山梨県北杜市の八ヶ岳南麗を舞台にしたロングライドイベント『グランフォンド八ヶ岳』第2回大会が、9月26日に開催された。八ヶ岳、南アルプス、そして富士山も望める絶景の中、1611人のサイクリストが秋の山麓ロングライドコースを満喫した。

八ヶ岳連峰をバックに、川俣川渓谷に掛る東沢大橋を走行。通称「赤い橋」と呼ばれる絶景ポイント八ヶ岳連峰をバックに、川俣川渓谷に掛る東沢大橋を走行。通称「赤い橋」と呼ばれる絶景ポイント photo:Daisuke.Suzuki

グランフォンド八ヶ岳2010コースマップグランフォンド八ヶ岳2010コースマップ photo:Daisuke.Suzuki今回レポートさせていただくのは、超「ど」ビギナー&グランフォンド未経験の僕ことチキンレッグ鈴木。この大会のサポートを行っているイタリアの人気ブランド"ピナレロ"が会場で出すブース設営のお手伝いをし、当日はピナレロバイクでグランフォンドコースに初挑戦という計画で、秋の八ヶ岳を訪れました。

しかし、なぜ「チキン(臆病者)レッグ(脚)」かと言うと…前日までは参加予定だったのですが、あまりに激しい上りコースを見た瞬間、お腹が痛くなってしまったのです。
臆病な脚ですみません…今回はクルマで並走して、密着取材させていただきます(mOm)。

自分のレベルに合わせて走れる3つのコース
「グルメフォンドでも標高差500mなんです!」


山梨県と長野県の県境に位置する八ヶ岳は、美しい景色が広がる人気の観光スポット。今回の「グランフォンド八ヶ岳」では、標高約1600mに位置するサンメドウズ清里ハイランドパークをスタート&ゴール会場とし、グランフォンド・メディフォンド・グルメフォンドの3コースが用意されました。

第2回となる今年は、メインのグランフォンドコースが昨年より10km長く設定され、距離約120km・標高差約1100mに。また、昨年のグルメフォンドがメディオフォンドとコース名が変更され、距離約40km・標高差650mとして登場しました。

さらにグルメフォンドは距離約19km・標高差500mとなり、昨年よりも走りやすくなっています。このコースならば、ロングライドビギナーでも、存分に八ヶ岳の素晴らしさを堪能できるでしょう
(「では、なぜお前はグルメフォンドコースも走らないのか」と言われてしまいそうですが…このコースでもビビってしまいました。だって、後半は上りだけなんですもん。すみません、チキンで…)。

グランフォンドは楽しさがいっぱい
魅力あふれるイベントが盛りだくさん!


さてさて、今さらながらですが、この「グランフォンド」って、どんな意味なんですかねぇ? 超ビギナーのボクだけでなく、結構、意味が分からずに参加している人も多いのではないでしょうか。
調べてみたところ、「グランフォンド」とはイタリア語で「大きく・移動する」という意味だそうです。つまり、長距離サイクリングイベントということ。本場は、言葉からも分かる通りイタリア。

エリートのブースでは、画面と連動して負荷が分かるヴァーチャルローラー台の体験もできたエリートのブースでは、画面と連動して負荷が分かるヴァーチャルローラー台の体験もできた photo:Daisuke.Suzukiそう言えば、この大会でサポートを行っているピナレロもイタリアンブランドですね。ブースのお手伝いをしながらスタッフの方に聞いてみると、ピナレロ社自体も本国イタリアで毎年7月に『グランフォンド・ ピナレロ』(今年より正式大会名が『La Pinarello Cycling Marathon』に変更)を開催しているそうです。

さらに、ブースを訪れていただいた参加者の中には、「ピナレロがサポートしているから、日本にいながらにしてイタリアの雰囲気を味わえるのが楽しい」と話されている方もいらっしゃいました。

ピナレロブースだけでなく、同じくイタリアンブランドの"エリート"ブースでは、画面と連動して負荷が分かるヴァーチャルローラー台の体験もできました!

アンドレア氏(中央)、バイクランチの鈴木雷太さん(左)、コーディネイターの星野知大さんによるトークショーアンドレア氏(中央)、バイクランチの鈴木雷太さん(左)、コーディネイターの星野知大さんによるトークショー photo:Daisuke.Suzukiそうなんです。初めてグランフォンドの会場に来た僕も、このピナレロブースの楽しさに大興奮! イタリアからは『グランフォンド ピナレロ』ディレクターのアンドレア・ピナレロ氏が来日し、トークショーやグランフォンドに参加。ブースではピナレロの最新モデルの展示や、日本から毎年開催されている『グランフォンド ピナレロ』オフィシャルツアー情報の紹介。さらに、100万円を超える"ドグマ60.1"や超最新モデルの"クワトロ"などの試乗コーナーも充実し、大会前日から会場は大盛り上がりです!!

アンドレア氏(中央)、長野県松本市のプロショップ「バイクランチ」の鈴木雷太さん(左)、『グランフォンド ピナレロ』オフィシャルツアーのコーディネイターの星野知大さん(右)も参加したトークショーでは、グランフォンドの走り方などをアドバイスしてくれた。

大会当日は見事なまでの日本晴れ!
八ヶ岳の絶景&上り(!?)を思う存分味わおう


さぁ、大会当日です!
抜けるような青空の朝。絶好のサイクリング日和。
選手宣誓と開会宣言が終わり、スタート。10人ずつ走り出します。
私も勢いよく追いかけます…クルマで、ですが。

この「グランフォンド八ヶ岳」ですが、スタート・ゴール地点がコース中もっとも標高の高い場所にあるため、3コースとも最初は下り→後半は上るというレイアウト。高低図を見ると、見事にV字のコースとなっています。完走するには、この後半まで体力を持たせるかが、コツのようです。

それにしても、景色は素晴らしいですね。「クルマに乗っているから、余裕で景色を見ることができるんだろう!」と言われてしまいそうですが、この絶景は一見の価値ありです。
八ヶ岳連峰だけでなく、富士山も望むことができる。さらに、今回グランフォンドコースを並走したのですが、昨年より長くなったコースの部分では、南アルプスが近くに迫ってくるような錯覚を覚えるほどの大パノラマが広がります。

サンメドウズ清里ハイランドパークからスタートサンメドウズ清里ハイランドパークからスタート photo:Daisuke.Suzuki

サンメドウズ清里ハイランドパークからスタート。まずは、ここから一気に下っていきます。高速になりやすいですが、無理なく安全なスピードで走るのが完走のポイントです

清里駅周辺から上りに入ると眼前には八ヶ岳連峰の雄姿が!清里駅周辺から上りに入ると眼前には八ヶ岳連峰の雄姿が! photo:Daisuke.Suzuki

JR小海線の清里駅周辺過ぎて下りから上りコースに入ると、眼前には八ヶ岳連峰の雄姿が! 苦しくて下ばかり見がちですが、せっかくの絶景を楽しみながら走ることがおすすめです

塩味のおにぎりが美味しい!塩味のおにぎりが美味しい! photo:Daisuke.Suzukiさらに、僕のおすすめは小淵沢のエイドステーション。ここでは、おにぎりと大福が補給食として配られています。参加者の皆さんに話を聞いても、「ここの、おにぎりが一番!」という人が多数。地元のお米で、地元の方が心を込めて手作りで握ってくれているので、美味しいのでしょう。

適度な塩味のおにぎりが美味しい!! 小淵沢のエイドステーションで距離約26km。まだまだ始まったばかり。ここでしっかりエネルギー補給して、ゴールを目指しましょう! 

グランフォンドコースには明野を走るルートが新たに加わり、左手に見える八ヶ岳連峰だけでなく、右手にはより南アルプスを間近に感じられるレイアウトになりました。

グランフォンドコースには明野を走るルートが新たに加わったグランフォンドコースには明野を走るルートが新たに加わった photo:Daisuke.Suzuki


後半戦は上り坂が連続していきます…
大変な分、ゴールの達成感は格別です!


さて、後半の上りですが、見ているだけでもキツクなるほどハード。「やっぱりクルマで取材でよかったぁ~」と思っていたのですが、ゴール地点に戻ってきて、完走した参加者の方に話しを聞いてみると、その考えが180度変わりました!

「前半は爽快なダウンヒルだけなので、レベルの違う仲間と一緒に走ることもできる。一方、後半はヒルクライムイベントと考えて、同じレベルの人たちで声を掛け合ったり、時には競い合ったりしながら楽しむことができる。1つの大会で、2つの大会に出場した気分。お得ですよね」
なるほど。

でも、「やっぱり上りは大変そうだな…」と思っていると、別の参加者の方が「下りだけのコースを設定して、"クダリ(下り)フォンド"なんて作るのもいいんじゃない」と話されていました。
"クダリフォンド"賛成!
なんて思いましたが、来年まではチキンレッグを返上して、次回グランフォンドコースに参加します!

川俣川渓谷に掛かるもう一つの橋 八ヶ岳高原大橋は空を走っているかのよう川俣川渓谷に掛かるもう一つの橋 八ヶ岳高原大橋は空を走っているかのよう photo:Daisuke.Suzuki

ゴール直前には参加者を苦しめる激坂が2kmほど続くゴール直前には参加者を苦しめる激坂が2kmほど続く photo:Daisuke.Suzukiコース後半、川俣川渓谷に掛かるもう一つの橋"八ヶ岳高原大橋"。まるで空中を走っているかのような感覚のダイナミックな景色が広がります。ここは記念撮影ポイントです!

ゴール直前には、最後の最後まで参加者を苦しめる2kmほど続く激坂が待ち受けています…。いやぁ~、見てるだけでも大変そうです。みなさん最後の力を振り絞ってゴールへ

ゴール後、アンドレア氏を囲んで記念撮影。「来年は絶対に、本場イタリアの『グランフォンド ピナレロ』に参加します!」と話しかけている参加者の方もいらっしゃいました

アンドレア氏を囲んで記念撮影 「イタリアにも行くぞ!」アンドレア氏を囲んで記念撮影 「イタリアにも行くぞ!」 photo:Daisuke.Suzuki




text&photo:鈴木大輔

最新ニュース(全ジャンル)