日本アルプスに別れを告げたジャパニーズオデッセイのサイクリストたち。日本の原風景が残る四国の山中を制覇し、10日以上に渡るサイクルジャーニーの終着点・大阪は道頓堀にたどり着く。下城英悟さんによるレポート第3弾をお届けします。



長く険しかった日本アルプスを乗り越え、木曽谷から濃尾平野へ、国道19号線をすべりおりていく長く険しかった日本アルプスを乗り越え、木曽谷から濃尾平野へ、国道19号線をすべりおりていく photo:Eigo.Shimojo
かくして御嶽山巡礼を終えた”ジャパニーズオデッセイ”一行は、嶮しかった日本アルプスに別れを告げると、狭い木曽谷を下り、濃尾平野に出ます。名古屋も目と鼻の先の、ようやく束の間の平坦路です。そして、気持ちも新たにこの先の西日本に設けられた5箇所のCPに向け、各自ハンドルを切っていきます。

オーソドックスなルートは、関ヶ原を抜けてから奈良吉野の深部まで切り込み、大台ケ原CP(約1,600m)をこなして、大阪和歌山方面に向かい、港からフェリーで四国に渡るルートです。ほとんどのライダーはこのルートを選択します。

一方フィンランドのメッセンジャーのサミーと、スウェーデンのタフガイ、ダニエルは、琵琶湖をかすめ山陰海沿いから大回りに島根の安蔵寺山CP(約1,000m)、そして四国路を目指すルート選びで、独自のセンスを見せています。総距離を増やしてでも、交通量が少なく、開けて平坦基調な山陰ルートを選んだわけですが、選択が功を奏したようで「ようやく顔を出した日本の太陽を少しだけど満喫できた、日本海がとても綺麗だったよ!」と嬉しそうでした。そういえばサミーは、日本の秋には太陽を求めてきたんだ、と言っていました。秋に太陽を?と戸惑いましたが、夏の極端に短い北欧人ならではの、太陽への嗅覚だったのかもしれません。

西日本ステージの入り口となった奈良吉野の谷あい、日本らしさを湛えた老舗醸造所。風情と雨を感じて今日も走る西日本ステージの入り口となった奈良吉野の谷あい、日本らしさを湛えた老舗醸造所。風情と雨を感じて今日も走る photo:Eigo.Shimojo
スウェーデンのメッセンジャー、サミーは北欧人ならではの太陽への嗅覚を発揮して山陰を目指し、太陽を引き当てたというスウェーデンのメッセンジャー、サミーは北欧人ならではの太陽への嗅覚を発揮して山陰を目指し、太陽を引き当てたという photo:Eigo.Shimojo第2週目も、結局晴れる日は少なく、飽和した水分で山には霧が巻いていた第2週目も、結局晴れる日は少なく、飽和した水分で山には霧が巻いていた photo:Eigo.Shimojo


めいめいの方法で海を渡った四国路。CPが3つ設定され、言うなれば”ジャパニーズオデッセイ”西日本ステージのハイライトです。GPS情報を頼りにライダーを捜索していた私ですが、不安定で精度が出ず、機械頼りの追跡が困難になっていました。そこでやむなく作戦転換します。CPのある徳島の剣山(約1,400m)、高知の天狗高原(約1,400m)、愛媛高知県境の篠山(約600m)は、いずれも国道439号からのアプローチになるはずなので、待てば誰かは来るはずと、我慢の待ち伏せ作戦を展開しました。

四国の脊梁山塊群を貫通する古い国道439号は、通称ヨサク(与作)なんてイナたい愛称がつくのも納得できる、日本の原風景的情緒を色濃く残しています。日本列島の形成を示す中央構造線断層ラインに沿っていて、地理学的にもその筋で人気のルートです。まいどの余談はさておき、待ち伏せ作戦。陣取った狭い国道沿いの路肩でしたが、待てど暮らせど、なかなかライダーの影が見えてきません。

撮れ高もなく夕暮れが迫ると、徒労感がひどく、さすがに失意の底に沈みかけます。ただ落ち込んでいても仕方ないので、いつ彼らが現れてもいいようカメラを傍に置きながら、絵になる風景を渉猟することにしました。目を皿のようにして異国のサイクリストが見るかもしれない美しい日本の風景を探して、のろのろ車を転がします。

西日本ステージの幕開け、大台ヶ原山CPへの登坂。標高はさほどないが、入り組んだ谷あいの地形に切り込むため簡単ではない西日本ステージの幕開け、大台ヶ原山CPへの登坂。標高はさほどないが、入り組んだ谷あいの地形に切り込むため簡単ではない photo:Eigo.Shimojo
四国は何度となく訪れていて、遍路道を歩いた経験もあり、少しは土地を知ったような気でいました。さらに曲がりなりにもカメラマン、綺麗な景色、絵を切り抜くことには、良くも悪くも慣れています。その慣れをもって、美しい景色を切り取ろうとします。

ところが、誰もいない四国の山道でカメラを構えながら、そこに見知らぬ美しい景色が溢れていることに慌てました。カメラマンとして、国内外問わず多くの美しい風景に出会ってきました。それでも慣れや惰性で写真を撮るには、失礼に値うような風景が次々現れます。自然の造形と人間の営みが、山間地で時間をかけて築いてきたコントラスト、その日本ならではの美しさに、あらためて嘆息します。知らない道や風景を、知らない光が照らし出し、大げさですが美しさが溢れています。

思えば当然のことです。知らないはずもないのです。灯台下暗しといいますが、”ジャパニーズオデッセイ”で異邦人のサイクリストたちを追いながら、彼らが走り、追い求める日本の美を、逆に提示された、ということでしょう。ありがちな話ですが、当たり前すぎて自分の暮らす土地のことを、よく知り得ていないのだ、と少々うな垂れます。

急峻な山間の集落、昔話のような日本の風景は、ライダーたちが追い求めた景色でもあったようだ急峻な山間の集落、昔話のような日本の風景は、ライダーたちが追い求めた景色でもあったようだ photo:Eigo.Shimojo国道439号、通称ヨサクは、細く入り組んで四国を東西に横断する。厳しくも豊かな自然と人の営みを感じさせるルートだ国道439号、通称ヨサクは、細く入り組んで四国を東西に横断する。厳しくも豊かな自然と人の営みを感じさせるルートだ photo:Eigo.Shimojo


「写真で観たり、本を読んで感動した日本を旅したいと強く思って”ジャパニーズオデッセイ”を企画したんだ。去年、日本を旅して本当に素晴らしい国だと思った、2度目の今年も同じだよ。何度でも旅して、もっとこの道と、文化に浸りたいんだ。」

主催者のフランス人エマニュエルが言っていたことを思い出します。日本に暮らす日本人の自分でさえ知らない、誇るべき美しさがこの国には溢れているようです。そして、自転車は改めてそれを教えてくれる優れた道具だと気づきます。自転車でもっと出かけなければいけない理由を、異邦人サイクリストたちから学んだ、2016秋でした。

いよいよ旅も大詰めとなってきましたが、多くのライダーが四国を走っていたのは出発10日目あたりで、タイムリミットまで実はまだ4日もあります。GPS情報によれば10日目には最速男、英国人のトムが道頓堀にゴールする勢いでやはり驚きます。私は四国の山間で相変わらずライダーを待っていました。

多少の登りであれば、TTポジションでこなしてゆく。シマノのDi2で、シフティングのストレスも軽減している多少の登りであれば、TTポジションでこなしてゆく。シマノのDi2で、シフティングのストレスも軽減している photo:Eigo.Shimojo
暗闇の山間で待ち続け、ようやく現れたのはスウェーデンのダニエルだった。数日前から左目に不調を抱えていた暗闇の山間で待ち続け、ようやく現れたのはスウェーデンのダニエルだった。数日前から左目に不調を抱えていた photo:Eigo.Shimojo好きな補給食はおにぎりだというダニエル好きな補給食はおにぎりだというダニエル photo:Eigo.Shimojo


何人かとの合流に失敗し、夜になりこの日を諦めてかけていたところ、暗闇に揺らぐ狐火!いや、現れたのはスウェーデンのダニエルでした。西回りルートを選んだ彼は、四国最後の剣山CPに向かう漆黒の山道を、ハブダイナモを使用した大光量ライトとヘッドランプで、果敢に登って行きます。9つのCPを越えてきてなお、ダンシングは力強く脚に衰えは見えません。ただ左目がひどく充血しています。コンタクトと干渉して痛めてしまったそうで、昼は光が差すと眩しく沁みるから、夜の方が楽なんだと言います。

旅も終盤、メカトラや怪我でリタイアした数名の情報もキャッチしていたので、夜の峠道、危険回避の多少のアシストになればと、撮影しつつ車でリードアウトします。そして、自販機休憩中に、旅の話などを訊きました。

ダニエルは、欧州のハードコアレースTCR(※1)の完走者でもあるツワモノランドヌールです。TCRはレース形式なので、今回とは違い競争です。そのレースで総合順位が350人中23位!そんな彼の自転車や装備には、ロングライドのノウハウが詰まっています。ここまでの道のりのほとんどを、簡易キャンピングでこなしてきたそうですが、日本はコンビニもベンダー(自販機)もあるし、食事もおいしいし、道も走りやすいよ、と好きだというおにぎりを頬張りながら言います。国道439も走りやすい、と…。しかし、もし彼がロンドン~イスタンブール間を走る、過酷さの程度さえ想像できないTCRのようなレースと比較して話しているとなると、その意見全然参考にはならないでしょう。向こうはコンビニもベンダーも皆無ですから。

英国人のダンカンは、競技者として、またランドヌールとしての長く豊かな経験に裏打ちされた独自のサイクリング哲学をもつ英国人のダンカンは、競技者として、またランドヌールとしての長く豊かな経験に裏打ちされた独自のサイクリング哲学をもつ photo:Eigo.Shimojoタスマニア在住の英国人スチュアート。今大会の最長ルートは間違いなく彼だった。やり遂げた男の顔にネオンが滲むタスマニア在住の英国人スチュアート。今大会の最長ルートは間違いなく彼だった。やり遂げた男の顔にネオンが滲む photo:Eigo.Shimojo今回、TCRのような長期間の超長距離レースを完走するようなシャレの効かないハードコアサイクリストが他にも数名いました。たった10日でゴールした英国人トムや、タスマニアのスチュアートなど、プラハ在住のダンカンなど、連日300km超走るようなそのパフォーマンスは、実際超人めいています。その一方で、自転車と旅について彼らと交わす言葉は、どこか普遍性に満ちて示唆的で、哲学的な響きさえ持っているのが印象的でした。

ダンカンは、欧州マスターズクラス3位ととんでもない経歴の持ち主ですが、超ロングライドの心得三か条というのを教えてくれました。

1、メンタルコントロール=精神修養
2、ルートファインディング=ルート策定
3、トラブルソリューション=問題解決

非常にシンプルですが、実践には深い洞察と、決断を要します。肉体はともかく、メンタル、心が最も大事なんだ、そして、とにかく前へ、前へ進むんだ!と口がすっぱくなるまで私にといてきます。”なぜ自転車に乗るのか?”という大きな問いの答えを持つ、マスタージェダイ級(※2)のサイクリストたちと触れ合えたのも、この旅の大きな収穫でした。

長かった”ジャパニーズオデッセイ”の旅もいよいよ終わりを告げようとしています。最終タイムリミットは10月1日正午ですが、トムがゴールした10日目の9月27日から、21名の参加者のうち、すべてのCPをクリアした9名が、ごった返す大阪道頓堀に、五月雨式にゴールしてきました。

先にゴールした者たちは、SNSで情報をキャッチして、ご褒美のビールを持って出迎えています。ゴールする者と出迎える者が、ハグしあったり、旅の武勇伝を語り合ったりしています。怪我やメカトラなどトラブルがあった数名も元気で、完走者を祝福するために出迎えていたいので、こちらも一安心です。

明け方の大阪にたどり着いたパスカル、タイラー、ジプシー明け方の大阪にたどり着いたパスカル、タイラー、ジプシー photo:Eigo.Shimojo最後の安蔵寺CPから広島を経て、夜通し350km近くを走り、明け方の道頓堀にたどり着いた4人。彼らを迎えるグリコマン最後の安蔵寺CPから広島を経て、夜通し350km近くを走り、明け方の道頓堀にたどり着いた4人。彼らを迎えるグリコマン photo:Eigo.Shimojo

SNSで逐一情報をチェックし、ゴールする者は皆で出迎えに行くSNSで逐一情報をチェックし、ゴールする者は皆で出迎えに行く photo:Eigo.Shimojoフランス人デザイナー、パスカル。約束の地、道頓堀の橋の上で、それぞれ胸に去来するものを噛み締めているようだったフランス人デザイナー、パスカル。約束の地、道頓堀の橋の上で、それぞれ胸に去来するものを噛み締めているようだった photo:Eigo.Shimojo


皆日本橋以上に、子供のような輝く目ですが、旅の途上の疲労と緊張のためか、ゴールしてもしばらくは表情が強張っています。それは少し恐い印象さえあります。仲間と話し、家族に連絡して祝福の缶ビールを少し飲み、名物グリコマンの鮮やかなネオンライトの下、数時間の放心の時を過ごすと、ようやく真に和らいだ表情を取り戻していきます。連日の過酷な道行きを過ごし、彼らの感覚が日々鋭敏に、ナーバスになっていく印象は常々ありました。この旅は、美しくありますが、同時に危険も孕む極度の緊張の下にあることを表していたと思います。

さて終わってみて、当初日本橋で感じた日本人が1人もいなかったことへの一抹の疑念や寂しさは、どこかへ消し飛んでいました。帯同取材してみて、”ジャパニーズオデッセイ”が、”外国人の外国人による外国人のためのジャパニーズバイシクルジャーニー”なのだ、ということがよくわかりました。

旅を共に過ごしたスティーブンとタイラーが交わす固い男の握手旅を共に過ごしたスティーブンとタイラーが交わす固い男の握手 photo:Eigo.Shimojo
これは日本人を排除しているという意味ではありません。土地勘も言葉もままならない異国の地を、日本の自然から与えられた条件をクリアしながら、旅の終わりを目指すのは、私たちが勝手知ったる母国で走るのとは異質のものである、という意味においてです。

思えば、誰も日本語を話せないのです。心から冒険を求め、嬉々として走っている姿が思い返されます。同時に感じたのがインスタグラムやフェイスブックなどのSNSを介して、日本のみならず世界中の人々が”ジャパニーズオデッセイ”に熱い視線を注いでいたことです。東京オリンピックを前に、折しもジャパンツーリズムへの関心が世界的に高まっています。国内でも、海外旅行者をアテにするインバウンドやらのキーワードが話題が上がらぬ日はありません。そういった点でも、日本のサイクルツーリズムにとって、とても興味深いイベントでした。

大きな事故も怪我人もなく、無事に道頓堀に集えたことで、オルガナイザーの2人にもようやく安息の時が訪れた大きな事故も怪我人もなく、無事に道頓堀に集えたことで、オルガナイザーの2人にもようやく安息の時が訪れた photo:Eigo.Shimojoドイツ人フォトグラファーのカルロス。母国のライカ社のサポートを受け撮影した今回の写真の発表も実に楽しみですドイツ人フォトグラファーのカルロス。母国のライカ社のサポートを受け撮影した今回の写真の発表も実に楽しみです photo:Eigo.Shimojo

世界中12カ国から集まったいい歳したおっさん達だが、皆子供のようにはしゃぎあっていた世界中12カ国から集まったいい歳したおっさん達だが、皆子供のようにはしゃぎあっていた photo:Eigo.Shimojoカメラを向ければ、皆、なんとも言えない笑顔で返してくれる。この期に及んで笑顔も”BE PREPARED(準備万端)”だカメラを向ければ、皆、なんとも言えない笑顔で返してくれる。この期に及んで笑顔も”BE PREPARED(準備万端)”だ photo:Eigo.Shimojo

20インチのダビッドだけ欠いてしまいましたが、無事旅が終わった20インチのダビッドだけ欠いてしまいましたが、無事旅が終わった photo:Eigo.Shimojo
来年のことを話すと鬼が笑うと言いますが、道頓堀で来年のプランについてエマニュエルに質問してみました。

もちろん開催するつもりだけど、それ、今訊くの?
......当然ですね、お疲れのところすみません。二人で仕切ってるんですもんね…。

10月1日正午、今年の”ジャパニーズオデッセイ”はタイムリミットを迎えました。達成感と連帯感に満ち溢れた勇者たちが、道頓堀の橋の上、缶ビール片手に語らっています。ふと誰かが言いました。

ダヴィッドはどうした?

そう、ダヴィッド!唯一の20インチ小径車で参加したあのダヴィッド・ボニチャです。どうやら彼はまだ”ジャパニーズオデッセイ”を走っているようです。主催者発表では道頓堀間近のところまできているそう。タイムリミットは過ぎていますが、そんなことは関係なく栄誉ある完走者として讃えられるはずです。
大団円フィナーレを迎える中、私は最後の皆の集合写真を撮りながら、来年は自転車乗って参加したいなあ…などと、夢のようなことを考えていました。おいおい、ホンマでっか?と頭上でグリコマンが訝しがった気もします。ともかく来年が待ち遠しいです。

風雨にさらさても、悪路でも、この地を目指し走り続けたライダーたち。彼らを支えた自転車も、満身創痍だった風雨にさらさても、悪路でも、この地を目指し走り続けたライダーたち。彼らを支えた自転車も、満身創痍だった photo:Eigo.Shimojo最終日10月1日の正午、タイムリミット前。ゴールしたもの達も、あらためて道頓堀に集う。見慣れない自転車達に衆目が集まっていた最終日10月1日の正午、タイムリミット前。ゴールしたもの達も、あらためて道頓堀に集う。見慣れない自転車達に衆目が集まっていた photo:Eigo.Shimojo

旅の道具達も、二週間を経ていい顔になっていました旅の道具達も、二週間を経ていい顔になっていました photo:Eigo.Shimojo
追記

”ジャパニーズオデッセイ”をもっと知りたい方は、SNSのインスタグラムやフェイスブックにて、#japaneseodysseyで検索してみると、ライブ感ある旅の軌跡を追えますので、よろしければどうぞ。また、日本人の参加に対しては、前例がないだけで開かれていないということではないようです。挑戦されたい方は英語の応対となりますがHP経由などで問い合わせてみると、オルガナイザーのエマニュエルが親切に応対してくれるはずです。

text&photo:Eigo.Shimojo



※1_”トランスコンチネンタル・レース”
通称TCR。欧米では近年、長期間に超長距離を走るスーパーロングライドイベントが人気を博している。その代表格”トランスコンチネンタル・レース”(以下TCR)は、その最大のレースにして最良の成功例となっている。

レース期間は14日間、総走行距離はおよそ3,500~4,000km、累計獲得標高は40,000m前後の超ロングタイムTTレース。補給、機材メンテは、全て自身の現地調達に委ねられ、サポートは許されない。簡単に出走/完走できる代物ではないが、2013年に30名程度で初開催されて以来、たった4年目の今年は350名の参加者を集めるまで急成長しており、人気のほどは鰻登りである。

参考までに初年のルートは、英国ロンドンをスタート、トルコはイスタンブールにゴールだった。CPは4箇所と少ないが、それゆえにルート設定が明暗を分ける。さて、”ジャパニーズオデッセイ”ですが、2回目開催での海外からの注目度の高さから、すでに何やらポテンシャルを感じることができます。

※2_マスタージェダイ級
映画スターウォーズに登場する、見えないエネルギー”フォース”を操る超能力導師を指す名称がマスタージェダイ。