レッドブルが主催するBMXフラットランドの大会「Red Bull Circle Of Balance」が京都で行われた。13ヶ国16名の選手が技を競う、興奮の坩堝となったイベントの模様をレポートする。

9月8日、京都市内に位置する国立京都国際会館イベントホールを舞台に、「BMXフラットランド」の世界大会「Red Bull CIRCLE OF BALANCE(レッド・ブル サークル・オブ・バランス)」が開催された。

国立京都国際会館イベントホールにて行われたRed Bull Circle Of Balance国立京都国際会館イベントホールにて行われたRed Bull Circle Of Balance

「BMXフラットランド」とは、「ストリート」・「ヴァート」・「パーク」・「トレイル」と言ったカテゴリーの中の競技の一つ。前後の車軸に“ペグ”と呼ばれる太いバーを取り付け、足場にしたり手で持ったりしながらBMXを操り、様々な技を披露して対戦相手と勝敗を決めるその様は、「自転車のフィギュアスケート」と言われている。

Xゲームを中心に、あらゆるスポーツシーンでスポンサードを行うレッドブルが主催する「Red Bull Circle Of Balance」は、BMXフラットランドの世界大会に位置するビッグイベント。2002年にドイツ・オーバーハウゼンでトップライダー18名を招待した第1回に始まり、04年の2回大会、07年の東京と回を重ね、4回目を迎える今年は京都へ場所を移し、5年ぶりの開催を見た。

スピード感のあるトリックを披露した佐々木元スピード感のあるトリックを披露した佐々木元 マティアス・ダンドワ(フランス)マティアス・ダンドワ(フランス) 2回戦で森崎に敗れるも、大いに会場を盛り上げた内野洋平2回戦で森崎に敗れるも、大いに会場を盛り上げた内野洋平


再び国内開催となったその理由は、世界各地で大会が開催されるフラットランドの大会で数多くの日本人が活躍しているから。2004年大会で優勝した山本亮二をはじめ、佐々木元、内野洋平、森崎弘也などワールドレベルの選手が多く国内には存在する。

「Red Bull Circle Of Balance」のルールは、円形のステージで16人によるトーナメント戦から始まり、決勝戦は4人で技を披露し1~4位を決めるシステム。トーナメント戦は1人2分30秒の持ち時間で技を披露し、自分が納得すれば相手に順番を譲る。決勝戦はシステムが変わり、1分・1分・30秒の制限時間内に4人で交代しながらに競技を行う。

短い時間で完成度、難易度、オリジナリティといった自分の得意とする技を披露し、ジャッジがそれぞれの感性で採点していく。演技をどうまとめるかが高得点を得るポイントだ。

ジョンウィリアム・プレヴォスト(カナダ)ジョンウィリアム・プレヴォスト(カナダ) ビッキー・ゴメスの安定したトリックビッキー・ゴメスの安定したトリック 果敢に攻め続けた森崎弘也果敢に攻め続けた森崎弘也


19時の開演となった「Red Bull Circle Of Balance」に集まった1100人の観客達は、初戦から繰り広げられるワールドクラスの技に全員が釘付けに!あまりのスピード感、そしてトリッキーなムーブにファインダー内で選手を追うのにも苦労するほどだ。

一番盛り上がったのはやはり日本人の活躍する場面。2回戦で過去この大会を2回優勝しているビッキー・ゴメスと佐々木のバトルとなった。丁寧な技を披露するゴメスに対し、前半波に乗れない佐々木。佐々木は彼自身しかできないという「Motoスピン」などスピード感のある技で反撃に出るものの敗退。

観客の大きな声援を受ける森崎弘也観客の大きな声援を受ける森崎弘也 DJのパフォーマンスに大きく会場は盛り上がるDJのパフォーマンスに大きく会場は盛り上がる


そして山場の一つが内野vs森崎の日本人バトル。両名世界一を決めるかのようなハイレベルなトリックの応酬で会場はヒートアップ!勝負は森崎が、海外の有力選手もめったに成功させることができない、バイクを2回まわす大技で内野を圧倒して勝利。ジャッジ判定後に2人が健闘を称えあう姿には、観客から大きなリスペクトが送られた。

決勝に進んだのはゴメス、森崎、マティアス・ダンドワ、ジョンウィリアム・プレヴォストの4名。ここまで相当な体力を使っている選手達も、最高の技を披露すべく果敢にアタックを続ける。ここでも森崎が大技を披露し、会場のボルテージは一気に最高潮へ。

銀テープ舞う表彰台 中央は優勝したビッキー・ゴメス(スペイン)銀テープ舞う表彰台 中央は優勝したビッキー・ゴメス(スペイン)

そして大興奮のまま4人のパフォーマンスが終了。ジャッジは終始安定した演技を披露したゴメスに上がった。2位は森崎。これは前回の東京大会と同じメンバーだ。表彰では銀テープ、そしてサークルの周りの座敷席に座る観客からの座布団が舞った。


Red Bull Circle Of Balance2連覇を果たしたビッキー・ゴメス
Red Bull Circle Of Balance2連覇、3勝目を果たしたビッキー・ゴメス(スペイン)Red Bull Circle Of Balance2連覇、3勝目を果たしたビッキー・ゴメス(スペイン) レッドブル・サークル・バランスの優勝は3回目。10年間で3回も優勝できてBMXのトップに立てる事を誇りに思う。14歳の時に初めてBMXの大会を見て一目惚れをして今まで続けているんだ。参加するほとんどの大会は優勝して、ヨーロッパや日本の大会、レッドブル・サークル・バランスもそう。バイクに感謝しているよ。

世界中様々な国で試合することで、人間的にも成長できた。BMXフラットランドはBMXと体でオリジナリティを追求するアートスティクなところが魅力なんだ。ホビーとしても楽しめるし、そうしてほしいんだ。ストレスが溜まったとき、気分解消として取り組めて、自分を成長させるスポーツさ。


準優勝の森崎弘也のインタビュー
準優勝の森崎弘也準優勝の森崎弘也 2戦目の日本人同士の戦いが山場でした。2回戦目でウッチー(内野洋平)と戦うことは予想していて、彼に勝てばその勢いで優勝できるかもしれないと考えていました。決勝は最後の9秒、そこのツメが甘かった。正直悔しかった。ヴィッキーが1位で僕が2位と前回と同じ結果です。

BMXフリースタイルは海外で盛り上がっていて、バトルは観客に受けますね。選手みんなが披露する技もそれぞれ。見て楽しむ人も、この人が好きとか。カッコイイとかそういう部分で楽しんで欲しいです。この競技を盛り上げていきたい。是非応援して下さい。


世界のトップが一堂に会したRed Bull Circle Of Balance。その熱狂の模様は以下リンクでWEB視聴が可能だ。

Red Bull Circle Of Balanceレビュー
http://www.redbull.com/en/bike/stories/1331576277156/red-bull-circle-of-...

Red Bull Circle Of Balanceムービーレポート
http://www.redbull.com/en/bike/stories/1331575874015/watch-red-bull-circ...


text&photo:Akihiro.NAKAO