もしあなたが突然、海外のライダーに「ねえ、トウキョウを案内してくれよ」と頼まれたら、どうする? こっちだってそんなに東京に詳しいわけじゃないよ、とオノノクなかれ。先日のシクロクロス東京のために来日した日本通、ティム・ジョンソンすらうならせた、素人ガイドのためのトウキョウ・スポットを、お伝えしましょう。



再び日本にやってきたティム。最後の公式戦となった山本カズとパチリ再び日本にやってきたティム。最後の公式戦となった山本カズとパチリ photo:Yuya.Yamamoto
女性陣にもモテモテのティム。女性陣にもモテモテのティム。 photo:Yuya.Yamamoto全米選手権を6回制し、現在はアメリカにおけるMr.シクロクロス的な存在であるティ ム・ジョンソン(キャノンデール・シクロクロスワールド.com)。日本にも多く来日しており、野辺山シクロクロス、シクロクロス東京には積極的に出場。

コンニチ・ワァァァァァァット?(Kon nichi whaaaatttt?)」を挨拶に、「アイ・ラブ♡東京」を公言する男が、今年も東京にやって来ました。

キャノンデールのバイクなら、いくらでもサインしちゃうティムキャノンデールのバイクなら、いくらでもサインしちゃうティム 3年前、山本和弘(元)選手と自転車での東京観光をメイクしたティム(参照☞ ティム・ジョンソンと行く 爆笑・東京オノボリ観光2012 )ですが、今回は「もっとゆっくりしたスピードで、東京を見たい! (しかも奥さん連れだし)」とのこと。ということで、電車を使った、日本のリアルな文化を体感できるスポットへと連れまわしました。

すでに東京通であるティムをもうならせられる、コネやカネを必要としない『あなたにも出来る! 海外ライダー向け素人トウキョウ案内』。東京五輪を5年後に控え、海外ゲストを迎えることもあるかもしれない、あなたへのヒントになれば、幸いです。



築地市場

海外から来た方は、特に北米からの来客は、たいてい時差ボケです。おおまかに言うと、午後6時には眠くなって、朝2時には目が覚めちゃうことが多い。ということで、早朝から目がギンギンになっちゃってるゲストを、まずはすべてのトウキョウガイドブックに載っているスポット、築地市場=フィッシュ・マーケットに連れて行きましょう。

ここの一番の目玉は「マグロ卸売場の見学」です。朝5時から受付開始、先着120名が 参加可能なイベントで、なかなかに壮大なショーであるよう。電車は走っていない時間なので、ご覧になるならタクシー、車、自走などでの来場がよろしいかと。

時差ボケで午前2時からずっと起きていたティム。午前5時が来るのが待ち遠しかったとか時差ボケで午前2時からずっと起きていたティム。午前5時が来るのが待ち遠しかったとか ターレを乗りこなすティム(嘘)ターレを乗りこなすティム(嘘)

5時前に来たのに、すでに受付は終了していた…5時前に来たのに、すでに受付は終了していた… 「トロが食べたいよ。アメリカではあんまり美味しくないんだ」とティム「トロが食べたいよ。アメリカではあんまり美味しくないんだ」とティム


ですが、これは世界的にも大人気。受付開始は朝5時ですが、週末にもなると午前3時半ぐらいから並び始めないと見ることができないとか。今回、案内を信じて5時前に集合した我々は見学できず、残念。
「本気で見たいなら、午前4時には並ばなきゃ」、とは受付の方の弁。
それでも場内にある寿司屋で、トロ、ブリ、いくら、シラスを食べました。ちなみにトロはFat Tuna、ブリはYellow Tail、イクラはSalmon egg、シラスはLittle whitebaitと言えばわかってもらえます。

この時間、場内のリアルな市場は一般人は進入不可。なので場外にある市場をふらふらと探索し、かつお節(dried bonito)を見せたり、焼きたてのホタテ(scallop)を食べさせ、日本ならではの食材を紹介していきましょう。

お決まりの写真です。真ん中はティムの奥さんのリン、右はティムのチームマネージャー、スチュアートお決まりの写真です。真ん中はティムの奥さんのリン、右はティムのチームマネージャー、スチュアート 浅草寺 to 仲見世

つい「お賽銭マネーは5円がベストだよ」と伝えると、その理由を一生懸命説明するハメになるつい「お賽銭マネーは5円がベストだよ」と伝えると、その理由を一生懸命説明するハメになる 築地でたっぷり遊んだあとでも、多分まだ午前7時半ぐらい。そこで、銀座までふらりふらりと歩き、地下鉄銀座線に乗って、「これが東京で一番古いメトロなんだぜ」と豆知識を披露しながら浅草に向かいましょう。終点浅草までは一本です。

午前中の早い時間なら、雷門周辺も、その中にある仲見世も、まだまだ人通りもまばら。人混みが苦手なことの多い海外ライダーでも、浅草観光を楽しめます。シャッターの閉まった仲見世通りも、そこに書かれたイラストがポップで、結構楽しめるものなのです。

浅草寺にお参りしましょう。浅草寺の起こりは1400年ほど前。隅田川を流れてきた仏像を漁師さんが拾い、それを祀ったのが始まりと言われています。そんな話をわざわざお寺の方に聞いてライダーに伝えてあげると、相手はリアルな情報だ、と喜んでくれることでしょう。ネットではなく今そこで聞いた生な情報、旅行中にはそんな一期一会こそが、喜びにつながるもの。

合羽橋道具街

浅草寺から少し足を伸ばせば、そこには業務用調理器具がズラリと並ぶ、合羽橋道具街に出ます。調理器具かと思うことなかれ。ここには外国の方がお土産にちょうどいい茶碗や木の器などが、手頃な価格で並んでいるのです。

「おお、これだ! これが見たかったんだ!」とティムとリンは大騒ぎ「おお、これだ! これが見たかったんだ!」とティムとリンは大騒ぎ ビールのサンプルにテンション高めのティムビールのサンプルにテンション高めのティム

合羽橋のアイドル「かっぱ河太郎」さんと記念写真の図合羽橋のアイドル「かっぱ河太郎」さんと記念写真の図 『kogawa』さんがティムに渡した自作ステッカー。「この場を借りて、もういちど、ありがとう!」とティム『kogawa』さんがティムに渡した自作ステッカー。「この場を借りて、もういちど、ありがとう!」とティム (c)Kogawa


とはいえ、ここの見ものは蝋でできたサンプル料理です。寿司、てんぷら、焼き魚、生ビール。ありとあらゆる日本食が展示会のように並びます。気の利いた店なら、にぎり寿司のキーホルダーなんかも見つかります。お土産はここで買うといいよ、プロフェッショナル用で安いんだ。こう言えば、これであなたの東京ローカルとしての株はぐんと上がるはず。

もちろん、「カッパってなんだ?」と尋ねられることでしょう。「ジャパンのリバーにロングタイムいる、リトルでキュートでウィケッドで、スイムがグッドなレジェンダリー・クリーチャーだよ」、と答えれば、相手はわからないまでも納得してくれます。さらに、通りを歩いていると、金のカッパ像が見つかります。これと記念写真を撮ってもらえれば、それでカッパの説明は終わったも同然。次の場所へと移動します。

しっぽまでぎっちりとアンコの詰まったたい焼きは、日本人にもごちそうですよねしっぽまでぎっちりとアンコの詰まったたい焼きは、日本人にもごちそうですよね たい焼き

ジャパニーズ・スィーツといえば、グリルドスナッパーです(?!)ジャパニーズ・スィーツといえば、グリルドスナッパーです(?!) ランチ前のフィンガーフードとして、日本の伝統スイーツを食べていただきましょう。 オススメなのはたい焼きです。小豆=Red Beansを材料にしたアンコのフィリングは、 日本以外で食べられることはありませんし、なにせフォルムがフィッシュです。

しらこを食べるリンに、「ほら、これはタラのXXXだから」と茶化すティムしらこを食べるリンに、「ほら、これはタラのXXXだから」と茶化すティム ここでもやはりティムからのお決まりの質問。「なあ、なんで鯛(Snapper)なんだ?」 さて。日本全国どこでもたい焼きは鯛です。もちろんそんな質問を、直接お店の方にぶつけるのがサイトシーイングの礼儀です。すると、店内で少々ざわざわっとした後に、「えと『めでたい』の鯛、なんでしょうね」との答えをいただきました。

ぬな? めでたい、って英語でなんて言うんだ? こちらも一瞬考えた後に、「ハッピ ーをジャパニーズでいうと、鯛の言葉遊び(word play)になるからさ」と適当にお茶を濁しつつ、「ところでティーの「オカワリ」(another one)はどうだい」と話題を変えるのが日本流のコミュニケーションです。

寿司

東京のカオスとも言える、アメ横を散策する三人東京のカオスとも言える、アメ横を散策する三人 ランチには、寿司をいただきましょう。昨今では回転寿司のクオリティも高く、価格もリーズナブルで、実際に目でさまざまな寿司を見られるのがエンターテイニングでもあります。が、今回は回転寿司が近くに見当たらなかったので、通常の寿司アソートを頂きました。

寿司屋ではぜひとも、うに(Sea Urchin)、しらこ(Cod milt)、あん肝(monkfish liver)といった、日本ならではのクリーミーテイスト珍味を召し上がっていただきたいも のです。一生語り継げる思い出となってくれることでしょう。

アメ横

ランチの後は、上野駅~御徒町駅の間にあるアメ横にご案内しましょう。ここは東京のカオス。スニーカーから食材まで、ウィンドウショッピングだけでも楽しいストリートです。

昨今は自転車プロショップも多くあるアメ横近辺、ウィンドウに大きく本人の写真が貼ってあったりもして、(今回は残念ながらティムのではありませんでしたが)、そんなのを見るだけでも大喜びです。

歌舞伎座

今回は時間なくて歌舞伎は見られなかったけど。また次回ね今回は時間なくて歌舞伎は見られなかったけど。また次回ね
そして、夕刻近くになったらまた銀座に戻り、歌舞伎座の前で記念写真を撮ってあげましょう。時間と興味があれば、一幕だけ見られるお試し歌舞伎、幕見席に案内してあげられれば最高です。

当日販売、予約なし、料金も内容により500~2000円程度とリーズナブル。ここまで メイクできればライダーは、「アイラブ東京!」叫ぶこと間違いなし(かも)。

自転車界にもじわじわと、その噂の流れるロボットレストラン自転車界にもじわじわと、その噂の流れるロボットレストラン ナイトライフ

そしてまだライダーの体力が残っているようであれば、最近、東京観光のひとつとして 流行っている新宿の「ロボットレストラン」はどうで しょう。 内容は、現代日本文化の象徴とも言える

「アニメ」
「ロボット」
「サイバーパンク」
「サムライギャル」
「オッケーイェーイ!」

的な要素が全て混じったもの。日本人にはあまり知られていない穴場です。レストランというより2時間の壮大なショー。ご飯はおまけのようなもの、食べないという選択肢だってあるんです。



というところで、バイクを使わない東京観光を楽しんでもらったティム。いかがでした?
「楽しかった! また日本には来るつもりだよ」

次はどんなことしたい?
「今度は大阪だな! 美味しいお好み焼き食べたい!」

おっとぉ!

text&photo:中村パンソニ( Nakamura Pandasonic)


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