目黒誠子さんによる、アデレードのスポーツバイク事情をお届けするレポートの第2弾。今回はオーストラリアでも有数の規模を誇るバイクショップと、そのショップが主催するライドの様子をご紹介!



豪州屈指の規模を誇るバイシクルエクスプレス

ハリファックス通り沿いに建つバイシクルエクスプレスハリファックス通り沿いに建つバイシクルエクスプレス photo:Seiko Meguro
オーストラリアダウンヒルチャンピオンのクリス・ディンベル氏。マウンテンバイクのモーニングライドを主催。オーストラリアダウンヒルチャンピオンのクリス・ディンベル氏。マウンテンバイクのモーニングライドを主催。 photo:Seiko Meguroパリールーベ観戦ツアーも率いるスティーブンさん。とってもフレンドリーで親切!パリールーベ観戦ツアーも率いるスティーブンさん。とってもフレンドリーで親切! photo:Seiko Meguro


オーストラリアで二番目のフロア面積を誇る「バイシクルエクスプレス」は、昨年夏に改装されたばかりのきれいで開放的な店内。その広さは800スクエア平方メートル。約200台ものバイクがならび、ロードバイク、クロスバイク、マウンテンバイク、キッズ用バイク、レディス用バイクと、上級サイクリストから中級、ビギナー、子供まで、あらゆる客層に対応、多くの人に親しまれています。

バイシクルエクスプレスがオープンしたのは22年前。スポーツバイクの人気の高まりとともに徐々に拡張し続け、今ではオーストラリア2番目の広さを誇るほどになりました。ツアー・ダウンアンダー開催時には、トレックのサイン会が行われたり、カデル・エヴァンスやジャック・ボブリッジがふらりと店に訪れたりしたこともある、アデレード随一のバイクショップなんです。(ホームページはこちら

いつも人々で賑わう。開放的で入りやすい雰囲気いつも人々で賑わう。開放的で入りやすい雰囲気 photo:Seiko Meguroやはりオーストラリア国籍のオリカのジャージが多いですやはりオーストラリア国籍のオリカのジャージが多いです photo:Seiko Meguro


開放的で美しい内部開放的で美しい内部 photo:Seiko Meguro
ロードバイクから街乗りまで。こんなお花柄の自転車も!ロードバイクから街乗りまで。こんなお花柄の自転車も! photo:Seiko Meguroワークショップも整然とされていてプロフェッショナル。ワークショップも整然とされていてプロフェッショナル。 photo:Seiko Meguro


なんとアデレード出身の金メダリストたる、スチュアート・オグレディもたびたびショップに訪れるそう! お客さんとの距離も近く、ショップ主催で「パリ~ルーベ」観戦ツアーも開催されているんだとか。

スタッフのスティーブンさんは「プロ選手がたびたび訪れてくれるのもありがたいし、お客様との距離が近いことは僕たちにとって最もうれしいこと。バイクのメンテナンスから普段のライド、仕事のこと、家族の話題まで、いろんな話をするからほんとうにファミリーみたいなものだよ。」と話してくれました。

オーストラリア滞在中、自転車のメンテナンスに度々お店に伺いましたが、スタッフ全員、みんながフレンドリーで親切な対応をしてくれました。いつも人々で賑わい、笑顔が絶えない明るい店内。スティーブンさんの話にあるように、人々から愛され続ける理由は、ハード面だけではなく、おもてなし精神あふれるソフト面にもあるようです。アデレードに行ったらぜひ訪れたい場所です。

バイシクルエクスプレス主催のビギナーズライドに参加

はじめての参加でもすぐに打ち解けられる雰囲気。みんなフレンドリーです。はじめての参加でもすぐに打ち解けられる雰囲気。みんなフレンドリーです。 photo:Seiko Meguro
バイシクルエクスプレスではバイクライドも積極的に開催しています。毎週土曜日朝には全部で3つのライドが開催されます。ダウンヒル・オーストラリアチャンピオンのクリス・ディンベル氏による「マウンテンバイクライド」、ショップスタッフのキャロラインによる中級者向けの「キャロラインライド」、それにロードバイク初心者向けの「ビギナーズロードライド」です。私は初心者向けの「ビギナーズロードライド」に参加しました。

バイシクルエクスプレスのかっこいいジャージを着たクリスが主催バイシクルエクスプレスのかっこいいジャージを着たクリスが主催 photo:Seiko Meguro朝日を浴びながらのモーニングライド朝日を浴びながらのモーニングライド photo:Seiko Meguro土曜日の朝7時半。ハリファックス通りにあるバイシクルエクスプレス前に集合したのは8名の女性サイクリスト。普段のモーニングライドは予約をする必要がなく、当日の朝バイシクルエクスプレス前に集合すればよいのですが、今回の「ビギナーズロードライド」はちょっと違いました。参加者皆がロードバイク初心者向けであるのには変わりはありませんが、集まったのはみんな30代以上の女性となります。

「自転車に興味があり、乗りたい、と思っているけれど自信がない」という女性向けに、ショップやホームページ、フェイスブックを通じて事前に申し込みが行われていました。(とは言え飛び込みも可能)「バイクライドに自信を持ってほしい」という思いから開催されているこのライドは全2回、実践型レクチャー形式で行われています。

内容は、ロードバイクの基本的な乗り方、ギアチェンジの仕方、グループでの走り方、並んでの走り方、坂道の上りくだりの注意事項など、安心してロードバイクに乗るための基本的なスキルが学べます。出発前にクリスからその日の目標と目的地の説明があり、さっそく出発!

この日はバイシクルエクスプレスがあるハリファックス通りを東へ約5キロ、ヴィクトリアパークを抜けたグリーンヒルのふもとが主な目的地。車通りの少ない閑静な住宅地の中の、ゆるやかなループを周回しました。ビギナー向けの「のぼり、くだり」の練習にはもってこいの場所です。坂道を登りきることができなくても安心です。たとえ一周でももちろんOK!

「登りきれなくても恥ずかしいことでもないし、自信をなくすことでもないわよ。最初は誰だって不安なのだから。」途中、何度か停車してクリスからの説明があるので、わからないことや不安なことはすぐに聞けます。

クリスがギアの説明をしてくれますクリスがギアの説明をしてくれます photo:Seiko Meguro
ゆるやかなループでのアップダウンのあとは、ヴィクトリアパークへ移動します。自転車を楽しむために必要なのは、バイクコントロールやペダリングといったスキルだけではなく、周囲の交通状況を把握する危機管理能力がとっても大切になります。そんなこともこのライドでは教えてくれました。

並んで走っていきます並んで走っていきます photo:Seiko Meguroカフェライドはどこの国でも最高ですね!カフェライドはどこの国でも最高ですね! photo:Seiko Meguro朝から気持ち良いライドを楽しめました朝から気持ち良いライドを楽しめました photo:Seiko Meguroヴィクトリアパークでは、犬を散歩させている人がいました。しかしリードでつながれていません。「リードでつながれていない犬は危険。どんな動きをするか飼い主はコントロールができないから。ああいうときは絶対そばを自転車で走ってはダメよ。」犬が飛び出し、それを避けようとしたサイクリストが事故にあった事例を出し、参加者に注意喚起します。

ヴィクトリアパークは、ツアー・ダウンアンダー女子レースのクリテリウムも行われた平坦な地形。今度はグループで先頭交代をする練習です。順々に先頭交代し、まるでプロトンを走っている気分!先頭交代のあとは、並んで走る練習です。隣を走る人の肩に手を乗せ、片手運転の練習をしました。最初はできなかった人も、二回目の今日は「やった! できた!」と声があがります。

「大事なのは自転車に乗ることへの自信を持ってもらうこと。自転車へ興味をもつ女性は多いの。でも自信がない女性に対して、ちょっとしたスキルを学んでもらって、安全にサイクリングを楽しんでもらえたらうれしい」こう話してくれたクリスから、自転車に対する愛情を感じました。

ライドのあとはみんなでカフェタイム! ライドの情報交換だったりお仕事の話だったり。いろんな話に花が咲きます。とっても楽しい時間。

「ロードバイクに乗ってみたいけど乗れるのかな?」と不安に思う女性は少なくありません。ですがクリスが行っているようなビギナー向けのライドは、この不安をすっかり取り除いてくれます。鳥の鳴き声を聞きながらさわやかな風を感じ、自然に触れることができるサイクリングは五感が満たされます。血液が循環し心も体も軽くなります。私もクリスと同じように、サイクリングに興味を持つ女性がますます増えたらいいなぁと思いました。



目黒誠子さん目黒誠子さん photo:Seiko.Meguroプロフィール
目黒誠子(めぐろせいこ)


ツアー・オブ・ジャパンでは海外チームの招待・連絡を担当。2006年ジャパンカップサイクルロードレースに業務で携わってからロードレースの世界に魅了される。ロードバイクでのサイクリングを楽しむ。趣味はバラ栽培と鑑賞。航空会社の広報系の仕事にも携わり、折り紙飛行機の指導員という変わりダネ資格を持つ。今年3月までオーストラリアで語学留学をしながら現地の自転車事情を取材。各プロチームとの親交を深めるべく活動している。


text&photo:Seiko.Meguro
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