6月28日、台湾の景勝地として有名な太魯閣(たろこ)国立公園から3千メートル超の山頂を目指すヒルクライム大会が開催される。日本のR1ジャパンが主催するため日本からも出場しやすいチャレンジングな大会を紹介する。現在参加者を募集中だ。



標高3275mの山頂「武嶺」付近は見事な景観が開ける。走るのは2011年に参加した宮澤崇史選手標高3275mの山頂「武嶺」付近は見事な景観が開ける。走るのは2011年に参加した宮澤崇史選手 (c)Makoto.AYANO
目指すは3275mの合歓山頂上「武嶺」。到達すれば他で味わえない達成感がある目指すは3275mの合歓山頂上「武嶺」。到達すれば他で味わえない達成感がある 前回は2014年5月に開催されたこの台湾の大会は、今回が4回めの開催。標高ゼロの花蓮市からスタートし、最高カテゴリーの「インターナショナル」はコース全長が約89kmで標高3,275mの武嶺まで登るダイナミックなコース設定。距離、標高差ともに世界でも有数の難易度を誇るヒルクライム大会だ。

標高3,275mの山頂「武嶺(ぶれい)」は、一般道で行くことができる東アジア最高到達地点。「インターナショナル」は約89kmでこの武嶺まで登る。頂上の約10km手前で一度350mほど下ってまた上るため、獲得標高差は約3,620mにのぼる。

■乗鞍の3倍の獲得標高差! しかし終盤まではハイスピードなヒルクライム

獲得標高差で言えば、乗鞍ヒルクライムの標高差1,260m(距離20.5km)の約3倍にあたる。3倍の厳しさのコースは、体感的な厳しさはいったい何倍になるのだろう?
しかし恐れるなかれ、参加者たちが口を揃えて言うのは、「距離が長くてもコースの勾配は緩いので、頂上付近まではかなりのハイペースで登れてしまう」とのこと。実際、スピードが出るため集団ができやすく、参加者たちは風の抵抗を分担しながら、小・中グループがいくつも形成されて走っているようだ。

タロコ渓谷のダイナミックな眺めを観ながら高度を上げていくタロコ渓谷のダイナミックな眺めを観ながら高度を上げていく (c)Makoto.AYANO台湾のホビーサイクリストたちと走る。女性の姿も目立つ台湾のホビーサイクリストたちと走る。女性の姿も目立つ (c)Makoto.AYANO

頂上付近はまるでヨーロッパアルプスのような眺め頂上付近はまるでヨーロッパアルプスのような眺め (c)Makoto.AYANOラスト10kmまでは勾配が緩いため集団がいくつも形成されてハイスピードで進むラスト10kmまでは勾配が緩いため集団がいくつも形成されてハイスピードで進む (c)Makoto.AYANO


数字だけ見ると厳しいだけの印象はあるが、「走ってみれば意外に楽だと感じる」とのこと。しかし最後まで楽かと言うとそうではなく、厳しい区間は最終盤に待ちかまえている。ラスト10数km、金馬トンネルを抜けた地点からの約5kmのダウンヒル、そしてそこから再び登り返す区間がもっとも厳しく感じるという。

とくにラスト10km区間は勾配が急激にきつくなり、15%以上の激坂区間が連続的に現れる。そして残り5kmで視界は一気に開け、笹の原っぱが広がる高原風景に変わる。最高地点に到達する感動と達成感は何ものにも代えがたいだろう。

国道をしばらく走ってから太魯閣渓谷へと向かう国道をしばらく走ってから太魯閣渓谷へと向かう 深くえぐられた渓谷を抜けて走る選手たち深くえぐられた渓谷を抜けて走る選手たち


■途中までのクラス、観光を楽しみながら走れるクラスも用意

ハイレベルなインターナショナルクラスはさておき、大会は3つの参加カテゴリーから脚力と目的に合ったクラスが選べるように設定されている。最後の勾配が厳しい区間をカットした、コース途中までの「チャレンジカテゴリー」と、自転車に乗りながらの観光が主目的の「太魯閣サイクリング」も用意される。
したがって友達同士ツーリング感覚で参加するもよし、観光を兼ねて親子で楽しみながら走るもよし、それぞれの実力に合わせて自転車で旅する台湾を満喫できるというわけだ。

74kmの「チャレンジカテゴリー」は、コース半ばの標高2,374m地点でゴール。初級者でも乗り慣れている人なら挑戦できるカテゴリーだ。制限時間も昨年までの6時間からプラス1時間の7時間に延長され、完走しやすくなった。

45kmの「太魯閣サイクリング」はクラス区分制限なし。大会の絶景区間を行く「おいしいところどり」で、標高480mの天祥まで観光を兼ねて皆で一緒にのんびり走る。

日本からの参加者も多く、安心して参加できるのが強みだ日本からの参加者も多く、安心して参加できるのが強みだ 走りながら観る太魯閣渓谷はまるでアルプスのようなダイナミックさ走りながら観る太魯閣渓谷はまるでアルプスのようなダイナミックさ

前日は皆でサイクリング。宝石の採れる海岸につくられた自転車道は楽しい前日は皆でサイクリング。宝石の採れる海岸につくられた自転車道は楽しい 両側が断崖絶壁の渓谷美にみとれる両側が断崖絶壁の渓谷美にみとれる


前日は花蓮近郊のサイクリングロードを皆で慣らし走行して楽しみましょう前日は花蓮近郊のサイクリングロードを皆で慣らし走行して楽しみましょう 日本側の主管はチェンライ国際MTBチャレンジなども主催する日本のイベント会社「R1ジャパン」。ノウハウが豊富で日本人スタッフによるサポートもあるため、安心して参加することができる。

自転車の種類は、ロードバイク、マウンテンバイク、クロスバイクなどタイヤを含めて無制限。ただしヘルメット、グローブを着用することに加え、トンネル用のライトを取り付けることが義務付けられている。トンネル内は真っ暗なため、ある程度の光量があるライトが望ましい。



<カテゴリーごとの概要>
●インターナショナル
参加費用: 6,000円(完走メダル、タイム記録証、記念Tシャツ、記念ボトル等含)
コース: 花蓮縣新城郷秀林國中海岸付近→太魯閣→天祥→西寶→洛韶→新白楊→碧綠神木→関原→武嶺, 約88.83Km/3275.4m 制限時間8時間まで

中級者以上で、フルコースを走ります。 標高ゼロから3,275.4メートルまで、目まぐるしく変わる天気、気温、湿度、気圧、酸素量など究極のアドベンチャー要素も加わったサイクリングとなります。

●チャレンジ
参加費用: 5,000円(完走メダル、タイム記録証、記念Tシャツ、記念ボトル等含)
コース: 花蓮縣新城郷秀林國中海岸付近→太魯閣→天祥→西寶→洛韶→新白楊→碧綠神木→関原, 約74.09Km/2,374m 制限時間7時間まで

初級者でも普段少し走っていれば楽しく挑戦できるカテゴリーです ゴール地点の関原は2,374mですが、獲得標高はもう少し高いです。

●太魯閣サイクリング
参加費用: 4,000円(参加証明、記念Tシャツ、記念ボトル等含)
コース: 花蓮縣新城郷秀林國中海岸付近→太魯閣→天祥→太魯閣→花蓮縣新城郷秀林國中 約44.78Km/480m 制限時間6時間まで

大会の美味しいとこどり。天祥まで観光を兼ねて走り帰路は下り。ありえない絶景の中をサイクリングします。初めてのサイクリングでも大丈夫です。

バスとトラックによるバイクと人の送迎・運搬サービス(花蓮~スタート会場、フィニッシュ~花蓮の往復)は有償オプション(1500元)です。(自走できる体力に自信がある方以外には例外なくおすすめしています)

■インターナショナルクラスの参考タイムとデータ
2010年大会の優勝タイム 4時間3分19秒
2011年大会の優勝タイム 4時間4分44
2011年、オフシーズンの体調で走った宮澤崇史選手のタイム 4時間52分58秒 26位
MTBで走った山本和弘選手のタイム 5時間12分00 41位
75歳の田口重喜さん(スワコレーシング) のタイム 6時間15分18秒 98位
最終走者 MTBで走った廣瀨由紀さん 7時間25分17秒 タイムアウトまで30分を残し完走

※2014年大会は頂上付近の悪天候のためインターナショナルクラスもチャレンジクラスのゴール地点に変更してゴールした。



第4回MAXXIS太魯閣国際ヒルクライム 2015 大会概要

大会名称:
Climbing Taiwan 2015
第4回MAXXIS太魯閣国際ヒルクライム 2015
第4屆 瑪吉斯太魯閣國際登山挑戦 2015
4th MAXXIS Taroko International Hill climb 2015

主 催: 太魯閣ヒルクライム実行委員会
共同主催: 交通部觀光局、南投縣政府
後援/協力: 太魯閣國家公園管理處、台灣觀光協会、国際経済政策調查会、台北市自由車協会
主 管: 台湾自由車運動協会、R1ジャパン
特別協賛: マキシスタイヤ
協 賛: GIANT、TOPEAK、EVA AIR、MERIDA、GARMIN

大会種類: 自転車によるヒルクライムコースでのサイクリング大会
開催日程: 2015年6月28日(日)
大会申込: 2015年3月9日〜5月29日
参加申し込み先: スポーツエントリー(http://www.sportsentry.ne.jp/event/t/59944)

大会は海岸線からスタートとし、3つの参加カテゴリーから実力と目的に合ったクラスが選べるように設定します。
したがって友達と海外旅行感覚での参加や、観光を兼ねて親子で楽しみながら走ったり、それぞれの目的に合わせて自転車で台湾を満喫できます。 自転車の種類は、ロードバイクなど無制限です。
トンネル用のライトは必着、ヘルメット、グローブは必着とします。

グループ 男子
A Under 29 years old (born after 1986)
B 30〜34(1982〜1981)
C 35〜39(1980〜1976)
D 40〜44(1975〜1971)
E 45〜49(1970〜1966)
F 51〜59(1965〜1956)
K(King) Over 60 (born before 1955)

グループ 女子
G Under 29 years old (born after 1986)
H 30〜39(1985〜1976)
I 40〜49(1975〜1966)
J 50〜59(1965〜1956)
Q(Queen) Over 60 (born before 1955)

申込方法
申込期間は2015年3月9日〜5月29日
スポーツエントリーへお申し込みください。
(http://www.sportsentry.ne.jp/event/t/59944)
※台湾への直接申し込み等はホームページを参照してください。

日本からの参加ツアーについては以下リンク先を参照してください。

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