豊かな仁淀川水系を行く後半コースへ出発

面河川沿いを下流へ向けて出発面河川沿いを下流へ向けて出発
雲上の天空ライドを楽しんだ翌朝。ハードなヒルクライムをこなしたにもかかわらず、すっきりした目覚めを迎えた身体に温泉の疲労回復を実感しつつ、2日目のライドへの支度を調える。

1日目のライドのテーマが山ならば、2日目のテーマは川になろうか。「仁淀ブルー」として知られる、日本屈指の清流・仁淀川水系と絡み合うようにして走るリバーライドが今日のコースだ。

早速仁淀川の源流の一つである面河川を左に見つつ出発。この天空ライドの後半部は、川の流れに沿って下っていくことになるので、昨日とは打って変わって基本的に下り基調となる。

早速道の駅みかわへとピットイン!早速道の駅みかわへとピットイン!
久万高原町の名物たるよもぎを使ったアイスをゲット久万高原町の名物たるよもぎを使ったアイスをゲット 仁淀川を渡っていきます まさに絡み合うような道仁淀川を渡っていきます まさに絡み合うような道


軍艦岩とも呼ばれる巨大な岩頭が座している御三戸軍艦岩とも呼ばれる巨大な岩頭が座している御三戸
また、完全な峠道だった前半と異なり、いろんな立ち寄りスポットが多く現れるのも後半部の特徴だ。というわけで、早速道の駅みかわへとピットイン!美しい川と書いてみかわと読むこの地は、特産の美川茶や美川そうめんなどが名物だけれど、朝イチということもあってここは軽めにアイスをセレクト。久万高原特産のよもぎを使ったアイスは、よもぎの香りが匂いたちつつ、甘さは控えめでするりと食べられる一品。

■道の駅みかわ
愛媛県上浮穴郡久万高原町上黒岩2840-1
HP:https://www.michi-no-eki.jp/stations/view/881

そして今日最初のフォトスポットも登場。北から面河川、西から久万川が合流し、仁淀川へと名前を変える御三戸には、軍艦岩とも呼ばれる巨大な岩頭が座している。長い年月を経て浸食された大きな石灰岩は、自然のダイナミックな営みを感じられる場所でもある。

くっきり風味が魅力の沢渡茶を堪能できる人気のカフェへ


美しい川の流れとともに走っていきます美しい川の流れとともに走っていきます
沢渡の茶畑が背後に見える沢渡の茶畑が背後に見える
ここからはしばらく仁淀川沿いに下っていく。青々とした水を湛える仁淀川が作り上げたV字谷を縫うように下流へとペダルを回していると、ところどころ斜面が切り拓かれていることに気付く。

「あれはお茶畑ですね。仁淀川の上流はお茶の栽培も盛んなんですよ」と大崎さんが教えてくれた。水が流れやすい斜面は上質なお茶を栽培するのに適した地形なのだという。また、湿度の高い空気と一日の寒暖の差が大きな気候は、高級茶に欠かせない条件なのだとも。この沢渡地区はそれらを高い水準で満たす、お茶栽培の好適地。

この3月にオープンした沢渡茶を満喫できるカフェ「茶農家の店あすなろ」この3月にオープンした沢渡茶を満喫できるカフェ「茶農家の店あすなろ」
明るい雰囲気の店内明るい雰囲気の店内
そんな沢渡茶を満喫できるカフェ「茶農家の店あすなろ」がこの3月にオープンしたとのことで、ピットイン。10時の開店と同時に到着したのだったが、どんどんと駐車場が埋まっていく人気ぶりを目の当たりに。

こちらでは、お茶はもちろんのこと、沢渡茶をふんだんに使ったパフェやスムージー、ワッフルといったスイーツのほか、地元の素材を活かしたランチもいただける。空調の効いた室内でいただくのもいいが、おすすめは仁淀川を見下ろすことのできるテラス席。目の前に広がる絶景と共にいただく沢渡茶スイーツはまさに絶品。

テラスからは仁淀川が一望できるテラスからは仁淀川が一望できる
机の上にはお茶を焙じる炉が置かれていた机の上にはお茶を焙じる炉が置かれていた 斜面には茶畑が張り付くよう斜面には茶畑が張り付くよう


沢渡茶を使った様々なスイーツがいただける沢渡茶を使った様々なスイーツがいただける
スイーツももちろん美味しいのだけれど、個人的な推しはお茶そのもの。お冷代わりに出された水出しのお茶が、くっきりすっきりした味わいで、汗を流したサイクリストにはまさに甘露のごとし。あまりの居心地の良さについつい根が生えてしまいそうだけれど、まだ先は長いということで、再びサドルの上の住人に。そうそう、スイーツやドリンクはテイクアウトもできるので、店内が混雑しているときはそちらもおすすめだ。

■茶農家の店あすなろ
高知県吾川郡仁淀川町鷲ノ巣36 (国道33号線沿い)
10:00〜16:00(L.O 15:30) 木曜、年末年始定休
HP:http://www.asunaro-cafe.com/

おでんにツガニに鮎に…… 仁淀が育む極上グルメが目白押し


再び仁淀川沿いを下流へ。途中の大渡ダムを越えると、一気に流れは細くなり渓流らしい渓相に。「ここは寄っておかないとソンですよ!」という大崎さんに導かれ、立ち寄ったのは「ドライブイン引地橋」。

案内が無いと見逃してしまいそうなドライブイン引地橋 でもとっても美味しいグルメが待っています案内が無いと見逃してしまいそうなドライブイン引地橋 でもとっても美味しいグルメが待っています
とっても良く味がしみ込んだおでんが1本100円とっても良く味がしみ込んだおでんが1本100円 鮎やあめごの塩焼きもありますよ鮎やあめごの塩焼きもありますよ


こんにゃくの中にまで濃厚な出汁の味がしみ込んでいましたこんにゃくの中にまで濃厚な出汁の味がしみ込んでいました
ぱっと見た外見は古ぼけた(失礼!)峠の茶屋、といった風情なのだけれど、ここがまた最高においしいおでんを食べさせてくれるのだ。1本百円のおでんはずっと煮込み続けられ、味が染みに染みたご馳走。鶏ガラや昆布が効いた濃厚なだしで煮込むのが高知風なのだとか。ここのこんにゃくを食べないと始まらないんだ、なーんて地元の人が教えてくれた名物は、たまらない濃ゆさでございました。

■ドライブイン引地橋
高知県吾川郡仁淀川町引地62
9:00〜17:00 水曜定休
HP:http://www.hikichityaya.ecweb.jp/

この先には、少しばかりの登りの先に新大峠トンネルという長めのトンネルが現れるので、ライトの準備を万全に。トンネルを脱出すれば、再び快適な下り区間。だんだん日も高くなってきた頃合いで、「ちょっと涼みますか?」と嬉しいご提案。いつ飛び込めるのか、うずうずしておりました(笑)

美しい川の流れに癒されるひと時美しい川の流れに癒されるひと時
橋の上から鮎を池川に伝わるひっかけ釣り「しゃくり」で狙う橋の上から鮎を池川に伝わるひっかけ釣り「しゃくり」で狙う 綺麗な天然鮎が釣れていました綺麗な天然鮎が釣れていました


水辺にてバシャバシャタイム つい童心に帰ってしまう魅力が仁淀川にはある水辺にてバシャバシャタイム つい童心に帰ってしまう魅力が仁淀川にはある
道の駅633美の里へ到着 こちらでお昼ご飯にしましょう道の駅633美の里へ到着 こちらでお昼ご飯にしましょう
川へ降りられる場所を見つけて、河原で少し休憩タイム。レーパンやジャージはすぐに乾いてしまうので、靴さえ脱いでしまえば心置きなく水遊びが出来るのはサイクリストの特権。でも、携帯はバックポケットから取り出してくださいね。仁淀ブルーといわれるほどの清冽な流れを全身で堪能し、クールダウンも完了だ。

しばらく走りジャージも乾いた頃合いに「道の駅633美の里(むささびのさと)」に到着。ちょうどお昼時ということで、ランチとすることに。名物「ツガニうどん」は川蟹の一種である「モクズガニ」を殻ごと砕いて出汁を加え煮ることで、ツガニのエキスを丸ごと味わうことができる一品。

こちらが仁淀川名物ツガニうどん 白いのはりゅうきゅうと呼ばれる野菜 ふわふわしたのがツガニのこごりですこちらが仁淀川名物ツガニうどん 白いのはりゅうきゅうと呼ばれる野菜 ふわふわしたのがツガニのこごりです
森の小さなお菓子屋さんではいろんなスイーツが作られていました森の小さなお菓子屋さんではいろんなスイーツが作られていました 地元でとれた野菜の直売も レストランで使われている食材でもあるのでしょう地元でとれた野菜の直売も レストランで使われている食材でもあるのでしょう


633美の里「むささびのさと」というわけでマスコットのむささびキーホルダーが633美の里「むささびのさと」というわけでマスコットのむささびキーホルダーが 高知名物のアイスクリン たくさん種類がありました高知名物のアイスクリン たくさん種類がありました


ツガニうどんをはじめ色んな地元グルメが味わえるレストランツガニうどんをはじめ色んな地元グルメが味わえるレストラン
つゆに浮くふわふわしたスポンジのようなものは、「こごり」と呼ばれるツガニのたんぱく質が凝固したもの。ツガニのうまみが凝縮されたこごりとエキスが染み出したスープはここ仁淀川でしかいただけない唯一無二のグルメ。ツガニは高級食材として有名な上海蟹の一種と言われて納得です。

他にも、地元の食材をふんだんに使った天ぷら定食や蕎麦がきなど、地方色豊かなメニューがこの道の駅のレストランには並んでいる。またレストランの一角には「森の小さなお菓子屋さん」があり、吾北地区で収穫した小麦を使った手作りのスイーツが味わえる。ランチでもおやつどきでも、満喫できるスポットだ。

■道の駅633美の里(むささびのさと)
高知県吾川郡いの町上八川甲1160-2
HP:http://www.633bi.com/

神秘の青を目指すヒルクライム 千変万化のにこ淵へ


ここからはスタート地点の道の駅木の香まで、ヒルクライム。淡々と登りをこなしていくけれど、最後に「ここは外せない!」という名所「にこ淵」へ寄り道。仁淀ブルーを体感できるもっともおすすめの場所とのことで、ペダルに力も入るというもの。

にこ淵は整備が終わり看板もきれいににこ淵は整備が終わり看板もきれいに 途中はあまり鎖を伝って降りる箇所も途中はあまり鎖を伝って降りる箇所も


綺麗な階段が設えられており、だいぶ降りやすくなったんだとか綺麗な階段が設えられており、だいぶ降りやすくなったんだとか
知る人ぞ知るというスポットらしく、少し脇道に逸れた先にある看板が目印。駐車場に自転車をおいて、ちょっとした登山道へと降りていく。実は取材日の直前まで、落石によって通行止めとなっていたにこ淵だが、あらたに階段が整備され、安全にアクセスしやすくなったという。昔はロープを手繰りながら降りていく必要があったというのだから、これは嬉しいところ。それでもロード用シューズでは危険な勾配の箇所もあるため、最低でもMTB用のシューズもしくはスニーカーなどを持参されたい。

2日間のライドで疲労がたまった脚をごまかしつつ、急な下り坂を慎重に降りた先に現れたのは、深い青を湛えた滝壺。もともと、水神の化身たる大蛇の住処として、地元の方からは神聖な場所とあがめられていた、というのも頷ける神秘的で静謐な空間が広がる。

深いブルーの滝壺はぜひ実物を目にしてほしい深いブルーの滝壺はぜひ実物を目にしてほしい
にこ淵の想像を越える美しさに、ついつい黙ってしまう。でも、実はまだまだこんなもんじゃないですよ、とは大崎さんの弁。あいにくこの日は曇り空だったのだけれど、晴れた日には滝壺だけを照らすように光が差し込み、さらに幻想的な光景が見られるのだとか。また、水自体も時期によって表情を変えるので、何度訪れても新しい感動があるという。

■にこ淵の情報
一般社団法人 いの町観光協会 ホームページ内 スポット情報 にこ淵
いの町観光協会フェイスブックにも、にこ淵や周辺の観光情報が細かくアップデートされる。

また来ようと心に誓い、来た道を引き返す。もちろん帰りは登り坂。結局、この日一番脚を使うポイントとなったのだった(笑)そんなにこ淵の激坂を思えば、ここから先はあっという間。といえども途中にトンネルが2つほどあるので、そこは慎重に注意して。長いようで短かった2日間を噛み締めつつ、最後の登りを走り切ればフィニッシュだ。

道の駅木の香には温泉も併設されていて、走り切ったあとにリフレッシュして帰ることも。木の香と名乗るだけあって、温泉は木材をふんだんに使ったお風呂場となっており、木の香りを楽しみながら疲れを癒すことが出来る。「サクッと入ってきます!」なんて言っておきながら、ついつい長風呂になってしまうほどの居心地の良さだった。

■道の駅木の香 (木の香温泉)
高知県 吾川郡いの町桑瀬225-10
HP:http://kochi-konoka.com/

最後は木の香温泉でさっぱりして帰りましょう最後は木の香温泉でさっぱりして帰りましょう

まだまだ広がる天空RIDEコース ポテンシャルを秘めた絶景&グルメコースが待っている

1周157km、まさに山あり谷ありの山岳ルートだった「絶景天空RIDEコース」。空を駆けるようなUFOライン、美しい流れと絡む仁淀川沿いのコース。それらにちりばめられた数々のグルメと絶景奇景たち。1周だけじゃ飽きたらない、魅力満"天"コースだった。

今回は2日を掛けて走ったが、脚力のある人ならば1日で回ることも不可能ではないだろうし、もっとゆったりペースなら2泊の行程としても十分楽しめるだろう。更なるボリュームを求める地元の健脚ライダーには、もう少し東へ脚を伸ばして、早明浦ダムへ続くサブコースをつなぐ8の字ルートも人気だという。また、張り巡らされた林道でMTBライドを楽しむこともできるのだとか。個人的には、釣り竿持参で渓流釣りを楽しみながらのキャンプツーリングなんかも興味大。だって、ずっといかにも魚影の濃そうな流れが道の脇を流れているのだから、うずうずして仕方が無かったのだ。

そんな風にサイクリストの想像力にどんどん夢を吹き込んでくれるのが、この石鎚山系の持つポテンシャル。関西からなら仕事終わりにフェリーで出発し、週末を楽しんで月曜日の早朝に南港から出勤、なーんて楽しみ方だって出来てしまう。遠いようで近いライディング天国へ、この週末旅立ってみては?ただ、UFOライン(町道瓶が森線)は11月末~4月上旬まで冬期閉鎖されるので、ライドの計画はお早めに。
提供:石鎚山系連携事業協議会 制作:シクロワイアード編集部