独国アルピナ社日本総代理店ニコル・オートモビルズを中心としたニコル・グループが自転車事業に乗り出した。東京都・赤坂にオープンするニコル・ユーロサイクル青山は、同社の高級車販売で培ったノウハウを最大限に生かした高級スポーツバイク専門店だ。3月20日に開催されたパーティの模様と新店舗を紹介しよう。

オープニングイベント「ECO meets Art」オープニングイベント「ECO meets Art」 (c)MakotoAYANO/cyclowired.jp

高級・高性能輸入車販売のニコル・グループが新事業として展開



新会社「ニコル・ユーロサイクル」は、アルピナやブガッティ、BMW,MINIの取り扱いで知られるニコルグループ(C・H・ニコ・ローレケ社長)が2月にグループ会社として設立。

ニコル・ユーロサイクル青山ニコル・ユーロサイクル青山 それまでクルマのショールームだった店舗が、ヨーロッパの高級高性能自転車の販売を中心とした"ハイライフ・サイクルショップ"に生まれ変わった。
港区赤坂の青山通り沿いに、くつろぐことのできるコミュニケーションスペースとワークショップを併設した統合型店舗(約40坪)が構えられた。

ヨーロピアンハイライフ・サイクル・プロバイダー



「ヨーロピアンハイライフ・サイクル・プロバイダー」をキャッチフレーズに、自転車を通じた豊かなライフスタイルの提案を目指す同社。自社のアルピナ車やBMW車のユーザーに対する「新しい商材の提供」として、ヨーロッパの一流ブランドのスポーツバイクを販売する。新規事業のビジョンとして、同社は以下のビジネスポリシーを掲げる

・自転車の販売を通じた豊かなライフスタイルを提案
・健康、環境に敏感な顧客へのアピール
・フィジカル、メンタル両面からのヘルス・ケアを提供
・ハイエンド志向のお客様が満足する高品質なサービスの提供とコミュニティの形成
・自転車と自動車の共存を実現

おもな品揃えとして、コルナゴ、コラテック、フォーカス、インターマックス、クォータ、オルベア、ピナレロ、スコット、タイムなどの欧州ブランドが取り扱われる。

パーツ&アクセサリーやアパレルも充実。店内に並べられた自転車も、いたずらに高級ロードバイクだけというわけでなく、初心者用のフラットバー装備のクロスバイクや比較的求めやすい価格帯の中級車もディスプレイされていた。後述の企画展示で飾られた高級バイクとのギャップはあるが、今後の展開に注目だ。

ニコル・ユーロサイクル青山店内ニコル・ユーロサイクル青山店内
また、同社は「魅力的な商品を販売するだけでなく、各種サービスやソフトの提供も目指す」という。以下のような方針が掲げられた。

・試乗が可能なヨーロッパの高級自転車を準備
・専門スタッフによるフィッティングサービス
・女性や初心者にも丁寧に自転車の乗り方や選び方をアドバイス
・自転車を活用したヘルスケア、ダイエット方法のワークショップを開催
・イベントツアー企画によるコミュニティの形成
・女性スタッフ、英語対応スタッフによる接客
・女性専用モデルの充実(自転車、ウェア、シューズ等)
・女性も快適に試着できるフィッティングルームを設置

ドクター&マルチアスリートの湯本優ドクター&マルチアスリートの湯本優

ワークショップやサイクルツアーなどのソフト面の提供



ソフト面を主に受け持つのが、エクステラなどに参戦するマルチアスリートの湯本優氏だ。湯元は医師免許を持つアスリートとして活動。アスリートとドクターの両面の知識を生かし、各種スポーツのコンサルティングを行ってきた。ニコルユーロサイクルでは取締役として名を連ね、自転車を通じたヘルスケアやダイエット方法のワークショップやサイクリングツアーなどを定期的に開催していくという。

「高い自転車を売るだけのショップではなく、自転車の乗り方や楽しみ方ノウハウなどのソフト面の提供を十分にして、新しいく自転車の世界に入ってきた人たちをサポートしたい」と抱負を語る湯本氏は、世界を自転車で駆けてきたアスリートで、かつ身体のケアができる医師でもあるから、大いに期待できそうだ。
また、同店はフランチャイズ展開によって都内あるいは全国へと展開していくことも視野にあるという。


同社の代表取締役、佐久間利章氏は挨拶の中でこう述べる。
「16歳の夏に、ロードバイクで名古屋から京都に旅をしたのが、私と自転車のかかわりの始まりでした。その後、長い時を経て、再び自転車と出会い、自転車を通じて、五感で味わえる四季の変化、気温の変化、景色の変化は人生の喜びでもありました。都会の喧騒から離れ、自転車と自然との対話は、絶えず感動を与えてくれます。この感動を、自分だけでなく、出来る限り多くの方と分かち合いたいとの思いから、Nicole Eurocycleを設立する運びとなりました。

自転車を通じて、さまざまな新しい感動、身体面のみならず、精神面でも健康で充実したライフスタイルをご提案させていただきたい。是非この機会に自転車との素晴らしい出会いを体験され、新たな人生の楽しみを見出して頂ければ光栄です」。

ニコル・オートモビルズ社長で、同社の取締役副社長のC.H ニコ・ローレケ氏はこう述べる
「青年時代私は日本において、プロのレーシング・ドライバーとして、8年にわたりレースに参戦しておりましたが、今も自分自身に挑戦することに限りない喜びを見出し続けています。そして、自然や環境を満喫しながら、ロード・バイクに乗ることは、自分自身に挑戦する卓越した手段であるといえます。
日本の自動車市場は非常に高度な成長をとげていますが、佐久間ならびに湯本両パートナーと共に、トップ・エンド・バイクのマーケットをさらなる成長へ育てて行くことは非常に可能性に充ちていると認識しています。このエキサイティングな使命を共に成し遂げ、そして私たちと同じ夢を追いかけながら、新しい多くのバイク仲間を勝ち得ることを期待しています」。


オープニングイベント「ECO meets Art」


絵画と自転車が織り成す空間芸術絵画と自転車が織り成す空間芸術
同店の開設を記念した展示会「ECO meets Art」が、隣り合わせた草月会館で開催された。同店の取り扱い商品である欧州高級スポーツバイクが、イサム・ノグチの作品である石庭「天国」のなかに、"ギャルリーためなが"とのコラボレートによるアメリカの近代画家トム・クリストファーの絵とともに展示された。

欧州高級バイクと絵画がならぶ欧州高級バイクと絵画がならぶ 壮大なオブジェ、絵画と自転車が織り成す空間芸術。そしてレセプションパーティはこの石庭を見下ろすガラス張りの階上フロアにて開催された。

このパーティに出席したのは、自動車&自転車関係者たちが半々という、異色の雰囲気のプレゼンテーションになった。
クルマの世界とスポーツバイクの世界は「違う」のか、それとも「同じ」か。既存の「輪界」に、BMWなどの高級車販売のノウハウがどう活かされていくのか。ニコル・ユーロサイクルの今後の展開に注目したい。

<店舗データ>
Nicole EuroCycle ニコル・ユーロサイクル青山 
開店日 :2009年3月21日(土)
営業時間:OPEN 平日/WEEKDAYS 12:00~21:00
            土・日・祝/SAT,SUN,HOL 10:30~19:00
            CLOSE 定休日/TUE,WED 火・水
場所:東京都港区赤坂7-1-15
     TEL 03-3478-3511
     
photo&text:綾野 真


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