タイ北部で開催されたSINGHAチェンライチャレンジに、新城幸也、山本幸平、平林安里選手に加えて日本人サイクリストが大勢参加した。ロードとMTBの2日間レースとなるイベントを、宮澤崇史さんの参加レポートでお伝えします。

タイ随一の公園リゾートであるシンハーパークタイ随一の公園リゾートであるシンハーパーク ユキヤのタイのお父さんこと中川茂さん。大会のサポーターでもあるユキヤのタイのお父さんこと中川茂さん。大会のサポーターでもある


新城幸也や山本幸平選手がオフシーズンに合宿を行うことでも知られるタイ北部の町、チェンライ。プロ選手が好んで集結するほどにサイクリングに最適な環境が整うこのエリアで開催された、ロードバイクとMTBの両方が楽しめるイベント「SINGHAチェンライチャレンジ」に、私・宮澤がこのたび参加してきました。

これまではマウンテンバイクのみで2日間の開催だったおなじみのこの大会。今年は生まれ変わって1Dayチャレンジライドとなり、MTBは70kmものロングライドイベントとなりました。特筆すべきは今年、新たにロードイベントが加わったことです。
プレ大会としてチェンライ〜チェンセン〜チェンライの160kmのロードコースが誕生し、今回私はこれを走ってきました。(straveによる走行ルートはこちら

朝日を浴びたシンハーパーク。背景はジップラインという空中を滑るアトラクション朝日を浴びたシンハーパーク。背景はジップラインという空中を滑るアトラクション シンハーパークに集った地元タイ人サイクリストたちシンハーパークに集った地元タイ人サイクリストたち


長年にわたって自転車選手達から「父ちゃん」と親しまれる、名物タイ合宿の主催者である中川茂さんお薦めの平坦+アップダウンの高速コース。日本では寒くて外に出るのも億劫なこの時期、気温30度近くまで上がるタイは乾季で、気持ち良く走れます。爽快な青空の下、スタート地点のシンハーパークに集まった参加者は50名を超えました。

山本幸平も参加。タイ合宿中であり、良いトレーニングになると例年参加している山本幸平も参加。タイ合宿中であり、良いトレーニングになると例年参加している 新城幸也(バーレーン・メリダ)も参加。タイをこよなく愛し、第2の母国とするワールドツアーライダー!新城幸也(バーレーン・メリダ)も参加。タイをこよなく愛し、第2の母国とするワールドツアーライダー! 日本MTB会の未来を担う平林安里選手も参加日本MTB会の未来を担う平林安里選手も参加


福島晋一さんも参加。久々のロードライドを楽しむ福島晋一さんも参加。久々のロードライドを楽しむ スタートを待つMTBクラスの選手たちスタートを待つMTBクラスの選手たち


チェンライの街を出ると、ほどなくして大集団はタイ人の選手たちを中心に形成されます。その大集団を中心になって牽くのは、タイ合宿に参加中の新城幸也選手。先シーズンまでNIPPOの監督をつとめた福島晋一さんと私は、並走しながらお喋りをしつつ、終始笑顔でタイ北部の農村地帯を北へと進みます。

いよいよスタート。リゾートのようなシンハーパークを走り出していくいよいよスタート。リゾートのようなシンハーパークを走り出していく
2列になり、時速40km/h前後で進む集団。まるでヨーロッパのグランフォンドの様なペースで目の前を駆け抜ける集団に、沿道で応援するタイの人々もその迫力に圧倒されています。集団の後方にはサポートカーが3台、道路の安全を確保するためのオートバイも3台と完璧なサポートぶりで、トラブルがあってもすぐに対処できる体制が整っているのが素晴らしい。

グループ後方には中川茂さんがオートバイでサポートグループ後方には中川茂さんがオートバイでサポート タイ人サイクリストたち。新城選手は彼らにとっても大スターだタイ人サイクリストたち。新城選手は彼らにとっても大スターだ


折り返し地点のチェンセーンは、1327年にチェンセーン王国の首都として建設された古都だと聞く。歴史が古く、何世紀前の寺院や遺跡が点在することで有名で観光客も多く訪れる町です。

昼食は各自どこで食べても自由で、華僑が多いこの街の餃子は本当に絶品!。焼き餃子と水餃子の二種類をいただきましたが、ペコペコのお腹に吸い込まれるように何個でも入っていってしまう美味しさでした。食後にゆったりと流れる雄大なメコン川を眺めながらコーヒーを一杯飲むと、チェンライへ向けての帰路へ出発の準備です。

タイの餃子の美味しいことタイの餃子の美味しいこと 「カオマンガイ」は日本人でも親しみやすいチキンライス「カオマンガイ」は日本人でも親しみやすいチキンライス フィッシュボールスープも美味しいフィッシュボールスープも美味しい


160kmという長いコースも、集団で走るとあっという間。ただしこの時期は乾季ということもあり、水分補給だけは欠かせません。途中のコンビニ休憩でも選手たちは疲れた顔は見せず、あいかわらず笑顔で溢れています。そのくらい楽しい。

後半になると、新城選手と一緒に走りたい挑戦者が先頭で並走し始めます。5〜5.3倍ワット位のパワーで引き続けることは容易ではありません。一番長く牽いていたのはタイ人の選手で、20分ほど牽いていたでしょうか。タイには有望な選手がどんどん生まれてきていることを実感します。それだけロードレースが盛んだということでしょう。

バナナのジャングルを行く。一部オフロード区間あり!バナナのジャングルを行く。一部オフロード区間あり! のびのび、延々と走れるタイの道路のびのび、延々と走れるタイの道路 生活感いっぱいのローカルロードを走り抜けるのも楽しい生活感いっぱいのローカルロードを走り抜けるのも楽しい


上り坂になると、余裕のある選手が苦しい選手のお尻を軽く押しながら助け合う姿もみられました。新城選手に押された選手は、「世界のアラシロに押してもらえるなんて感激!」と、興奮した様子。

余裕のある平坦も、高速で進む集団走行の醍醐味を味わいながら2時間近くもノンストップで走ることができます。日本では絶対に経験できない恵まれた自転車環境に、参加者は苦しそうな表情の中にもどこか笑顔をのぞかせずにはいられません。

楽しく走ってフィニッシュ! 今回はセンチュリーライド形式でした楽しく走ってフィニッシュ! 今回はセンチュリーライド形式でした 走り終わったらさっそくビールをプシュッ、ですね走り終わったらさっそくビールをプシュッ、ですね


シンハーパークに帰ってきたのは午後2時。ゴール後に飲むのはもちろんシンハービール! ああ、美味い。疲れた体に染み渡るビールの美味しさで再び笑顔が溢れ、ライドの思い出を語る声も興奮した様子。大会スポンサーはシンハービールなので、ビールは好きなだけ飲めてしまうのです。


MTBレースも開催

シンハーパークの紅茶畑を駆け抜ける山本幸平と平林安里選手シンハーパークの紅茶畑を駆け抜ける山本幸平と平林安里選手
美しいお茶畑が広がるシンハーパーク園内のサイクルルート美しいお茶畑が広がるシンハーパーク園内のサイクルルート
同日に開催されたチェンライマウンテンバイクは、山を2つ超える難易度の高い68kmを走るエリートコース、小さなアップダウンのチャレンジカテゴリーは32kmと、一日走るには充分なコースレイアウト。今年は2daysから1dayに変更され、エリートコースは上りが2つ、距離も伸びてよりチャレンジングなアドベンチャー性の高いコース設定になったようです。MTB部門は日本人に人気で長らく続いていた大会なので、またかつてのリピーターさんも戻ってくることでしょう。

シンハーパーク園内を家族連れサイクリストが走るシンハーパーク園内を家族連れサイクリストが走る e-Bikeで走る参加者も。これから増えそうだe-Bikeで走る参加者も。これから増えそうだ


MTBコースはチェンライの山間部のワイルドな景観のなかを行くMTBコースはチェンライの山間部のワイルドな景観のなかを行く
あちこちに激坂が待ち構えるタイの山間部。舗装路とはいえキツイ!あちこちに激坂が待ち構えるタイの山間部。舗装路とはいえキツイ! 赤土のダイナミックな林道を行く山本幸平赤土のダイナミックな林道を行く山本幸平


夜はイベント恒例の大宴会。これが楽しいんです。プロ選手もアマチュアライダーも一緒になって大いに盛り上がります。タイ北部の名物料理・ソムタムや、鶏肉のタイカレー、シンハーパークで栽培されているお茶の葉のフライ、ボロネーゼまで、本場の絶品タイ料理を中心に様々な料理が並びます。

レースを終えてカフェタイム。シンハーパークはごきげんなリゾートだレースを終えてカフェタイム。シンハーパークはごきげんなリゾートだ シンハーパークでのアフターディナー。くつろげますシンハーパークでのアフターディナー。くつろげます


シンハーパークの高級レストランの食事はタイでも有数の美味しさと評判だシンハーパークの高級レストランの食事はタイでも有数の美味しさと評判だ ユキヤを囲んで。中川茂さん、奥さんのノイさん、シンハーパーク代表のピヤパンさんらとユキヤを囲んで。中川茂さん、奥さんのノイさん、シンハーパーク代表のピヤパンさんらと


参加者の声を拾ってみました。

愛知のサイクルショップ・クエストの横井店長「こんなに素晴らしい選手たちと一緒に走れるなんて夢の様でした。集団についていくのも途中苦しい時があったけど、最後まで走りきれて楽しかったです。チェンライは夜もナイトバザールがあったり、自転車に乗る以外の楽しみもたくさんあって、今回はシンハーパークでの打ち上げもビール飲み放題と素晴らしいイベントでした。」

上野茂博さん(75才)「12年間チェンライMTBチャレンジに来ていて、毎年楽しみにしています。今年はロードに参加してみましたが、自由に走り回るのが好きなのでマウンテンバイクを持ってきたら、さすがにイベントではみんなについていくことができなかった。それでも集団で走るのがすごくて、時速40kmで走るのは初めて。集団走行の楽しみを感じることができた。チェンセーンの焼き餃子がとても美味しかった。90才までは走りたい!来年も参加します。」

参加者皆で記念撮影。楽しい2日間で皆友人に参加者皆で記念撮影。楽しい2日間で皆友人に 浦野篤さん「チェンライマウンテンバイクは参加8年目です。国内にもイベントは沢山ありますが、ほとんど経験してしまいました。海外に行く機会ってなかなか無いものですが、このチェンライのイベントは海外で存分に走る経験をさせてもらえる貴重な経験ですし、スケールが大きくて走っていてとても楽しいです。毎年参加しているのは、新しい発見が毎回あるからなんです。日本で山を走ってても水牛には会えないですよね(笑)。村を通る時、子ども達が手を振ってくれることも幸せに感じます。自転車を通じてこういう経験ができるってのがいいし、毎年子ども達が待っていてくれると思うと、来年も行こう!と思えてくるんです。」

小林さん「子どもと一緒に参加したのでチャレンジコースを走りましたが、普段とは違う雰囲気を楽しめました。なによりも家族と一緒に走れたことが良かったです。」


日本の主催者の笹忠之さん(R1ジャパン)
「イベントを立ち上げた背景に、1990年代まで日本人にとってタイは、バンコクやプーケット、北部ではチェンマイしか馴染みがなかったという状況がありました。特にチェンライは大麻のイメージがあって悪かったのですが、スポーツイベントを作って人が集まる場所にしたいという思いが私の中にあり、それが政府観光庁の思惑とリンクしたんです。

日本の主催者である笹忠之さん(R1ジャパン)日本の主催者である笹忠之さん(R1ジャパン) チェンライに来て感激したのは、国際空港から市内までたったの15分、市内から10分も走ったら山川の大自然が溢れているという素晴らしい環境でした。当時は未舗装路が多かったのでマウンテンバイクが適してると思い、MTBのイベントを作りました。最初は日本からの参加者はたったの10人だったけれど、口コミがどんどん広がり、今では毎年の参加者が130人まで増える海外屈指のイベントになりました。 基本的には町おこしを目的にしており、できるだけ多くの人にチェンライを知って欲しい、シンハーパークにもっと多くの日本人に来て欲しいという思いでシンハーパークをスタート/ゴールにしました。

昨年からは様々なイベントを作っていきたいという方向に変わり、テストケースでフォーマットを2dayから1dayに変え、ロードイベントを増やしました。来年は2月1日~2日に開催したいと思っています(予定)。参加者の方には、「ロードやマウンテンバイクはこうじゃないといけない」という先入観をぜひとも無くして欲しいと思っています。ここにきたら自転車の楽しみ方が沢山ある事に気づけると思います。とにかく一度来てみたら、自転車イベントのために海外に行くというハードルの高さがなくなりますよ。」


SINGHAチェンライチャレンジは、チェンライの優しい大自然を楽しめて、初級者でも参加できるコースです。また普段はロードバイク乗りでも、マウンテンバイクに挑戦できる絶好のイベントです(チャレンジコースがお薦め)。レストランでの打ち上げパーティ、大会限定ジャージのプレゼント、お値打ちな参加費なども特筆すべきことでしょう。

ハワイなど海外の有名なライドイベントはあるけど、殆ど知られていない場所だからこそ非日常が楽しめるのがこのイベントの良さかもしれません。新城幸也や山本幸平選手など、トップ選手とファミリーのようになれることもこのイベントの醍醐味です。みんなが仲間になれる、そんなアットホームなイベント「SINGHAチェンライチャレンジ」。ぜひ来年はあなたも参加してみませんか?

■2020年は内容をアップデートして本格開催

ロード部門
2019年は難易度の低いコースでレース形式でなく開催されたが、1月後半または2月前半開催として2日間の大会となる。上級のエリートクラスは新城幸也選手らの練習コースである320kmルートを2日間で走るレース。チャレンジクラスは2日間で200km程度で開催予定。スタート&フィニッシュ地点はSINGHA PARK。

マウンテンバイク部門
ロードと同様に2日間開催。過去長きに渡って開催されてきた人気大会「チェンライ国際MTBチャレンジ」のコースレイアウトも加味し、SINGHA PARKスタート&フィニッシュで、エリート、チャレンジクラスでコース難易度も変えて開催される予定だ。

report: 宮澤崇史/Takashi Miayazawa
photo:Wanchai Phutthawarin
取材協力 :タイ国政府観光庁
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