アメリカBIKE FIT SYSTEMS(以下BFS)社のフィッティング理論を取り入れた「BIKE FIT講習会」が好評だ。
プロショップのオーナーなど、サイクリストのフィッティングを行う人から注目を集めている講習会の様子をお伝えしよう。

受講者自らが被験者となるロールプレイ方式で講座は進む受講者自らが被験者となるロールプレイ方式で講座は進む 「BIKE FIT講習会」を主催するのは、BFS社製品を取り扱う日本代理店の株式会社サンメリット。同社代表の伏見氏は、そのBFS社の公認プロバイクフィッターの資格を取得した初めての日本人。

伏見氏は90年代にカナダで学生生活を送り、北米の自転車レース事情や業界についても精通している人物。アウトドア業界やトレイルランニングで定番であり、マウンテンバイカーやアドベンチャーレーサーにおなじみのハイドレーションシステムの「HYDRAPAK」などを扱う商社を営んでいる。サイクリストにメリットが多いBFS社のフィッティング理論の日本での普及を目指している。

バイクフィッティングに関する情報は古くからあるが、米国BFS社のポール・スウィフト氏はペダリング時におけるペダルと足に関する因果関係を学説として認められた人物だ。BFS社は北米はもとより世界の自転車業界を相手にフィッティングを指導する教育機関となり信頼をおかれている。
同氏はまたスペシャライズド社のアドバイザーであるPruitt氏にもその理論を説いた人物でもある。
同社の理論について詳しくはBIKE FIT SYSTEMSの紹介記事を参照して欲しい。

腕や脚の角度を測るゴニオメーターが使用される腕や脚の角度を測るゴニオメーターが使用される (c)サンメリットゴニオメーターを使って腕の角度を出すゴニオメーターを使って腕の角度を出す (c)サンメリット


コンセプトと理論を学んでいくプレゼンテーションコンセプトと理論を学んでいくプレゼンテーション サンメリットのBIKE FIT講習会の受講対象者は現在、バイクショップ関係者と指導者、または医療関係者に限定されているが、全国から熱心な受講者がBIKE FIT SYSTEMS社のフィッティング理論をマスターするため参加している。

講習内容は、アメリカの講習会同様に、講義と実践形式の2本立で行われている。受講者は1回の講習会につき3名という少人数で行われる。それぞれが持ち込むバイクで、講師の指導のもとベストなフィッティングを受講生自身が導き出すというロールプレイ方式で行われる。

レーザー機器をバイクフィッティングに採用するのはBFSのノウハウで、受講生は正しい使用方法をマスターする。「目測などあいまいな点を洗い出し、説得力あるフィッティング理論をお客様に伝えることが、フィッティングサービスでは重要だ」と伏見氏は言う。学説で証明された理論を取り入れてフィッティング作業を指導するBFS社のフィッティング方法は、アメリカをはじめ世界中の自転車業界と医療関係者に支持されている。

バイクフィットシステムズのクリートエッジは傾き・厚み別に数タイプ用意されるバイクフィットシステムズのクリートエッジは傾き・厚み別に数タイプ用意される (c)サンメリットシューズ内でカント(傾斜)をつけるパーツシューズ内でカント(傾斜)をつけるパーツ (c)サンメリット


脚の傾きを図ることができる器具脚の傾きを図ることができる器具 クリートエッジ装着で脚の傾きにあったクリートセッティングが可能になるクリートエッジ装着で脚の傾きにあったクリートセッティングが可能になる


「現在日本ではフィッティングに関する情報・意見で溢れ、ショップあるいはユーザーが持つ持論が一人歩きしている状況にあるため、混乱している状態にある」と伏見氏は言う。
「こういう時代だからこそ、正しいバイクフィッティングを知るべきではないか。BFS社の理論では特に軽視されがちなペダル・クリートの設定は、足の円運動で行う自転車では最も重要です」と言う。

この日の講習会受講者はいずれもバイクショップのオーナーもしくはスタッフ 3名限定だこの日の講習会受講者はいずれもバイクショップのオーナーもしくはスタッフ 3名限定だ 今後、BIKE FIT社の理論を取り入れたフィッティングサービスを展開するショップは増えていくだろう。サンメリットのBIKE FIT講習会参加者では、バイクフィット日本オフィシャルページのショップリストにショップ名と受講者氏名を表示し、一般客からショップにフィッティングについてサービスや相談を受けやすくする環境を整備していくそうだ。

伏見氏は、今後について次のような提案もしている。「日本の女性サイクリストにフィッティングサービスを展開していくには、女性のフィッターを育てなければいけない。女性スタッフが在籍しているショップさんは機会があれば是非講習会に参加して下さい」。


受講者からは講習を受けて良かったとの声が多く寄せられているという。講習会レポートはバイクフィット日本オフィシャルホームページにも掲載されているので、受講を検討している方は参考にすると良いだろう。

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