2012/07/03(火) - 13:57
5月27日に長野県で開催された「セルフディスカバリーアドベンチャー・イン(SDA)王滝」。非常に厳しいコースで有名なこのレースへと、ぶっつけ参加取材した編集部 磯部のレポートを前日編からお届けします。
御岳山を頂く長野県王滝村を舞台に開催される「セルフディスカバリーアドベンチャー・イン(SDA)王滝」は、毎年5月と9月の2回に渡って開催される国内長距離MTBの頂点にランク付けされる大会だ。全行程にわたって続くアップダウンとガレたダブルトラックは非常に難易度が高い。
MTB経験ほぼゼロだけれど、思いつきで参加決定
「完走出来ればスゴい」と言われるレースとは、いったいどんなものなのか、ぜひ体験してみたい!むしろCW編集部員として体感しなければ!ということで100kmコースへの参加&取材にチャレンジすることとなった。
私自身、現在は自前のバイクは所有しておらず、MTB経験はほぼ皆無。以前仲間と借り物のマシンでファン系のレースへと出たのみで、本格的なレクチャーを受けたことも無かった。
でも正直いくら辛いレースと言われても「一応(本当に一応)ロードの実業団選手として登録してあるし、200kmぐらい走るのは余裕だから、本番もサクッと完走できるんじゃないかな~。」とか思っていた。でも今思えば、それは泣いて謝りたいくらい甘い考えだった。
問題はバイクをどうするかということだったが、スペシャライズド様にお話をすると、快く試乗車を一台貸して下さることに。王滝初チャレンジなら29er+フルサスでしょう!とアドバイスされ、STUMPJUMPER FSR COMP 29が大会約2週間前に開催された竹谷賢二さん講師の「王滝挑戦者のための試乗/講習会」会場で私の手元へと届けられた。ありがとうございます!
講習会では定評のある竹谷さんの講習で、舗装路と未舗装路で実際にバイクを使って進む・止まる・ライディングポジションなどなど、ロードにも共通する基礎中の基礎を多く学ぶことができ、大変有意義な時間を過ごすことができた。是非、王滝参加を検討している方には受講を強くオススメしたい。
ほとんど練習できずに前日を迎える
話はいきなり前日に。なんで途中の練習の話が無いかというと、ちょうど5月はジロ・デ・イタリアの真っ最中で、CW編集部は"超"が付くほど忙しいために全く練習できなかったのだ。まぁ、言い訳である。
ちゃんとトレイルを走っておきたかったが、実際は近所にある森林公園内のちょっとしたダートを走ったくらいと、もう客観的に見て絶望的。本来ならばバイクが届いてから本番までの2週間に少しでも乗りたかったのだけれど・・・。でもここに来てもまだ、何とかなる、きっと大丈夫だろうと甘い考えのままいた。
土曜日の早朝4時にハイエースで編集部を出発し、お昼頃に会場入り。今回は一人ではなく、仲間と一緒に同行したので移動の車中も眠くならず。もし万が一レース中にケガをしても、とりあえず帰ることはできるから気が楽だ。やっぱりイベントは皆で楽しく参加するに限る。
ささっと準備を済ませて、ジャージに着替える。この日は午後から池田祐樹選手引率によるファンツーリングが開催されたのだ。距離こそ短いが、実際のコースを走りながら池田選手のアドバイスも受けられるかも、と言うことで取材をキッチリとこなしながら、今更ながらだがバイクとコースに慣れる練習をした。
もっともファンツーリングなだけにペースも基本的にまったりで、私を含めてビギナーさんの姿もちらほらと見える。天気も快晴で、ちょうど5月始めの長野県は新緑が目に美しい。王滝川やそこへ流れ込む渓流が多くあり、楽しみながら走るのには最高の季節だ。
適時休憩を取りながら、一行はダブルトラックの未舗装林道を走っていく。止まる機会も多く、参加した皆さんはフレンドリーな池田選手とおしゃべりを楽しみながら、走り方のアドバイスを受けることができ、充実した時間を過ごすことができたようだ。
初めて王滝のコースを走った私としては、多少コースも荒れていて易しくは無いが、思っていたよりも整っていて走りやすいなぁと印象を受けた。
もっとも適切な池田選手のペースメイクや、初心者さんでも走れるように長い上りは無いし、前日は少し雨が降ったため適度に路面は湿っていてグリップも良かったのだ。
このツーリングには100km完走経験のある方も参加していたのだが、その方の「明日はこれの1000倍キツいですよ~」という言葉がとても響いた。
大賑わいのウェルカムパーティー 前日はキャンプが正統派?
さて、ファンツーリングも無事に終了したあとは、参加者が一同に会すウェルカムパーティに参加だ。美味しい豚汁や焼き鳥、ドリンクや軽食を楽しみながら、招待選手のトークや明日の注意事項について耳を傾ける。
そしてその後は、仲間と会場の駐車場にテントを張って鍋を囲んでの楽しい夕食を楽しんだ。山のど真ん中にある駐車場には他にもキャンプを張っている方が多く、ロードレースのストイックな雰囲気とは少し違う感じだなぁ、という印象を受ける。
その後はすぐに寝袋へ。明日は朝6時にスタートし、延々未舗装路を100km(正確にはもうちょっと少ない)、獲得標高2500mへと挑む。普通に考えたら例えロードレーサーでもなかなか厳しいコースである。
またセルフディスカバリーの名にふさわしく、山のまっただ中を走るコースにはサポートカーも無ければ本当に何もライフラインは無い。たとえリタイアとなってもスタート地点までは自分の脚でたどり着く必要(緊急の場合除く)があるのだ。
金曜の晩は30分くらいしか睡眠できなかったため、少しでも休んでおこうと早めに消灯したものの、なにか急に不安になってきた。
次回、悶絶のSDA王滝100kmチャレンジ編へ続きます
text:So.Isobe
photo:Akihiko.Harimoto,So.Isobe
御岳山を頂く長野県王滝村を舞台に開催される「セルフディスカバリーアドベンチャー・イン(SDA)王滝」は、毎年5月と9月の2回に渡って開催される国内長距離MTBの頂点にランク付けされる大会だ。全行程にわたって続くアップダウンとガレたダブルトラックは非常に難易度が高い。
MTB経験ほぼゼロだけれど、思いつきで参加決定
「完走出来ればスゴい」と言われるレースとは、いったいどんなものなのか、ぜひ体験してみたい!むしろCW編集部員として体感しなければ!ということで100kmコースへの参加&取材にチャレンジすることとなった。
私自身、現在は自前のバイクは所有しておらず、MTB経験はほぼ皆無。以前仲間と借り物のマシンでファン系のレースへと出たのみで、本格的なレクチャーを受けたことも無かった。
でも正直いくら辛いレースと言われても「一応(本当に一応)ロードの実業団選手として登録してあるし、200kmぐらい走るのは余裕だから、本番もサクッと完走できるんじゃないかな~。」とか思っていた。でも今思えば、それは泣いて謝りたいくらい甘い考えだった。
問題はバイクをどうするかということだったが、スペシャライズド様にお話をすると、快く試乗車を一台貸して下さることに。王滝初チャレンジなら29er+フルサスでしょう!とアドバイスされ、STUMPJUMPER FSR COMP 29が大会約2週間前に開催された竹谷賢二さん講師の「王滝挑戦者のための試乗/講習会」会場で私の手元へと届けられた。ありがとうございます!
講習会では定評のある竹谷さんの講習で、舗装路と未舗装路で実際にバイクを使って進む・止まる・ライディングポジションなどなど、ロードにも共通する基礎中の基礎を多く学ぶことができ、大変有意義な時間を過ごすことができた。是非、王滝参加を検討している方には受講を強くオススメしたい。
ほとんど練習できずに前日を迎える
話はいきなり前日に。なんで途中の練習の話が無いかというと、ちょうど5月はジロ・デ・イタリアの真っ最中で、CW編集部は"超"が付くほど忙しいために全く練習できなかったのだ。まぁ、言い訳である。
ちゃんとトレイルを走っておきたかったが、実際は近所にある森林公園内のちょっとしたダートを走ったくらいと、もう客観的に見て絶望的。本来ならばバイクが届いてから本番までの2週間に少しでも乗りたかったのだけれど・・・。でもここに来てもまだ、何とかなる、きっと大丈夫だろうと甘い考えのままいた。
土曜日の早朝4時にハイエースで編集部を出発し、お昼頃に会場入り。今回は一人ではなく、仲間と一緒に同行したので移動の車中も眠くならず。もし万が一レース中にケガをしても、とりあえず帰ることはできるから気が楽だ。やっぱりイベントは皆で楽しく参加するに限る。
ささっと準備を済ませて、ジャージに着替える。この日は午後から池田祐樹選手引率によるファンツーリングが開催されたのだ。距離こそ短いが、実際のコースを走りながら池田選手のアドバイスも受けられるかも、と言うことで取材をキッチリとこなしながら、今更ながらだがバイクとコースに慣れる練習をした。
もっともファンツーリングなだけにペースも基本的にまったりで、私を含めてビギナーさんの姿もちらほらと見える。天気も快晴で、ちょうど5月始めの長野県は新緑が目に美しい。王滝川やそこへ流れ込む渓流が多くあり、楽しみながら走るのには最高の季節だ。
適時休憩を取りながら、一行はダブルトラックの未舗装林道を走っていく。止まる機会も多く、参加した皆さんはフレンドリーな池田選手とおしゃべりを楽しみながら、走り方のアドバイスを受けることができ、充実した時間を過ごすことができたようだ。
初めて王滝のコースを走った私としては、多少コースも荒れていて易しくは無いが、思っていたよりも整っていて走りやすいなぁと印象を受けた。
もっとも適切な池田選手のペースメイクや、初心者さんでも走れるように長い上りは無いし、前日は少し雨が降ったため適度に路面は湿っていてグリップも良かったのだ。
このツーリングには100km完走経験のある方も参加していたのだが、その方の「明日はこれの1000倍キツいですよ~」という言葉がとても響いた。
大賑わいのウェルカムパーティー 前日はキャンプが正統派?
さて、ファンツーリングも無事に終了したあとは、参加者が一同に会すウェルカムパーティに参加だ。美味しい豚汁や焼き鳥、ドリンクや軽食を楽しみながら、招待選手のトークや明日の注意事項について耳を傾ける。
そしてその後は、仲間と会場の駐車場にテントを張って鍋を囲んでの楽しい夕食を楽しんだ。山のど真ん中にある駐車場には他にもキャンプを張っている方が多く、ロードレースのストイックな雰囲気とは少し違う感じだなぁ、という印象を受ける。
その後はすぐに寝袋へ。明日は朝6時にスタートし、延々未舗装路を100km(正確にはもうちょっと少ない)、獲得標高2500mへと挑む。普通に考えたら例えロードレーサーでもなかなか厳しいコースである。
またセルフディスカバリーの名にふさわしく、山のまっただ中を走るコースにはサポートカーも無ければ本当に何もライフラインは無い。たとえリタイアとなってもスタート地点までは自分の脚でたどり着く必要(緊急の場合除く)があるのだ。
金曜の晩は30分くらいしか睡眠できなかったため、少しでも休んでおこうと早めに消灯したものの、なにか急に不安になってきた。
次回、悶絶のSDA王滝100kmチャレンジ編へ続きます
text:So.Isobe
photo:Akihiko.Harimoto,So.Isobe
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