「THE KAIMAKU」や「Fish Man Race」などユニークな名前のレースイベントが揃うWizSpo Bicycleシリーズ。今回は主催の一般社団法人ウィズスポへのインタビューを交え、シリーズ全体の魅力を紹介しよう。



地域色を出したユニークなイベントを行うWizSpo Bicycleシリーズ。写真は温泉をモチーフにした「温泉ライダー 加賀」での一コマ地域色を出したユニークなイベントを行うWizSpo Bicycleシリーズ。写真は温泉をモチーフにした「温泉ライダー 加賀」での一コマ
WizSpo Bicycleシリーズは「With+Sports=スポーツをもっと身近に!」「サイクルスポーツを日本に根付かせる」の2つをコンセプトに、一般社団法人ウィズスポが関東近辺で開催しているエンデューロをメインとしたシリーズ戦。一般的なレースイベントとは異なり、グルメや温泉など地域の特色を活かしたイベント造りや、絶妙にユルく初心者でも参加しやすい大会の雰囲気が好評を博している。

日本一暑い地で開催される「あついぞ!熊谷- BURNING MAN RACE」日本一暑い地で開催される「あついぞ!熊谷- BURNING MAN RACE」 もちろんレース自体も好評を博す理由の1つで、昨年開催された6イベントのうち4大会が公道を使った特設サーキットで開催された。そして様々なスキルのライダーが混走しても安全な様に、十分に道幅が確保され、タイトなコーナーはコースに組み込まないなどの配慮がなされている。

焼津港を舞台にした「Fish Man Race」焼津港を舞台にした「Fish Man Race」 2014年は昨年開催の6大会に加え、都心からもアクセスが良い袖ヶ浦フォレストレースウェイで開催されるエンデューロイベントなど新たに2大会が登場。年間チャンピオンに輝くと超豪華商品を手に入れることができる。それではWizSpo Bicycleシリーズ2014の全8戦の中から特色ある大会をピックアップして情報を紹介しよう。

栃木県さくら市と石川県加賀市で開催される「温泉ライダー」は大会名の通り、一般公道を使用するエンデューロと温泉を一度に楽しめるイベント。現在エントリー受付中の「温泉ライダー IN 加賀温泉郷(2012大会のレポートはこちらから)」では無料入浴券の配布が決定している。

Fish Man Race in 静岡・焼津港は「活きよく走る×活きよく食らう」をコンセプトに日本一の漁獲量を誇る同漁港の活気をそのまま、サイクルレースに繋げようというエンデューロイベント。初開催ながら2013大会では多くの飲食ブースの出展を集め、レース中でもマグロやカツオをはじめとした採れたて新鮮な魚介類を思う存分楽しむことができた(2013大会のレポートはこちらから)。

Burning Man Race in 熊谷は日本で最も暑い街の一つである埼玉県熊谷市を舞台に、リレーマラソンと併催されるエンデューロ。燦々と輝く太陽の光を全身にあび、暑さと戦いながらチームや仲間と一緒にレースを走りきれば格別の達成感が味わえるだろう。

東西対抗エンデューロ in エコパは日本列島の中央に位置する静岡県袋井市を舞台としたイベント。会場はECOPAこと小笠山総合運動公園。2013大会では参加者を東軍と西軍に分け、東日本VS西日本の形式で競うユニークなルールのエンデューロだ。

新たに山梨県山梨市を舞台としたヒルクライムイベントが開催される(写真はイメージ)新たに山梨県山梨市を舞台としたヒルクライムイベントが開催される(写真はイメージ) スタジアムの一部をコースに取り込んだ東西対抗エンデューロ in エコパ(写真はイメージ)スタジアムの一部をコースに取り込んだ東西対抗エンデューロ in エコパ(写真はイメージ)

袖ヶ浦フォレストレースウェイを駆け抜ける「THE KAIMAKU 2014」袖ヶ浦フォレストレースウェイを駆け抜ける「THE KAIMAKU 2014」 (filter error or malformed img_assist tag)


WizSpo Bicycleシリーズ2014 イベントラインナップ(調整中の大会を含む)
第1戦 4月12日 THE KAIMAKU ’14(千葉県袖ヶ浦市、エンデューロ)
第2戦 5月24日、25日 温泉ライダー IN 加賀温泉郷(石川県加賀市、エンデューロ)
第3戦 7月6日 Fish Man Race in 静岡・焼津港(静岡県焼津市、エンデューロ)
第4戦 7月 Burning Man Race in 熊谷(埼玉県熊谷市、エンデューロ)
第5戦 10月 かすみがうらエンデューロ(茨城県かすみがうら市、エンデューロ)
第6戦 11月 温泉ライダー in SAKURA(栃木県さくら市、エンデューロ)
第7戦 11月 東西対抗エンデューロ in エコパ(静岡県袋井市、エンデューロ)
第8戦 11月 西日本での新規開催を調整中



シクロワイアードでは主催の一般社団法人ウィズスポでイベントの計画・運営を務める袴田晃一郎さんにシリーズ全体の特徴やユニークなイベント名の裏側などについて伺った。

ー「サイクルスポーツを日本に根付かせる」をコンセプトとして、サイクリングイベントではなく敢えてレースイベントを開催するのはなぜでしょうか?

順位がつくことや、友達や仲間と競いあうことがスポーツの醍醐味の一つであるからと考えているからです。ただ競技でありながらも敷居を低くするためにエンデューロをメインとし、開催地の特色を活かしたイベントを用意することでビギナーや地元の皆さんに「レースって怖いイメージがあるけど、なんだか楽しそう」と感じて頂ければと考えています。

お話を伺ったウィズスポの袴田晃一郎さんお話を伺ったウィズスポの袴田晃一郎さん 多くの大会でプロライダーがレースをサポートしてくれる多くの大会でプロライダーがレースをサポートしてくれる (c)ウィズスポ


ゆくゆくはビギナーの皆さんに「もっと速くなりたい」「先頭集団でかっこ良く走ってみたい」と思ってもらうことと、そして開催地でスポーツサイクルを普及させることが目標ですね。

ーユニークな大会名やレース以外のイベントも敷居を低くするための工夫ですね?

はい。レースに観光の要素を加えることで、これまで自転車に興味の無かった仲間を連れてこれたり、レースを走らない奥様や子供さんにも楽しんで頂けたりと、よりレースに参加しやすい環境を造ることを心がけています。また、地元の方にとっては地域の特産品をアピールできる場として好評を頂いています。

大会名については、親しみやすい様にとスタッフ間でアイデアを出し合って決めているのですが、参加者の皆さんからは開催地で呼ばれることが多いので少し惜しいところですね(笑)。同じ目的で昨年は、開催地にゆかりのあるお笑い芸人さん達にもご協力頂き、かすみがうらエンデューロにはアントキの猪木さん、Burning Man Race in 熊谷にはマラソンの川内優輝選手のソックリさんであるM高史さんにゲストとして参加して頂きました。

FISHMAN RACEでは地元の魚屋さんが協力FISHMAN RACEでは地元の魚屋さんが協力 開催地にゆかりのあるお笑い芸人も度々登場開催地にゆかりのあるお笑い芸人も度々登場

仮装して楽しむ参加者もとても多い仮装して楽しむ参加者もとても多い 「温泉ライダー」では、「ゆ」ニークな賞品も(笑)「温泉ライダー」では、「ゆ」ニークな賞品も(笑)


ーレースではビギナーに向けてどの様な工夫を行っていますか?

毎回プロレーサーの方にゲストライダーとしてご参加頂き、ペースコントロールして頂くことで上級者と交差する可能性を低減しています。加えてレース前には安全講習会を実施しています。もちろんコース選定の際には可能な限り道幅を広く、タイト過ぎるコーナーやマンホール、排水口を少なく抑える様にしていますね。

ー2014年は全8戦中5戦が公道を使ったレースですが、どういった理由があるのでしょうか?

「公道を使う理由は、ヨーロッパの雰囲気を味わって欲しいから」「公道を使う理由は、ヨーロッパの雰囲気を味わって欲しいから」 本場の雰囲気を感じて頂きたいからです。自転車競技の本場であるヨーロッパでは多くのレースが公道で行なわれていますが、日本では非常に少なく、アマチュアライダーが参加できるイベントに絞ると極少数ですよね。

コスプレするも良し!思い思いに楽しもうコスプレするも良し!思い思いに楽しもう また、公道閉鎖を行う準備段階として地元自治体との綿密に連携することで、快く立哨を引き受けてくれたり、沿道から応援してくれたりと近隣住民の方からご協力頂きやすいというメリットがあります。参加者からは地元住民からの応援が嬉しかったという声も頂きました。

ーシリーズ戦としての展望をお聞かせ下さい

昨年と同様に男女個人と男子チーム、男女混声チームの4部門でシリーズ戦を設けています。特に2つのチーム部門は同じチーム名であればイベントごとにメンバーが異なってもポイントを獲得できますので、気軽に参加していただきやすいのではないでしょうか。もちろん各部門の優勝者には今年も豪華商品を用意しています。

また、シリーズポイントをいつでも確認することができるアプリケーションを提供する予定です。ゆくゆくは順位や参加回数に応じてポイントを付与し、溜まったポイントでイベント開催地で使える宿泊券や自転車パーツと交換できる様にしたいですね。ポイント制が根付くことでWizSpoシリーズを連戦しながら、開催地各地で特産物や観光名所を楽しむ方が増えてくれればと思っています。もちろん開催地のみなさんも奮ってエントリーして下さい!

チームの枠を超えて一緒に盛り上がろう!チームの枠を超えて一緒に盛り上がろう!
4月12日(土)に開催される「THE KAIMAKU ’14(千葉県袖ヶ浦市)」と5月25日(日)に開催される「温泉ライダー IN 加賀温泉郷(石川県加賀市)」ではエントリーを募集している。エントリーはそれぞれのスポーツエントリーの当該ページから行う他、携帯電話やFAX、電話(ソロ種目のみ)から申し込みができる。仲間や家族と誘い合って、奮って参加してみてはいかがだろうか?

interview&text:Yuya.Yamamoto