2019/12/06(金) - 18:44
今年初開催となった「南砺城端サイクリング祭 隅から隅までずずずいーっとエシカルライド」。富山県南部の自然あふれる一帯を巡るロングライドイベントのレポートが届きました。
夜中に激しく降り続いた雨も夜明けとともに小降りとなり、開会式スタート時点では、何とかこのまま降らずに一日もってくれますように と祈っても罰が当たらないぐらいの空模様になりました。
スタート会場は、開基530年を誇る古刹 城端別院 善徳寺。開会式では、初開催ということもあってか、遠方から来た参加者に感謝を込めて地元でとれた新米をプレゼントする、という趣向もありました。
さて、開会式が終わり、善徳寺の大きな山門をくぐり記念撮影をすませると、いよいよスタート。初めて走るコースにいやが上にも期待が高まりますが、空の様子はどっちに転んでもおかしくないラグビーボール状態のままです。6kmほど先の五箇山トンネル付近では、濃霧との報告もあり、ちょっとドキドキのスタートとなりました。
最初の数百メートルは、もう令和という新しい時代になっていることを忘れさせるような古き良き日本を思い出させる石畳の街並み。
そこを抜けると開けてくるのが、日本国内でも最大級の散居村です。散居村というのは、広大な耕地の中に民家が散らばって点在する集落の形態ですが、ここ砺波平野の散居村は家の周りに屋敷林をめぐらせていることが大きな特徴です。
この散居村地帯は見晴らしの良い平坦でまっすぐな道のり。ずっとこのままだと楽チン楽勝じゃん、なのですがもちろんそうは問屋がおろしません。世界遺産合掌造りの里である”五箇山”に向けてまずはゆるやかな上り、しばらくすると結構な斜度たっぷりの坂道がこれでもかと続きます。上級者にはそれほどでもないのですかねー、すいすい登っていくライダーたちがうらやましい。
さてそうこうする内に、さっきスタート前に聞いた情報どおり、周囲には徐々に霧がまいてきました。いくつかのトンネル(これがまた点灯して走ると意外に楽しい)を抜けた梨谷大橋の上、その霧が紅葉に間に合わなかった山の緑の中を漂い、なかなかの幻想的なムードを醸し出します。抜けるような秋晴れといかなかった悔しさは、他の喜びを見つけて元とりましょう。
ここからしばらく下ると、そろそろ見えてくるのが五箇山の相倉合掌集落の入口。「重文 村上家」、「重文 岩瀬家」や「行徳時」といった名所旧跡が次々と現れます。コース100km超の内まだ25km程度しか走ってないので、名所もゆっくり見たいけれどそれはまた今度。次にここに来たら、是非寄ってみよう。
それにしてもまだヒルクライムの経験の無い私にはわからないけど、本格的なヒルクライムってのはもっと急坂なんだろうなー、“昼は明るいはずなのに、昼暗いムとはこれいかに”などどつまんないこと考えながら走っていくと、おお、ここが第1エイドささら館。ついに到着です。
南砺城端サイクリング祭の幟はためく中、受付テントに行き、スタンプを押してもらい、ボリュームたっぷりのホットサンドイッチと熱いコーヒーをいただきます。早朝軽く食べただけでごまかされていた私の胃袋が急に活気づきます。
雨は止んでいるとは言えどんより曇り空。冷え切った体にこのコーヒーはしみ入りますねー。うん、ひとまず満足。少し休憩をとって、コースはこの第1エイドで折り返し、これから五箇山合掌造りの菅沼集落へと向かいます。
コースは菅沼集落のすぐ傍らを通ります。自転車を降りて菅沼集落を眺めると、今自分はいつの時代にいるのだろう。不思議なタイムスリップ感に酔える一瞬です。これ世界遺産ですもんね。富山出身の私としては、子供の頃はあまり意識しなかったけど、世界獲るとは天晴れな五箇山合掌造りです。
さあここからしばらくは、ゆるやかな下り基調で快適な走行、こりゃ醍醐味醍醐味と思いきや、なんとここで非情の雨。割と強く降り始め雪よけのスノーシェッドでしばらく様子見。この後は、ゴールまで降ったり止んだりの一日となりました。
晴れていたらものすごく絶景だろうなと思いつつ庄川峡を眼下に眺め国道156号をひた走ります。いやしつこく言いますけどこれ晴れてたら最高ですよ。
さああと少しで第2エイド閑乗寺高原、もう少しってところで、ここからが大変でした。やや細い林道が超上り、絶対足つかないぞと頑張ったもののちょっと無理目。やっとの思いで何とか第2エイドに到着しました。
ここで待っていたのは、なんと熊汁。熊ですよ熊。知らない人はちょっとビビるかも知れませんが、これが割と淡泊。癖もなく美味しいんです。しかも体の芯からぽっかぽか。おにぎりとのセットでお腹はいい感じの膨らみ具合。実は第2エイドを越えるとしばらくはそんなに難コースではないはず。落ち着いて行こう。
ここからコースは、山から町へと向います。やはり違った風景が短時間の間に間近でめまぐるしく変わっていくのを肌で感じられるのが、自転車っていう乗り物の素晴らしいところですよね。この辺り、再び散居村の田園地帯を走ります。
越中一之宮「高瀬神社」、福野農学校跡の「厳浄閣」、はたまた「安居寺」と次から次へとまた名所ありますねー。まあ、それにしてものどかなもんです。これで晴れてりゃねー。しつこいか。
さて、第3エイドは道の駅です。福光の一福茶屋、到着しました。おっ、ここはサイクルラックを用意してくれていますね。見た目鮮やか色とりどり、ここ福光のブドウカップをいただきます。季節ですねー。甘くてジューシー。なかなかいけます。
さあ、フルーツでリフレッシュした後は、もうゴールを目指すだけ。桜ヶ池を経由して善徳寺のゴールにひた走る。あと一踏ん張り、なんとかなるやろと勇んで出ましたが、ここから桜ヶ池までが以外とヘビー。まあ、ここものどかな農村風景なのですが、上ったり下ったりを繰り返し、もともとかなり弱っていたところに追い打ちのボディーブロー、尚也あんたは世界一や!
いやー、桜ヶ池です。雨の中頑張ってくれている立哨員の方に訊ねると善徳寺までは、あと約6km。しかもそんなにアップダウンもないとのこと。最後の6kmは味わって走りましょう、ということでのんびり城端の街並を楽しみました。それにしても人も滅多に通らない山の中や逆に町中の交通量の多いところ、この雨の中 誘導してくれた立哨員の方々、ありがとうございました。
いよいよフィニッシュ地点の城端別院善徳寺が見えてきました。赤いチェッカーフラッグを降っている女の子に迎えられ無事ゴール!
善徳寺の山門下で、完走証やらお餅やらお土産の善徳寺手ぬぐいやらをもらい、ほっと一息。何とか頑張って完走した自分を褒めてやりたい、ご褒美に何あげよう、と一瞬誇らしげな気持ちになりました。
その時、受付にいたお姉さんから、善徳寺のお風呂沸いてますよ、の一言。まっ ご褒美これでいいかっ、と初体験のお寺の広いお風呂でゆっくり温まって心地よく疲れた体を癒やしてあげたのでした。
ではまた来年、南砺でお会いしましょう!
夜中に激しく降り続いた雨も夜明けとともに小降りとなり、開会式スタート時点では、何とかこのまま降らずに一日もってくれますように と祈っても罰が当たらないぐらいの空模様になりました。
スタート会場は、開基530年を誇る古刹 城端別院 善徳寺。開会式では、初開催ということもあってか、遠方から来た参加者に感謝を込めて地元でとれた新米をプレゼントする、という趣向もありました。
さて、開会式が終わり、善徳寺の大きな山門をくぐり記念撮影をすませると、いよいよスタート。初めて走るコースにいやが上にも期待が高まりますが、空の様子はどっちに転んでもおかしくないラグビーボール状態のままです。6kmほど先の五箇山トンネル付近では、濃霧との報告もあり、ちょっとドキドキのスタートとなりました。
最初の数百メートルは、もう令和という新しい時代になっていることを忘れさせるような古き良き日本を思い出させる石畳の街並み。
そこを抜けると開けてくるのが、日本国内でも最大級の散居村です。散居村というのは、広大な耕地の中に民家が散らばって点在する集落の形態ですが、ここ砺波平野の散居村は家の周りに屋敷林をめぐらせていることが大きな特徴です。
この散居村地帯は見晴らしの良い平坦でまっすぐな道のり。ずっとこのままだと楽チン楽勝じゃん、なのですがもちろんそうは問屋がおろしません。世界遺産合掌造りの里である”五箇山”に向けてまずはゆるやかな上り、しばらくすると結構な斜度たっぷりの坂道がこれでもかと続きます。上級者にはそれほどでもないのですかねー、すいすい登っていくライダーたちがうらやましい。
さてそうこうする内に、さっきスタート前に聞いた情報どおり、周囲には徐々に霧がまいてきました。いくつかのトンネル(これがまた点灯して走ると意外に楽しい)を抜けた梨谷大橋の上、その霧が紅葉に間に合わなかった山の緑の中を漂い、なかなかの幻想的なムードを醸し出します。抜けるような秋晴れといかなかった悔しさは、他の喜びを見つけて元とりましょう。
ここからしばらく下ると、そろそろ見えてくるのが五箇山の相倉合掌集落の入口。「重文 村上家」、「重文 岩瀬家」や「行徳時」といった名所旧跡が次々と現れます。コース100km超の内まだ25km程度しか走ってないので、名所もゆっくり見たいけれどそれはまた今度。次にここに来たら、是非寄ってみよう。
それにしてもまだヒルクライムの経験の無い私にはわからないけど、本格的なヒルクライムってのはもっと急坂なんだろうなー、“昼は明るいはずなのに、昼暗いムとはこれいかに”などどつまんないこと考えながら走っていくと、おお、ここが第1エイドささら館。ついに到着です。
南砺城端サイクリング祭の幟はためく中、受付テントに行き、スタンプを押してもらい、ボリュームたっぷりのホットサンドイッチと熱いコーヒーをいただきます。早朝軽く食べただけでごまかされていた私の胃袋が急に活気づきます。
雨は止んでいるとは言えどんより曇り空。冷え切った体にこのコーヒーはしみ入りますねー。うん、ひとまず満足。少し休憩をとって、コースはこの第1エイドで折り返し、これから五箇山合掌造りの菅沼集落へと向かいます。
コースは菅沼集落のすぐ傍らを通ります。自転車を降りて菅沼集落を眺めると、今自分はいつの時代にいるのだろう。不思議なタイムスリップ感に酔える一瞬です。これ世界遺産ですもんね。富山出身の私としては、子供の頃はあまり意識しなかったけど、世界獲るとは天晴れな五箇山合掌造りです。
さあここからしばらくは、ゆるやかな下り基調で快適な走行、こりゃ醍醐味醍醐味と思いきや、なんとここで非情の雨。割と強く降り始め雪よけのスノーシェッドでしばらく様子見。この後は、ゴールまで降ったり止んだりの一日となりました。
晴れていたらものすごく絶景だろうなと思いつつ庄川峡を眼下に眺め国道156号をひた走ります。いやしつこく言いますけどこれ晴れてたら最高ですよ。
さああと少しで第2エイド閑乗寺高原、もう少しってところで、ここからが大変でした。やや細い林道が超上り、絶対足つかないぞと頑張ったもののちょっと無理目。やっとの思いで何とか第2エイドに到着しました。
ここで待っていたのは、なんと熊汁。熊ですよ熊。知らない人はちょっとビビるかも知れませんが、これが割と淡泊。癖もなく美味しいんです。しかも体の芯からぽっかぽか。おにぎりとのセットでお腹はいい感じの膨らみ具合。実は第2エイドを越えるとしばらくはそんなに難コースではないはず。落ち着いて行こう。
ここからコースは、山から町へと向います。やはり違った風景が短時間の間に間近でめまぐるしく変わっていくのを肌で感じられるのが、自転車っていう乗り物の素晴らしいところですよね。この辺り、再び散居村の田園地帯を走ります。
越中一之宮「高瀬神社」、福野農学校跡の「厳浄閣」、はたまた「安居寺」と次から次へとまた名所ありますねー。まあ、それにしてものどかなもんです。これで晴れてりゃねー。しつこいか。
さて、第3エイドは道の駅です。福光の一福茶屋、到着しました。おっ、ここはサイクルラックを用意してくれていますね。見た目鮮やか色とりどり、ここ福光のブドウカップをいただきます。季節ですねー。甘くてジューシー。なかなかいけます。
さあ、フルーツでリフレッシュした後は、もうゴールを目指すだけ。桜ヶ池を経由して善徳寺のゴールにひた走る。あと一踏ん張り、なんとかなるやろと勇んで出ましたが、ここから桜ヶ池までが以外とヘビー。まあ、ここものどかな農村風景なのですが、上ったり下ったりを繰り返し、もともとかなり弱っていたところに追い打ちのボディーブロー、尚也あんたは世界一や!
いやー、桜ヶ池です。雨の中頑張ってくれている立哨員の方に訊ねると善徳寺までは、あと約6km。しかもそんなにアップダウンもないとのこと。最後の6kmは味わって走りましょう、ということでのんびり城端の街並を楽しみました。それにしても人も滅多に通らない山の中や逆に町中の交通量の多いところ、この雨の中 誘導してくれた立哨員の方々、ありがとうございました。
いよいよフィニッシュ地点の城端別院善徳寺が見えてきました。赤いチェッカーフラッグを降っている女の子に迎えられ無事ゴール!
善徳寺の山門下で、完走証やらお餅やらお土産の善徳寺手ぬぐいやらをもらい、ほっと一息。何とか頑張って完走した自分を褒めてやりたい、ご褒美に何あげよう、と一瞬誇らしげな気持ちになりました。
その時、受付にいたお姉さんから、善徳寺のお風呂沸いてますよ、の一言。まっ ご褒美これでいいかっ、と初体験のお寺の広いお風呂でゆっくり温まって心地よく疲れた体を癒やしてあげたのでした。
ではまた来年、南砺でお会いしましょう!
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