カクタスカップinスキージャム勝山2日目に行われた「勝山くいだおれツーリング」。勝山の名所とおいしいものを巡るこのツーリング、街あり自然あり、ちょっと歯ごたえある参道の登りあり、と盛りだくさん。

必死に登ったご褒美に手作りソフトクリーム屋さんでフィニッシュ!という、今年も用意周到なルートで、歴史の名所も味も自転車もまとめていっぺんに味わえてしまう、お楽しみいっぱいのツーリングなのだ。

歴史文化遺産の町・勝山の名所をめぐる

自転車を積み込むスタッフ自転車を積み込むスタッフ  「会場を訪れたすべての方に楽しんでいただけるイベントに」というこの大会のコンセプト通り、レースとはまたひと味違った自転車の楽しみ方を提案してくれているのが、この勝山くいだおれツーリングだ。集合は大会2日目、9月12日の3時間エンデューロのスタートとほぼ同じ11時15分。「自分はレースには出ないけれど、家族がレースに出ている間、ちょうど同じ時間帯なので参加しました!」という参加者も。

お昼前の11時ごろ、スキージャム勝山のエンデューロスタート地点近くの駐車場に、参加者と伴走スタッフ計20人ほどが集合し、スタッフがクルマに次々と参加者の自転車を積み込んでいく。このスキー場エリアから、ツーリングのスタート・フィニッシュ両地点まで送迎してくれるのも、気軽でうれしいこの企画ならでは。心配だった朝方の雨も、午後にはあがるという予報のとおり、だんだん空も明るくなってきた。

まず最初に、この日のルートを説明しよう。スキージャム勝山を送迎車で出発、同日朝のヒルクライムのスタート地点だった標高350m地点付近まで山をおり、そこをスタートに勝山市街へ。恐竜博物館見学→ソースかつ丼→元織物工場の博物館「ゆめおーれ勝山見学」→越前そば→平泉寺散策→ソフトクリーム、と約14kmを4時間ほどで巡り、そしてスキージャム勝山へクルマで戻って解散というコース。

 3人のサポート選手、御子柴さん・渡辺さん・三船さんも準備万端、ほかのサポートスタッフたちも揃っていざ、スタート!

山をくだったスタート地点でまずミーティング山をくだったスタート地点でまずミーティング いざ、勝山の街へいざ、勝山の街へ



勝山といえば? まず恐竜!

勝山市内のあちこちで見かけるのが、恐竜のモニュメント。そう、日本最大の恐竜化石発掘地であり、フクイサウルスなど多くの恐竜の骨が発見されているのが、この勝山なのだ。というわけで、まずは勝山にある福井県立恐竜博物館の見学へ。
「森のなかの巨大な恐竜の卵」を思わせる銀色のドーム型の建物の前に自転車をとめ、全員で記念撮影のあと、2班に分かれて館内へ。生きた恐竜の姿を想像させるような新しい展示スタイルも話題のこの博物館。恐竜が前足を上げ高い木の上に首を伸ばしている姿などが再現された大型ジオラマの迫力には、思わず圧倒される。

恐竜博物館前の恐竜の像と記念撮影恐竜博物館前の恐竜の像と記念撮影 骨格、標本、復元模型など、恐竜の資料がいっぱい骨格、標本、復元模型など、恐竜の資料がいっぱい



勝山名物「ソースカツ丼」

 恐竜博物館を出て街の中を20分ほど走ると、そろそろランチタイムだ。この日のおいしいものその1は、勝山名物ソースカツ丼で有名なこの店、「グリル山田」で。ちなみにお店入り口の看板は「西洋料理やまだ」、駐車場前に出ている看板は「グリルやまだ」。ここでは勝山商工会議所のwebに掲載のある「グリル山田」の名前でご紹介させていただこう。
 福井で「カツ丼」といえば、甘辛いソースをかけたカツを、キャベツなしでごはんにのせた、このスタイル。ほかの地域でよく見る卵とじのカツ丼は「卵カツ丼」と呼んで区別するそうだ。お味は?と聞けば「いや、地元ではこれがフツーですから! 普通においしい!」「ときどき食べたくなるんだよねー」と地元からの参加者さんたち。

「西洋料理やまだ」&「グリルやまだ」の看板のある「グリル山田」「西洋料理やまだ」&「グリルやまだ」の看板のある「グリル山田」 ソースカツ丼(小)。みそ汁、サラダつき750円ソースカツ丼(小)。みそ汁、サラダつき750円



絹織物の街の歴史を体感

 腹ごしらえがすんだら、次は勝山市役所にもほど近い「はたや記念館 ゆめおーれ勝山」見学へ。古い学校の校舎を思わせる板張りの博物館は、明治37年から平成10年まで操業していた機業場(織物工場)の一部を保存整備したもので、建物は国の近代化産業遺産にも指定されている。勝山はかつて羽二重生地の生産で栄え、街の中心にはこのような絹を織る工場がいくつも建ち並んでいたという。

 工場で実際に使われていた織機や、糸巻きがずらりと並ぶ巨大な糸繰機など、デジタル以前の技術の粋が凝らされた「機械」らしい機械を、実際に稼働させ見せている展示は圧巻だ。近代設備や待遇を誇るかつての会社案内なども展示され、好景気に沸いたよき時代の空気が伝わってくる。
 ちなみに、同施設内のカフェ「たまご工房 えぐえぐ」のプリンもおすすめとのこと。

保存運動で取り壊しをまぬがれ、昨年オープンした「はたや記念館 ゆめおーれ勝山」保存運動で取り壊しをまぬがれ、昨年オープンした「はたや記念館 ゆめおーれ勝山」 機械が布を織る様子を実際に見せてくれる動体展示が特徴だ機械が布を織る様子を実際に見せてくれる動体展示が特徴だ


「こんなふうになった糸を巻きとっています」説明してくれるスタッフさん「こんなふうになった糸を巻きとっています」説明してくれるスタッフさん ゆめおーれ近くにあった勝山市の案内図。日帰りエリア内にみどころがいっぱいゆめおーれ近くにあった勝山市の案内図。日帰りエリア内にみどころがいっぱい



地産の越前そばを味わう

 勝山の歴史を堪能したら、続いておいしいものその2、こんどは越前そばのお店へ。勝山には有名なお店がいくつかあり、この日は「めん工房 きふね」で、一番人気のおろしそばをいただく。福井県産のそば粉のみを使用したおそばは歯ごたえしっかりで、見た目よりも意外に食べ応えあり。

冷やしミニトマトも、味が濃くてとてもおいしいと次々にみんなの手が伸びる。 このお店では、野菜も地元の無農薬有機栽培のものだけを使用しているのだという。
 参加者のみなさんも十分おなかいっぱいになったところで、街の中心を離れ、古くからの白山の登山口でもある平泉寺白山神社へと向かう。市街中心からそんなに距離がないにもかかわらず、ここは静かな別世界だ。

いただきまーす!いただきまーす! ミニトマトもおいしい!ミニトマトもおいしい!


おろしそば、550円おろしそば、550円 鉢植えの花にかこまれたお店の前でパチリ鉢植えの花にかこまれたお店の前でパチリ



最後はちょっと手強い登り!

 奈良時代に開かれたという史跡・平泉寺白山神社は、杉木立におおわれた参道の石畳をずっと登ったその奥に建つ。絨毯をしきつめたように美しく苔むした広大な境内と、古くからの白山の登山道へと続く杉木立は、日本有数の自然美を誇る。中世の最盛期には48社36堂6000坊という広大な勢力を成したが、のち一向一揆で焼かれ衰亡。現在は、江戸時代に建てられたという本殿、拝殿が、落ち着いた色の端正なたたずまいで境内に残る。

参道の石畳にそった舗装路を登る参道の石畳にそった舗装路を登る 三船さん、御子柴さんという、またも豪華なサポート陣三船さん、御子柴さんという、またも豪華なサポート陣



この幽玄な菩提林の参道の石畳にそってつけられた、車1台ぶんほどの幅の舗装路を、拝殿、本社に続く鳥居まで1kmほど登るのが、このツーリングのフィナーレだ。「がんばれ、あともうちょっと!」力強くぐいぐいペダルを踏んで登る人、自転車を押してゆっくり登る人、姿はさまざまでも、あとはフィニッシュするだけ。ちぎれてもマイペースでも心配はご無用だ。
 「お疲れさま!」「やっと着いた〜!」座り込む人も、その顔はとっても晴れやかだ。

渡辺さんも後方をフォロー。「ああ、もうだめ〜。」「あともうちょっとです!」渡辺さんも後方をフォロー。「ああ、もうだめ〜。」「あともうちょっとです!」 登りきりました! 自転車をとめ、後続の到着を待つみなさん登りきりました! 自転車をとめ、後続の到着を待つみなさん



鳥居の前で自転車をおりてひと休みする参加者たちに、スタッフが声をかける。「せっかくですから、よかったら階段をもう少し登って、苔の絨毯を見てきてください!」
ここからは徒歩で、杉木立のなかの参道を黙々と15分ほど登る。みんなまだまだ元気いっぱいだ。朝方の雨が緑を色鮮やかに塗り替えた清々しい境内を上まで登り、手を合わせておりてきたら、あとはツーリングのラストを飾る極上のデザートが待っている。

ここからは徒歩で登る。まだまだ!ここからは徒歩で登る。まだまだ! 年を経た木立におおわれた境内への道。突き当たりが拝殿だ年を経た木立におおわれた境内への道。突き当たりが拝殿だ


お参りを終え、さあ戻ろう!お参りを終え、さあ戻ろう! 走った! 登った〜! 満足感いっぱい走った! 登った〜! 満足感いっぱい



ご褒美はスイーツで!

再度自転車にまたがって、お迎えの待つ駐車場まで戻った参加者たちを待つご褒美、それは平泉寺門前の人気のお店「平泉寺のソフトクリーム屋さん」。地元牧場のジャージー牛乳を原料に、鍋で煮て仕込んでいる無添加のソフトクリームは、ふんわりとろける芳醇な味わい。「登った甲斐がありました!」

「楽しかった!」とにっこりするのは、岐阜県から参加の小学校4年生、加藤魁也くんとパパの賢也さん。「この子の中学校1年のお兄ちゃんがいま3時間エンデューロを走っているんですが、ちょうど同じ時間にツーリングがあったので、ぼくたちはこっちに来たんです。長野のカクタスカップは走っていたんですが、こっちでもあるときいて来てみました!」という加藤さん。きっとこの日、それぞれの楽しい体験を、家族で語り合えたにちがいない。

走り終わって食べるソフトクリームの味は格別。加藤魁也くんとパパの賢也さん走り終わって食べるソフトクリームの味は格別。加藤魁也くんとパパの賢也さん みんなに人気のソフトクリームみんなに人気のソフトクリーム



駐車場へのお迎えのクルマに自転車を積んでスキージャム勝山に戻り、駐車場で解散だ。最後にスタッフからみんなに「お疲れ様〜」と配られたのは、勝山銘菓「羽二重くるみ」。やわらかな羽二重餅をクレープふうの皮でサンドした上品な甘さの洋風和菓子で、参加者たちにも「卵とバターのかおりがほんのり!」「おいしい!」と、とっても好評だ。このお菓子を作っている「金花堂 はや川」は、このツーリングのルートの途中にある、誠実な味で人気の和菓子屋さん。参加者たちは笑顔でムグムグと羽二重くるみをほおばりながら、またはポッケに大切にしまって、「また来年ね〜!」と手をふって帰途についていった。

羽二重くるみ、お味は?「おいしいです!」ムグムグ。「みなさんまた来年!」羽二重くるみ、お味は?「おいしいです!」ムグムグ。「みなさんまた来年!」 ツーリングスタッフにもファンが多い羽二重くるみ。1個100円(税抜)ツーリングスタッフにもファンが多い羽二重くるみ。1個100円(税抜)



 勝山の味も歴史も登りも、ぞんぶんにくいだおれたツーリング。その街ならではの見どころをバランスよく組み合わせたこんなツーリング、あなたのまわりでも、オーガナイズしてみてはいかがでしょう。勝山現地ならではのメニューが気になる方は、どうぞ来年のくいだおれツーリングへ!
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