埼玉県川越市にあるモトクロスコース、オフロードヴィレッジにて今季第4戦となる「川越サイクルオフロードエンデューロ」が9月21日(土)に開催された。気軽にオフロード耐久レースを楽しめる、アットホームな雰囲気が特徴のイベントをレポート。



スタート前に参加者全員で記念撮影、気軽な雰囲気で楽しめるイベントだスタート前に参加者全員で記念撮影、気軽な雰囲気で楽しめるイベントだ
昨年11月に初開催され、今年は全6戦のシリーズレースとして規模を拡大し実施されているオフロード耐久レースイベント「川越サイクルオフロードエンデューロ」。会場である埼玉県川越市のモトクロスコース「オフロードヴィレッジ」が、自転車でも気軽にオフロード遊びを楽しめる場を設けたいとの思いで始まったイベントである。

6月の第2戦は台風の影響で中止されたものの、4月と7月そして今回の9月と定期的に開催されており、毎戦参加しているリピーターの姿も。今回9月21日(土)に行われた第4戦も、前日までは雨がぱらつきそうな天気予報だったものの、当日は曇りの空模様で走りやすい気温の中開催されることとなった。

広大なオフロードコースを抱える川越市のオフロードヴィレッジ広大なオフロードコースを抱える川越市のオフロードヴィレッジ
モトクロスバイクと自転車が同じ会場に並ぶモトクロスバイクと自転車が同じ会場に並ぶ 親子で参加した人の姿も、大人から子どもまで楽しめるコース設定だ親子で参加した人の姿も、大人から子どもまで楽しめるコース設定だ

空気圧計を使いシビアにタイヤの空気圧をチェック空気圧計を使いシビアにタイヤの空気圧をチェック Livアンバサダーの武田和佳さんもサポート参加Livアンバサダーの武田和佳さんもサポート参加

朝9時スタートでお昼過ぎには解散というスムーズな日程で、午前中だけサクッと走って帰ってこられる気軽さもポイント。さらには当日エントリーも可能なため、前日になって参加を決めても出場することができる。メインのコースではモトクロッサーたちがエンジン音を響かせる中、約30名の参加者がMTBやシクロクロスバイク、グラベルバイクなど各々のオフロードバイクを用意して参戦した。

120分か60分(キッズとレディースは30分)の種目から選べる他、車種ごとにクラスが分けられるため表彰対象が多く設定されている点も嬉しい。そしてなんと言っても120分クラスは1~3位まで賞金が用意されており、必然的にトップグループは白熱したレース展開が繰り広げられるのも見どころだ。

2時間クラスがスタート!砂埃を巻き上げて進む2時間クラスがスタート!砂埃を巻き上げて進む
序盤はパックになってハイペースで進む序盤はパックになってハイペースで進む オフロードのアップダウンで脚が削られていくレイアウトだオフロードのアップダウンで脚が削られていくレイアウトだ

大会コースの隣ではモトクロスがエンジン音を響かせジャンプを決める大会コースの隣ではモトクロスがエンジン音を響かせジャンプを決める
コースレイアウトは前回から若干変更しており、アップダウンのあるダイナミックなオフロード、テクニカルな切り返しを設定したフラットダート、自転車を担いでクリアするシケイン、ハイペースで駆ける舗装路区間とバラエティに富んだ設定で参加者を楽しませた。オフロードヴィレッジの福本社長は「もし雨が降っても泥がぐちゃぐちゃせず軽く走れるコースにしました」とのことで、毎度姿を変えるコース設定はこの大会の特徴となっている。

レース前には参加者全員で一度コースを試走。オフロードと言っても比較的イージーで、道幅も広く追い抜きも容易なため、子供から大人まであらゆるレベルの人が楽しむことができる。周回遅れになったってゆっくり走ったって大丈夫、各々のペースで存分にオフロードフィールドを満喫しよう。

バンプでフロントアップを決めて楽しむ人もバンプでフロントアップを決めて楽しむ人も
今回はシケインも設置され担ぎでクリアしていく今回はシケインも設置され担ぎでクリアしていく シクロクロスレースのようなタイトコーナーをこなすシクロクロスレースのようなタイトコーナーをこなす

小径車だって大丈夫、笑顔を浮かべ快走していく小径車だって大丈夫、笑顔を浮かべ快走していく 子どもたちも仲良く競い合う子どもたちも仲良く競い合う

雨は降らず終始ドライなコンディションで楽しむことができた雨は降らず終始ドライなコンディションで楽しむことができた
逆にテクニカルさはなかったため単純に地脚の勝負となった今回のレース。毎周回こなすダートのアップダウンによって脚が地味に削られていき、最初はひと塊となって走っていた集団も徐々にバラける展開に。それでも120分クラスのトップは終盤まで3人パック体制でバチバチの争いを見せていた。

コーナーでテールスライドしてみたり、バンプでジャンプを決めてみたり、シケインでシクロクロスレースのイメトレをしてみたり、コーナーのライン取りを変えてみたり、体の使い方やグリップのさせ方を色々試してみたり…オフロードをノンストップで2時間も走れる貴重な機会なのだから、ここぞとばかりに楽しみ尽くす。

苦しい?楽しい?表情を浮かべゴール!苦しい?楽しい?表情を浮かべゴール! 自前の洗浄機を持ち込んでバイクの泥を落とす人も自前の洗浄機を持ち込んでバイクの泥を落とす人も

1~3位までが表彰台に上がる、クラスも細かく分けられたくさんの人が景品を受け取った1~3位までが表彰台に上がる、クラスも細かく分けられたくさんの人が景品を受け取った
賞金を手にしてニンマリ顔の御三方賞金を手にしてニンマリ顔の御三方 各クラスで豪快なシャンパンファイトが行われる各クラスで豪快なシャンパンファイトが行われる

オフロードヴィレッジを日頃利用しているモトクロッサーチームの皆さんも参加オフロードヴィレッジを日頃利用しているモトクロッサーチームの皆さんも参加
普段からオフロードヴィレッジを利用しているモトクロッサーチームの子どもたちもトレーニングのため参加しており、親御さんの賑やかな応援がコース脇から飛んでくる。決して高価なレース機材でなくても、オフロードを走れれば(一応)ママチャリだってオーケー。肩肘張らずに手持ちの機材で参加を検討してみては。

表彰式では各クラスでシャンメリーによるシャンパンファイトも。皆さん慣れない手付きで栓を空けていくが、ここはぜひプロ選手気分で豪快にボトルを振ると格好良く決まりそうだ。120分クラスでは賞金も配られ、手にした参加者はニンマリ笑顔を浮かべる。自転車のパーツ代に消えるのか、はたまた今日の飲み代に消えるのか(笑)。参加人数が増えれば60分クラスでも賞金が出るとのことなので、このレポートを呼んだ皆さんはぜひ第5戦への出場を考えてみては。次戦は11月16日(土)に予定されている。

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参加者の皆さんに一言インタビュー

2時間ソロ優勝の吉元健太郎さん

ピストバイクで2時間ソロ優勝を優勝した吉元さんピストバイクで2時間ソロ優勝を優勝した吉元さん
終始2時間クラスの先頭を引っ張り強さを見せつけた吉元健太郎さん(チーム鳴木屋-Pep cycles)は、なんと固定ギアのピストバイクで優勝。普段からシングルスピードのバイクでシクロクロスやMTBレースに参戦しているのだと言う。「昨年の第1回大会ぶりに出場しました。今回はシケインもあるなどコースが工夫されておりより楽しめましたね。来月にもここオフロードヴィレッジで”トラックロクロス”の大会も開かれるので、ピストバイク愛好者はぜひチェックしてみて下さい。」

2時間チーム優勝のTS TECH 自転車部さん

TS TECH 自転車部の宮脇さんと望月さんTS TECH 自転車部の宮脇さんと望月さん
「前々回参加したときにこの種目で2位だったので今回優勝できて嬉しいです。シクロクロスのシーズンイン直前にオフロードを走っておきたかったので丁度よいタイミングでした。毎回楽しいコースを作ってくれるのでありがたいですね。来週シクロクロスの大会に出るので良い練習になりました。前半のペースがすごく速くて、ついていくのでやっとだったのですが脚には良い刺激になったと思います。草の上を走るフラットダートやシケインもシクロクロスの慣らしに最適です。」

今年の鳥人間コンテストで最年長パイロットとして出場した長裕さん

鳥人間コンテストにパイロットとして出場していた長さんも参加鳥人間コンテストにパイロットとして出場していた長さんも参加
なんと今年の鳥人間コンテストの滑空機部門へ出場していた長裕さんも今回参戦。パイロットとしてダイエットするために自転車を始めシクロクロスにハマっているという。御年60歳という年齢ながら関東近郊のシクロクロスレースには積極的に参加しているのだとか。「トップはすごい速かったですね、1時間はついていったのですが途中でスリップしてしまいました笑。CXレースだとスタート直後から縦一列になってしまいますが、ここのコースは幅も広くどのラインを走っても大丈夫なので思い切り楽しむことができますね。MTBじゃなくても十分ですし、何よりコースが面白いのが良いですよね。」

さいたま市を中心とした社会人チームReVeloのお二人

さいたま市を中心とした社会人チームReVeloのお二人さいたま市を中心とした社会人チームReVeloのお二人
「今日のコースは平坦からダートのジャンプ、ラフな草地など様々な要素がミックスされていて、かつ前回よりも1周が長めに設定されていたので非常に面白かったですね。各セクションで走り方を変えていく感じが楽しいんです。仲間とともに何度か参加していますが、また出たいと思います。今のところ全体的に参加人数が少なめなので、もっと多くの人を集めて盛り上げたいですね。」

text&photo:Yuto.Murata