作りだ photo:Gakuto Fujiwara
オルターロックの機能を司るのはソフトウェアだが、ハードウェアの開発にも余念がない。開発者である照山聖岳さんは自身がサイクリングを楽しむロードバイク乗りであり、サイクリストの要望を深くまで理解しているのだ。

現在のロードバイクはエアロダイナミクスが重要となり、レースモデルでは必須項目となっている。そして軽量化はいつの時代も変わりない高性能バイクの証であり、そのような要素を追求したロードバイクに装着する以上、オルターロックには自転車の性能を損なわない設計が求められる。

筐体は可能な限りサイズダウンを行うとともに、フレームのエアロダイナミクスを妨げないスリムな形状に。さらにアンテナが内蔵される部分は空気の流れを乱さない方向にベンドしている。第1世代ではシートチューブに装着する作りだったが、第2世代ではダウンチューブへの取り付けを前提とする設計へと変更された。

第2世代ではCFD解析まで行いエアロ性能を設計した第2世代ではCFD解析まで行いエアロ性能を設計した (c)オルターロック
カムテールデザインのダウンチューブにフィットするL字型の形状とされたカムテールデザインのダウンチューブにフィットするL字型の形状とされた photo:Makoto AYANO
これらの変更だけではなくオルターロックでは、開発時にCFD(数値流体力学)でエアロダイナミクスの検証も行う徹底ぶり。ボトルケージと一体となるコンパクトさのおかげで、空力性能だけではなく、全体的なルックスを崩さないのも嬉しいところ。

細部まで徹底的に再設計が施された第2世代

ボルトを通す部分にアルミのインサートを加えていることもアップデートのポイント。非常に細かい改良ではあるが、ボルトをしっかり締め上げてもアルミのインサートが力を受け止め、本体へと力を伝えず内部の電子機器やケース自体の破損を防いでくれるという。

オルターロック第2世代の中はバッテリーやスピーカーが大きく、基盤はコンパクトにされているオルターロック第2世代の中はバッテリーやスピーカーが大きく、基盤はコンパクトにされている (c)オルターロック音量のチェックなど細かく開発が行われた音量のチェックなど細かく開発が行われた (c)オルターロック


ハード面で忘れてはならないのが、ブザーとケースに設けられた穴の大型化と、共鳴部分の設計改良だ。これらはアラームの音量などに関わる部分であり、加えて音圧を上げるための部品を独自に設計。第2世代では前作より音圧は約3倍に達し、音量は15dBアップ。大きな音で周囲の目をひきつけやすくなるため、盗難抑止力も高まっているはずだ。

さらに小型化を進めた結果、重量も61gから53gへとダイエットに成功。第1世代の段階で既にできる限りのことを行ったというが、第2世代ではさらに独自のパーツを作るほど軽量性を追求しているとのことだ。手間と時間、予算を費やした愛車だからこそ、盗難から守りたい。そのための53gは決して重すぎることはないはずだ。

デバイスとボルトの合計重量は53gデバイスとボルトの合計重量は53g

オルターロックの肝、ソフトウェアの進化に迫る

異変の検知機能が大幅アップデート

さて、ここからはソフトウェアのアップデートポイントに焦点を当てよう。

最も大きな変化は加速度センサーによる異変検知機能だ。前作でもサイクリング時に駐輪するシチュエーションを想定、検証して性能が煮詰められていたが、今作では加速度センサーの調整を何度も繰り返し、それを上回る性能を実現した。

スマホと連携することでアラームの設定や位置情報を追跡できるオルターロックスマホと連携することでアラームの設定や位置情報を追跡できるオルターロック
第1世代では振動に対して反応しやすいようにチューニングが施されていたという。実際にサイクルラックに駐輪しているときに風で煽られたり、他のバイクを停めたり下ろしたりする時に不意に自転車が当たってしまうことなどで、オルターロックが反応することもあったという。

それを改善するべく、第2世代ではデバイスの角度や移動量をモニターしており、自転車が盗まれる時の動きを想定した設定が行われているという。例えば、サイクルラックに掛けられた自転車でも、先述した動作の場合オルターロックは反応せず、自転車を地面に下ろそうとする動きに対しては敏感に反応する。たとえ静かに下ろしたとしてもオルターロックは異変を感知するという。

ラックに載せた時にあわせて検知機能が煮詰められたラックに載せた時にあわせて検知機能が煮詰められた
ロー、ミドル、ハイに設定された3種類の感度でオルターロックは警戒にあたってくれる。例えば、ローの場合は自転車の傾きに対しては反応しにくくなっているが、サイクルラックから降ろすような上下の動きには敏感に反応してくれる。対して、ハイの場合は壁に立て掛けた自転車を起こそうとする動作をするだけで、オルターロックは異変を捉えてくれる。

自転車用にチューニングが施された検知機能がさらに向上することで、誤検知にビクビクすることも少なくなる上、オルターロックを狼少年のように思わなくて済む。自転車から離れる時の安心感は強くなるはずだ。

検知感度をトップページから調整できる検知感度をトップページから調整できる

位置情報取得にWi-Fiも活用する第2世代

そして位置情報取得の方法にGPSだけではなく、Wi-Fiが追加されたこともポイント。これは位置情報が含まれているWi-Fiのアクセスポイントを活用し、オルターロックの場所を特定しようというものだ。GPSの場合は高層ビル群や屋内では情報が正確に捕捉できないこともあり、そのGPSの死角を埋めるためにWi-Fiが用いられている。

また、GPSがデータを取得する仕組みが変更されている。第1世代は揺れを検知すると位置情報を取得し、スマホに送信するという流れだったが、第2世代では持ち去られた自転車が移動を停止した段階からGPSの取得を開始するという。これにより省電力かつ最終地点や中継地点を特定できる可能性が高くなっているとのことだ。

ロックのオン/オフは物理ボタンもしくはアプリからのみに

また、第1世代には採用されていたBluetoothを使った自動ロック機能は今作ではオミットされている。理由はBluetoothの接続性によるもので、何度も電波圏内と圏外を行ったり来たりを繰り返すと正しくロックがかからないというケースもあったから。自転車を守るという第1の目的を果たすために、今作ではスマホアプリもしくはデバイスの物理ボタンでロックのオンオフを切り替えるシステムになっている。

第2世代では物理ボタンを押してロックのオン/オフを切り替える第2世代では物理ボタンを押してロックのオン/オフを切り替える
物理ボタンでのロック操作にはペアリングしているスマホがBluetooth圏内かつ近くにいる必要があるため、離れている状況でロックが解除されてしまう心配も少ない。そして、この機能を使うためにわざわざアプリの画面を表示させる必要はない。アプリがバックグラウンドで機能している状態であれば、近づくだけでボタンの操作が行えるという。

アプリとスマホのペアリング状態だが、アンドロイドの場合はほぼすべてのシチュエーションで接続され、iOSの場合は自らアプリをシャットダウンしない限りバックグラウンドでの接続は保たれるという。また、iOSでは表に出ているアプリ以外はCPUを使わないため、オルターロックユーザーはアプリを落とさずにそのまま使い続けよう。

クリック感のある物理ボタンによってスタンバイのオン/オフを操作できるクリック感のある物理ボタンによってスタンバイのオン/オフを操作できる

ユーザビリティを高めたスマホアプリのインターフェイス

デバイスが第2世代にアップデートされる直前にスマホアプリのデザインもガラリと変わっている。基本の項目は同じながら、見やすくかつ直感的に使いやすいインターフェイスとすることで、オルターロックの使い勝手を高めている。現在、自転車にアセンブルしているパーツのリストと、ストラバと連携して使用距離を算出する機能も開発中とのこと。今後に期待したいところだ。

アプリで設定できる項目が第1世代から若干変更されている。例えば「初回警告音」というのは、1回目の鳴動は若干音量が控えに調整されており、持ち主が誤って鳴らしてしまった場合のことを考慮したもの。2回目から最大限の音量で鳴るという。オフにもできるため、ユーザーの好みで使い分けよう。

バージョンアップしたスマホアプリはシンプルで見やすいバージョンアップしたスマホアプリはシンプルで見やすい
ちなみにアラームの鳴動は1・2・3回、無制限から設定することができる。1回目と2回目は異なるパターンで、3回目以降は2回目と同じパターンで鳴るようになっている。回数制限の設定した場合は、その設定回数以降はアラームは鳴らずに位置情報だけをスマホに送るようになっている。

これはイタズラではなく持ち去られるシチュエーションにおいては、鳴動しているとデバイスが取り外されてしまう恐れもあるため、音を鳴らさずに追跡だけにフォーカスするという意図があるという。そして、もし自分のスマホとオルターロックの接続が切れてしまい、かつスマホが操作できなくなった場合も想定している。そのようなシチュエーションでも乗らなければならない時、アラームが鳴り続けていると、周囲からは持ち主であるにも関わらず怪しまれてしまう。レアケースではあるものの、そのような状況もカバーしてくれるのは安心材料の一つだろう。

検知の感度や定期送信のオンオフはトップページから行うことが可能検知の感度や定期送信のオンオフはトップページから行うことが可能 デバイスの詳細設定では様々な調整を行えるデバイスの詳細設定では様々な調整を行える メンテナンス履歴をつけることで、パーツ交換時期もわかりやすいだろうメンテナンス履歴をつけることで、パーツ交換時期もわかりやすいだろう


さらにスマホのトップページに表示されている項目の一つに「定期送信」というものがある。これは盗まれていなくても位置情報を知りたい方向けに、一定間隔(詳細設定で30~360分の間隔から選択)で位置情報をスマホに送信するシステムだ。

特にこのような機能が活躍するのは、自転車から離れているだけで心配になる方など。例えば、日常生活の脚としてスポーツバイクを使っているが、駐輪場の関係で仕事中も気になって仕方ない場合などは役に立ってくれるだろう。また、ホテルなどに宿泊した際に自転車を部屋まで持ち込めない場合もこの機能の有り難みを感じられそうだ。ただ間隔が短ければその分電池消耗も多くなるため、必要な状況を見極めたい機能だ。

現在開発中のメンテナンスリマインダー。実装されることを期待したい現在開発中のメンテナンスリマインダー。実装されることを期待したい


以上がオルターロックの第2世代でアップデートされた部分だ。ハードウェアの進化はもちろん、ソフトウェア面でも改善が行われており、ユーザビリティの高いプロダクトに仕上がっている。これに留まらずソフト面では随時アップデートが行われており、機能拡張への期待も高い。

文章で伝わりきらない部分については下の動画をチェックしてもらいたい。

そして3ページ目は開発者である照山聖岳さんと、ワイズロード東大和店で実際にオルターロックの販売に携わる大元英俊さんによるクロストークをお届けしよう。いちサイクリスト目線とショップスタッフ目線でオルターロックの魅力を語ってもらった。



※オルターロック第2世代は8月までに予約した分は11月26日頃、9月以降の予約分は12月2日頃より出荷開始予定

提供:オルターロック 制作:シクロワイアード編集部