年の瀬も迫ってきた12月27日(土)、味の素スタジアムで「東京クリテリウムチャレンジ」が開催された。2014年最後のレースということで、雲一つない青空の下に多くのサイクリストが集まった。幅広い年代向けのレースとしては初開催となるレースの様子をお伝えしよう。



味の素スタジアムで開催された東京クリテリウムチャレンジ味の素スタジアムで開催された東京クリテリウムチャレンジ
東京都調布市にある味の素スタジアム。FC東京のホームグラウンドでもあり、サッカー以外にも多くのコンサートやライブ会場になっており、一度は訪れたことがあるという人も多いだろう。そんな都民にはなじみ深いロケーションで、初めて開催された自転車レースイベントが「東京クリテリウムチャレンジ」だ。

この大会は、今年から始動した東京ワンダーレースシリーズの第2戦として開催されたもの。近場で手頃なレースがあまりない東京近郊のサイクリストの悩みにこたえるレースシリーズとしてスタートした東京ワンダーレース初のクリテリウムレースとなる。

朝は受付から始まる朝は受付から始まる 準備に余念がない参加者たち準備に余念がない参加者たち

初心者講習会はまず二戸代表によるレクチャーから初心者講習会はまず二戸代表によるレクチャーから 初心者講習会は実際のコースを走って、危険個所のレクチャーを行った初心者講習会は実際のコースを走って、危険個所のレクチャーを行った


大会名にチャレンジと冠されていることからもわかる通り、レース慣れした上級者のみならず、これまで一度も自転車レースに出たことがないというサイクリストでも楽しめる大会として、企画されているのが特徴だ。実際、レース初級者、もしくは未経験者が参加するエントリークラスは大盛況となり、最多の3組がスケジュールされるほどの人気となった。

もちろん、ロケーションの良さもある。新宿駅から電車で約20分というアクセスの良さもあり、多くの参加者が自走での参加となっていた。事前のアンケートでもかなりの割合で自転車での来場予定という人が多かったようだ。そういった事情を反映してか、ストイックにローラー台でアップする人などもあまり見かけず、どこか和気藹々とした雰囲気に包まれていた会場。

味の素スタジアムをバックにしたホームストレート味の素スタジアムをバックにしたホームストレート
先導バイクの誘導のもと、ローリングスタート先導バイクの誘導のもと、ローリングスタート どのクラスもスプリント勝負に持ち込まれたどのクラスもスプリント勝負に持ち込まれた


午前7時の受付開始後、まず始まったのがレース初心者を対象とした走行講習会。ビギナークラスとエントリークラスの参加者を対象として行われた講習会は、集団走行での振る舞い方や実際に使われるコースの注意点などを丁寧に教えてもらえるというもの。受講は義務ではないものの、対象となるクラスのほぼ全員が参加したのではないかと思えるほどの参加人数だった。

そして、講習会が終わればさっそくレースがスタート。午前中にはビギナーやエントリーといった初心者クラスと、中高生のジュニアクラスが行われる。逃げができるクラス、最後まで集団でスプリントするクラス、様々な展開が見られて面白い。

レースで使用するコースは味の素スタジアムの外周をぐるっと回る1周およそ1.2㎞ほどのコース。距離の例を挙げるとエントリーは8周、ミドルは18周、エキスパートは28周することとなる。いくつかクランクやヘアピンはあるものの、コース幅が広くとられているので、安全にレースを楽しむことができる。安全講習会の効果もあって、この日目立った落車や事故は無かった。

キッズの部も真剣勝負ですキッズの部も真剣勝負です キッズレースは親御さんも熱が入りますキッズレースは親御さんも熱が入ります

こちらは女子HCのスタートこちらは女子HCのスタート お母さん頑張って!!お母さん頑張って!!


初めてのレースながら、オートバイ先導やチップ計測といった運営部分もしっかりと用意されており、レース慣れしたベテランサイクリストにとっても、満足のいく大会となっていた。コース脇には約200mごとに立哨スタッフが配置されており、安全面への配慮も抜かりない。

お昼休憩後には、小学生のレースから午後の部が始まる。大人顔負けのゴールスプリントを繰り広げるキッズもいれば、ゴール後に思わず泣き出してしまう子もいたりと、ほほえましい光景に観戦している大人たちもついついほっこりとしてしまうほど。

常にスタジアムが見えているレースコース常にスタジアムが見えているレースコース スタジアムの外周道路はシェードになっているところもスタジアムの外周道路はシェードになっているところも


ヘアピンを曲がっていくエキスパートクラスヘアピンを曲がっていくエキスパートクラス 外周路出口のクランクを攻める外周路出口のクランクを攻める


続いて、女子HC、シニア、ミドル、エキスパートと続いていく。ミドルクラス以降のレースは、集団のスピードや走行スキルがそれまでのカテゴリとは目に見えて違ってくる。観戦する人々の応援もその迫力に比例してか、熱が入ったものとなっていた。

特に28周で競われるエキスパートの部では、ゲストライダーとしてロヂャースレーシングチームの小室選手や2014年E1総合チャンピオンの川田選手が参加し、非常にレベルの高いレースとなった。最後はスプリントにもつれ込んだエキスパートの部を制したのは西島優太郎選手。ゴールを見るべく移動してきた観客の前で、華麗な勝利を飾った。

残り周回数を教えてくれます残り周回数を教えてくれます エキスパートクラスを制した西島優太郎選手エキスパートクラスを制した西島優太郎選手

レース終了後はリザルトボードに人だかりができますレース終了後はリザルトボードに人だかりができます エキスパートの表彰式 仲がいいですねエキスパートの表彰式 仲がいいですね


大きな事故もなく、成功裏に幕を閉じたといえる東京クリテリウム。この大会の経緯、そしてこれからについて、大会ディレクターである、BCクリエイトの二戸代表にお話を伺ってみた。



―味の素スタジアムでクリテリウムを開こうとしたきっかけは?

BCクリエイト 二戸代表BCクリエイト 二戸代表 ロケーションの良さもあり、多くの観客が集まっていたのも印象的だったロケーションの良さもあり、多くの観客が集まっていたのも印象的だった ロードレースというものを、一般の方々に知っていただきたいという思いがあって、もともと地域密着型として、多摩近郊でイベントを開こうと考えていたんです。でも、なかなか東京近郊で自転車のレースが開催できるようなところが少ないんですよ。

航空写真なども駆使してレース開催場所を探していたところ、同じ東京多摩地区で活動しているプロスポーツ団体の、東京ヴェルディさん(サッカー)や、東京サンレーヴスさん(バスケットボール)を通じて、味の素スタジアム開催の可能性のお話を頂き、進んでいきました。会場側としても自転車イベントに興味を持たれているという面もあって、これからいろいろな形で協力していければと考えております。

―年末という時期の開催でしたが、なにか意図はあったのでしょうか?

実は、会場側との調整の結果この日程になったというのが一番大きな理由なんですよ(笑)。実際、年の瀬ということでレースにきてくれる人がいるのか、少し賭けのような部分もあったのですが、ふたを開けてみればたくさんの人のエントリーがあってホッとしました。年末ということで、走りおさめや忘年会的な参加の仕方をされている人たちも多いみたいでしたね。

―初のロードレースでしたが今後の展開などはどういったものになりそうでしょうか?

アクセスが良いこともあって、エントリーという面では非常に大きな反響をいただいたのはすごく嬉しかったですね。ただ、1大会としてこれ以上規模を大きくするというのは競技の性質上難しいものもあるので、そこは今後の課題ですね。

いくいくはシリーズ化という展開も視野に入れて動いていきたいですね。今回はカテゴリー分けも自己申告制だったので、ポイントをつけることでクラスが上がったりするような仕組みを導入できると、もっと面白く安全にレースを楽しんでもらえるかと思います。



初回大会ながらも、多くの参加者がロードレースを楽しんだ「東京クリテリウムチャレンジ」。レースに興味があったものの車が出せないために参加を諦めていた人も多かっただろう。そんなサイクリストも気軽に参加できる貴重なレースとして、今後も続いて行ってほしいイベントだ。

text&photo:Naoki.Yasuoka
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