3TのエアログラベルロードバイクEXPLOROで日本各地のグラベルを走る”3T XPDTN JAPAN CLUB RIDE”。今回の舞台は青森県弘前市内から津軽峠を目指す白神ライン。色づく木々に囲まれるグラベルロードを700C仕様としたEXPLOROで駆け抜けた。



どこを切り取っても絵になる景色の白神ラインどこを切り取っても絵になる景色の白神ライン (c)Hayato Higuchi
津軽湖から津軽峠を目指す津軽湖から津軽峠を目指す (c)Hayato Higuchi
昨年からスタートした3Tグラベルライドイベントの3T XPDTN JAPAN CLUB RIDE。通算8回目となった紅葉ライドは昨年初回のグラベルライドの舞台、青森県道28号岩崎西目屋弘前線をチョイス。そう、「白神ライン」の愛称で親しまれる大自然の中のグラベルロードだ。日本海側の青森県深浦町と弘前市を結ぶ白神ラインの総延長は約86km。毎年11月中旬~5月下旬は冬季閉鎖となる道路は6割ほどが砂利道で構成されている。

白神エリアは、白神ラインの他いくつかの林道が存在し、起点とした弘前市内からのルートもバリエーションに富む。今回はライド前日まで、雨予報が出ていた事も考慮し、昨年の初回XPDTN JAPAN CLUB RIDE MOTHER TREEで走ったルートで白神山地の紅葉を楽しむ事にした。

スタート時の気温は8度。晩秋の肌寒さが気分を盛り上げるスタート時の気温は8度。晩秋の肌寒さが気分を盛り上げる (c)Hayato Higuchi
弘前市内にある老舗自転車店の「サイクリストスペシャルタケウチ」を7時過ぎにスタート。サイクルコンピューターによるとスタート時の気温は8度。寒気が近づきながら雨が降ったため冬の直前、という澄んだ空気でスタートを迎えた。

津軽峠までは弘前市内から約40km。

足取り軽く、白神ラインを目指す。途中収穫期を迎えたリンゴ畑や、山頂には雪がかかった青森の名峰岩木山を眺めながら16km進むと白神山地ビジターセンターを通過。そこから若干登ると津軽湖となる。津軽湖を通過する際にくぐるトンネルを抜ける度に景色が深く、さらに深くなっていく。

トンネルを抜ける度に深みを増す景色トンネルを抜ける度に深みを増す景色 (c)Hayato Higuchi
ブナやナラなど様々な木々がそれぞれの色合いで迎えてくれるブナやナラなど様々な木々がそれぞれの色合いで迎えてくれる (c)Hayato Higuchi
林道は濡れているくらいがちょうどいい林道は濡れているくらいがちょうどいい (c)Hayato Higuchi
雨予報という事で、有名な観光道路ながら行き交う車はほとんどなく、静かな林道の舗装区間を登っていく。気づくと辺り一面色づいた木々に囲まれているという幸せな時間が流れる。雲の切れ間からこぼれる陽の光に当たって紅葉が美しく輝いている。

雨の影響もあって道路には一面濡れ落ち葉が敷かれている。水に濡れた落ち葉は林道の雰囲気をさらに深いものにしてくれる。

グリーンビレッジANMONで休憩。ここからグラベル区間が始まるグリーンビレッジANMONで休憩。ここからグラベル区間が始まる (c)Hayato Higuchi
弘前市内から約34kmで白神山地の観光拠点、アクアグリーンビレッジANMONに到着。この日の天気予報は曇りところにより一時雨。しかし、ANMONに到着した頃には空は幸運にも晴れ渡ってきた。

ANMONからはいよいよグラベル区間に入る。ここから津軽峠までは約6km。昼過ぎから雨に重ねて寒気という酷な予報を考慮して、短めのグラベル区間の往復でルートを辿る事に。標高を上げていく毎に空は晴れ渡り、深い森を進むのが楽しくなる。

木々の合間から陽の光が差す。黄色い葉が眩しさを増す瞬間だ木々の合間から陽の光が差す。黄色い葉が眩しさを増す瞬間だ (c)Hayato Higuchi
川の流れる音も爽やかに聞こえる川の流れる音も爽やかに聞こえる (c)Hayato Higuchi
頭の上にも鮮やかな景色が広がる頭の上にも鮮やかな景色が広がる (c)Hayato Higuchi
途中、いくつかの部分舗装を走る途中、いくつかの部分舗装を走る (c)Hayato Higuchi
標高によって変わる葉の付き方と木々の色に終始癒されるグラベルライド。快晴の空の明るさで黄色い葉は一層の輝きを増し、一面は絵にかいたような景色が広がっている。鮮やかな景色というのはまさにこの景色の事を言うのだろう。

今回同行したお二人も、終始「今年一番楽しい」という言葉を漏らすほどの景色とゆっくりと流れる大自然の時間だ。

曇り一時雨予報も吹き飛び、清々しい休日のひと時曇り一時雨予報も吹き飛び、清々しい休日のひと時 (c)Hayato Higuchi
ガレ場もなく、ビギナーにも走りやすい路面ガレ場もなく、ビギナーにも走りやすい路面 (c)Hayato Higuchi
標高も上がってくると広がる視界に心躍る標高も上がってくると広がる視界に心躍る (c)Hayato Higuchi
標高650mの津軽峠。この奥にはマザーツリーへ続く小径がある標高650mの津軽峠。この奥にはマザーツリーへ続く小径がある (c)Hayato Higuchi
弘前市内から約40km。標高650mの津軽峠に到着。補給食を摂り、展望台から周辺の山並みを見て休憩。太陽が気持ちよく眺めもいいため、思わず昼寝をしたくなる雰囲気だ。津軽峠から先もいくつかの展望ポイントがあり興味をそそられるが、昼過ぎから予報されている強い寒気と雨が気になりここで折り返し。名勝くろくまの滝なども含め、ここから先の区間は次回にとっておくことにした。

津軽峠展望台。周辺の山並みが美しい場所だ津軽峠展望台。周辺の山並みが美しい場所だ (c)Hayato Higuchi
単に来た道を帰る。決してそれだけでは無いのがピストンルート。行きと帰りでは見える景色は異なり、さらに行きが「登り」なら、帰りは当然「下り」だ。走る楽しさは倍以上に膨らむ。スピードも出る下り区間、登りの途中で脱いだレインウェアを再度着て寒さ対策を行ったうえで駆け抜けていく。

雨で流れている箇所はあるものの全体的に走りやすい路面。EXPLORO試乗車はいずれも700Cのホイールをセットしておいた。路線バスも通る津軽峠までの区間は市内からのアプローチも含め700x35~37cあたりがベストと言える。

グラベルの楽しみの一つである下りがスタートグラベルの楽しみの一つである下りがスタート (c)Hayato Higuchi
今回の試乗車は700cホイールをセット。走りやすい路面とアプローチの舗装を考慮した今回の試乗車は700cホイールをセット。走りやすい路面とアプローチの舗装を考慮した (c)Hayato Higuchi
落ち葉とグラベルバイク。相性の良い組み合わせだ落ち葉とグラベルバイク。相性の良い組み合わせだ (c)Hayato Higuchi
山の斜面によっては陽が陰りひんやりとするものの、いざ陽の当たる斜面に出ると、鮮やかな景色となる。軽快で楽しいグラベルの下りではあるものの、途中で止まって色づいた木々に見とれるグラベルライドになった。

振り向くと、雲一つない林道。白神ラインは周辺に切り立った山並みが無いため、空が広く気持ちの良い林道だ。

暗い斜面から明るい斜面に出た時のコントラストが美しい暗い斜面から明るい斜面に出た時のコントラストが美しい (c)Hayato Higuchi
映える写真が撮れるのも白神ラインの魅力映える写真が撮れるのも白神ラインの魅力 (c)Hayato Higuchi一気に駆け抜けるのではなく、時々止まって景色を楽しむ一気に駆け抜けるのではなく、時々止まって景色を楽しむ (c)Hayato Higuchi

踏み固められたグラベル区間を抜けていく踏み固められたグラベル区間を抜けていく (c)Hayato Higuchi
林道を抜けて、アクアグリーンビレッジANMONで休憩。最後の補給は、青森特産のリンゴを丸かじりだ。

ANMONからは舗装の下りを抜けていく。往復12kmと短めのグラベル区間を終えた二人。下りながらの漏れる感想も往路と同じく「今日は最高に楽しかった」だ。

「やっぱり青森のリンゴはうまいっ!」「やっぱり青森のリンゴはうまいっ!」 (c)Hayato Higuchi綺麗な水の流れも白神の大自然の一部綺麗な水の流れも白神の大自然の一部 (c)Hayato Higuchi
名峰岩木山。津軽富士と呼ばれ親しまれている山だ名峰岩木山。津軽富士と呼ばれ親しまれている山だ (c)Hayato Higuchi紅葉で賑わう弘前城の前で。弘前市は白神ラインへの拠点だ紅葉で賑わう弘前城の前で。弘前市は白神ラインへの拠点だ (c)Hayato Higuchi


ビジターセンター手前。岩木山が正面に。標高1625m。津軽富士とも呼ばれる美しい山の裾野にも色とりどりの木々が茂っている。午後1時、若干空が冬の空になってきていた。

弘前市内に戻り、お堀の紅葉が美しい弘前城の前を通過し、スタート地点のサイクリストスペシャルタケウチへ。心配された天候も、予想外の晴れとなった今回のXPDTN JAPAN CLUB RIDE TSUGARUが終わった。

「今年のライドで一番楽しかった」と大満足の参加者のお二人「今年のライドで一番楽しかった」と大満足の参加者のお二人 (c)Hayato Higuchi
最高の天気、最高のロケーションと景色に参加いただいたお二人は大満足。参加ノベルティの3Tロゴピンバッジを手に記念撮影で締めくくった。


XPDTN JAPAN CLUB RIDE TSUGARU
走行距離:84km
獲得標高:1000m
協力:サイクリストスペシャルタケウチ 〒036-8001 弘前市代官町104-3
電話番号:0172-32-0693
営業時間:10:00〜19:00
定休日:火曜・水曜
EXPLORO試乗車設置店



樋口準人(3Tマーケティング担当)樋口準人(3Tマーケティング担当) 筆者プロフィール:樋口準人(3Tマーケティング担当)

ロングライド、ヒルクライム、シクロクロスと四季を通じて自転車に乗りながら、最近は毎週林道に出かけ空撮を楽しむドローングラファー。3TのグラベルロードEXPLOROを知り尽くし、日本各地で開催している3T XPDTN JAPAN CLUB RIDEをアテンドしている。