11月初頭に台湾で開催された「RCCサミット」を、アテンド役を務めたRapha Japanの三井裕樹さんによる手記でレポート。イベントの模様やRapha Cycling Clubについて、全世界に1万人以上のメンバーを抱えるグローバルクラブだから得られる体験を紹介します。



今回レポートを寄せてくれた三井裕樹さん(Rapha Japan)今回レポートを寄せてくれた三井裕樹さん(Rapha Japan) 読者の皆様、初めまして。Rapha JapanでRCCを担当している三井裕樹と申します。RCC?それってなに?と思う方も多いでしょう。Raphaというブランドの中にはRapha Cycling Club(ラファサイクリングクラブ)と呼ばれるグローバルなサイクリングクラブがあり、その通称がRCCです。現在、全世界に13,000人以上のメンバーがおり、日本国内ではおよそ800人、それぞれが自身のライディングスタイルに合わせたライドを思う存分楽しんでいます。

私の仕事は、そのメンバーへライドやイベントを提供することと、メンバーからのリクエストをコーディネートすること。「今度この場所を走りたいのですが、良いルートはないですか?」「このイベントに出て完走したいのですが、どうしたら良いですか?」etc… メンバーの自転車に関する全ての相談に応えられるように努めています。

メンバーになるには、rapha.ccかクラブハウスと呼ばれる直営店で年会費を支払うだけ。年会費と聞いて一気に敷居が高くなったと感じたあなた、少々お待ちください。以下のレポートを読んでからでも、クラブへの入会は遅くありません。

東京、千駄ヶ谷にあるRapha Cycle Club Tokyo東京、千駄ヶ谷にあるRapha Cycle Club Tokyo 大阪駅から徒歩圏内に位置するRapha Osaka大阪駅から徒歩圏内に位置するRapha Osaka (c)Rapha


今回は、先日台湾で開催されたRCCサミットウーリンの模様をレポートしましょう。RCCサミットは年に一度開催される、全世界のRCCメンバーを招いたサイクリングトリップです。しかし、サミットの名が示すようにメンバー同士のコミュニケーションも重要なパートであり、ライドだけではなく、食事、美味しいお酒、この週末は全てをお互いに共有するのです。

日本から帯同したスタッフは3名。私とRapha Japan代表の矢野、またマーケティングスタッフの窪田でライドリードをメインとしたサポートを担当しました。

バスでホテルにやってきたメンバーはまずチェックインへバスでホテルにやってきたメンバーはまずチェックインへ photo:Jacob Parkバイクの組み立てをスタッフがサポートバイクの組み立てをスタッフがサポート photo:Jacob Park

期間中、バイクは専用のスペースで綺麗に保管される期間中、バイクは専用のスペースで綺麗に保管される photo:Jacob Park早速初日のライドへ。ペースに合わせてグループを作る早速初日のライドへ。ペースに合わせてグループを作る photo:Jacob Park


台湾と聞いて自転車の国、というイメージを持つ方も多いはず。大きなバイクブランドがあるし、ちょうど時期を同じくして台北バイクショーも開催されていました。そしてなにより、標高3,250mまで一気に駆け上がる世界最大のヒルクライムレース、台湾KOMチャレンジが開催される国としても有名で、今回のRCCサミットは、そのゴール地点であるウーリンまで登るルートが用意されていたのです。

開催期間は11月2日(金)から5日(月)までの4日間。日本では冬の始まりも感じられますが、台湾ではTシャツ一枚で過ごせる気候。今回はその台湾のほぼ中心地、日月潭(サンムーンレイク)という湖が開催地でした。台湾桃園国際空港からシャトルバスで3時間、もちろん参加費にこのシャトルバスも含まれています。

前日から台北に入り観光を楽しんでいた日本メンバー9名も空港でジョインし、昼過ぎにサミットのベースとなるホテルデルラーゴに到着。まずはチェックイン、これからのスケジュールを全てチェックすると共に、別のトラックで運んだ大切なバイクを組み立て直しに行きます。ちなみにこのサミットの期間中は、地元のジャイアントのメカニックが常時滞在。電動コンポが断線しようと、エンドハンガーが曲がろうと、必ず走れるようにしてくれます。

台湾らしい街並。このグリーンのジャージは参加者のみ入手可能台湾らしい街並。このグリーンのジャージは参加者のみ入手可能 photo:Jacob Park
 このトロピカルな木々が台湾にいることを思い出させる このトロピカルな木々が台湾にいることを思い出させる photo:Jacob Park戻って来たらバイクは明日のためにすぐにクリーニングされる戻って来たらバイクは明日のためにすぐにクリーニングされる photo:Jacob Park

初日のディナーから新しい仲間ができる初日のディナーから新しい仲間ができる photo:Jacob Parkもちろんバーもご用意もちろんバーもご用意 photo:Jacob Park


長時間バスで揺られて、重くなった足を回復させるにはなにが一番か。そう、もちろんすぐにライドに向かうのです。この日は日月潭の周りを回る30kmほどのライド。各ライドリーダーが10名ほどのグループを作り、時間差でスタートしていきます。そこで早速気づくのが、道路の右を走るということ。それだけで“海外”を走っている気になります。また台湾では、道路が安全な限り二列で走ります。道も広いし、車も非常に優しい。私個人の感覚では、いわゆるサイクリストを危険にする場所では絶対に抜こうとしなかった。日本人が二列走行に慣れるには最適なライドでした。

戻ってきてのディナーは、メンバー同士がやっとお互いに話せる初めてのタイミングに。なんと今回の参加メンバーは過去最大の116名。19ヶ国から集まってきたメンバーは早速新しいコミュニティを作り始めます。過去に東京を訪れ、一緒に走ったメンバーとの再会もありました。それが自転車の良いところ。言語が違ってもサドルの上で時間を過ごせば、みな同じサイクリストです。

この日は少しだけ距離を伸ばして山の方へこの日は少しだけ距離を伸ばして山の方へ photo:Jacob Parkサポートカー(ジャガー!)が常に帯同。ドリンクが無くなっても安心サポートカー(ジャガー!)が常に帯同。ドリンクが無くなっても安心 photo:Jacob Park

登りの途中にある激坂にみなチャレンジ登りの途中にある激坂にみなチャレンジ photo:Jacob Parkランチを待っている途中も、お互いと話すチャンスランチを待っている途中も、お互いと話すチャンス photo:Jacob Park

ヒルクライムチャレンジ。一定間隔でメンバーがスタートしていくヒルクライムチャレンジ。一定間隔でメンバーがスタートしていく photo:Jacob Parkこの応援があったら足を緩めるわけにいかないこの応援があったら足を緩めるわけにいかない photo:Jacob Park


土曜日は少し距離を伸ばした、12kmの登りがハイライトとなるライド。ショートとロングの2パターンが用意されていましたが、メンバーは明日のウーリンに向けて若干“セーブ”モード。人に釣られるようにショートを選ぶメンバーが多数。それでもトロピカルな景色を思う存分楽しんで、満足な表情で帰ってきたメンバーが印象的でした。夕方にはホテル近くの1.1kmの登りを利用したヒルクライムチャレンジを開催。30名ほどがサインアップし、もちろん日本人も積極的に参加。沿道には応援のメンバーもたくさん集まり、その声でとにかく盛り上げる。参加者はプロサイクリストがどんな気持ちでレースをしているのか、少しだけ感じられたのではないでしょうか。

いよいよウーリンに登る朝がきたいよいよウーリンに登る朝がきた photo:Jacob Parkスタッフ一同にも気合いが入るスタッフ一同にも気合いが入る photo:Jacob Park


さて、とうとうこの日がやってきます。標高3,250mまで一気に駆け上がる最終日。もちろん日本でこれほどの登りを経験できる山はありませんし、それが海外を走る醍醐味の一つです。前日のブリーフィングでも若干の緊張感が漂うこのライド。すでに諦め気味のメンバーもいれば、モチベーションが高すぎるぐらいのメンバーも。アテンドするこちらも絶対に無理はさせないよう気を使いながら、可能なぎりぎりの範囲で皆を頂上まで連れて行くプランでした。ペースによって綿密にグループを形成、ゆっくり進むグループほど早い時間にスタートします。

まず最初の17kmは下り基調。標高800mのスタートから460mまで下がって行きます。実は今回のルートは、台湾KOMチャレンジの反対側から登るルート。KOMと違って海抜0mからでないのが救いですが、それでも下りきったあとは55kmの登りが続く十分すぎるほどのルートです。

最初は下り基調最初は下り基調 photo:Jacob Parkさあここから未知の登りが始まるさあここから未知の登りが始まる photo:Jacob Park

一気に道の雰囲気が変わる一気に道の雰囲気が変わる photo:Jacob Park
途中にいくつかのフィードゾーン(補給所)が設置され、バナナ、水、ナッツ類、バーやジェルなど走り切るために必要なものがそこにある。

もはや自分との戦いである。ライドリーダーは少しでも余裕のなさそうなメンバーを見つけては、声をかけ、励まし、必要なものを渡す。きつくなっては止まり、また走り出す。頂上が近づくと視界が広がり、フィニッシュは見えてくるのですが、距離が長いだけあってなかなか近づかないのです。一生とも思える時間が過ぎ去っていくかのようでした。

最初はカーブのゆるいスイッチバックが続く最初はカーブのゆるいスイッチバックが続く photo:Jacob Park登りの途中、数カ所でフィードゾーンを用意登りの途中、数カ所でフィードゾーンを用意 photo:Jacob Park

残り10kmを切ると言葉で表せられない景色に残り10kmを切ると言葉で表せられない景色に photo:Jacob Park
当初はほとんどのメンバーがフィニッシュに辿り着けないと予想していたものの、実際には正反対の結果に。多くのメンバーが山頂の素晴らしい景色を堪能することができた。帰りはサポートカーで山を下り、途中でバスに乗り換え、一瞬の休息を味わいホテルに到着。帰って来てしまうと、本当にあんなに高いところに自転車で登ったのだろうかと、誰もが夢をみているような感じでした。

RCCサミットの期間中、必要な補給食、ドリンクは全て用意されています。もちろんライド中のサポートカー、フィードゾーンの設置、食事、ライド後のランドリーまでケアされ、我々スタッフの中には元プロサイクリストもおり、できる限り多くのメンバーをフィニッシュラインまで走れるようにサポートします。RCCの一員として、安心して海外をライドできる、一生語れるライドをすることができる、ぜひ一人でも多くのサイクリストにこの経験をして頂きたいと思うのです。

フィニッシュが近いフィニッシュが近い photo:Jacob Park
足の攣ったメンバーをケアするスタッフ足の攣ったメンバーをケアするスタッフ photo:Jacob Parkそしてこの笑顔そしてこの笑顔 photo:Jacob Park


“海外”と聞いた時まず言葉の違いを意識する方も少なくないと思います。しかし、RCCのジャージを着ている時点で既にチームメイトなのです。もちろん完璧にコミュニケーションが取れる訳ではありませんが、自転車という共通言語が有る限りお互いに通訳はいりません。素晴らしい景色を共有したり、登りで少しだけ競い合ったり、そこには言葉を超越した時間が存在します。

ここまでのお話で、RCCに興味が湧いた(湧いてほしいな..)方は、ぜひRaphaのサイトやクラブハウスを訪れてください。専用のアプリではメンバーが参加できる各地のライドをたくさん発見できます。クラブハウスではサービスコーヒーを飲むことができ、参加したいイベントやレースの情報入手、海外でのクラブハウスではレンタルバイクのご用意があり、なによりたくさんの仲間ができます。あなたの自転車ライフをより充実させるお手伝いをさせて頂きますので、ぜひお問い合わせください。

text:Hiroki.Mitsui
photo:Jacob Park
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