2012年3月8日、ティレーノ〜アドリアティコ(UCIワールドツアー)の第2ステージは集団ゴールスプリントに持ち込まれ、アルカンシエルを着るマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ)がステージ優勝を飾った。

逃げたディエゴ・カッチャ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ)、ステファノ・ピラッツィ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)の2名逃げたディエゴ・カッチャ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ)、ステファノ・ピラッツィ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)の2名 photo:Riccardo Scanferla第2ステージの舞台となったのは、前日チームタイムトライアルが行われたサンヴィンツェンツォから、内陸のインディカトーレにかけての230km。

ステージ中盤までは大会初となる山岳ポイントが2ヶ所設定されるが、後半にかけては平坦基調。最後はインディカトーレの周回コースを2周してゴールを迎える。全7日の日程中において貴重な平坦ステージだ。

スタートが切られると同時にファーストアタックをかけたのはディエゴ・カッチャ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ)。これにステファノ・ピラッツィ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)が追いつくと、集団はこの動きを容認。早くも今大会最初のエスケープが決まった。

起伏のあるトスカーナの丘陵地帯を行く起伏のあるトスカーナの丘陵地帯を行く photo:Riccardo Scanferlaこの日は230kmの長丁場ということもあり、2名を見送った集団はスローペースでレースを展開。逃げる2人は集団に対して最大8分のアドバンテージを稼ぎ出した。

59km地点のヴォルテッラ峠と106km地点のカステリーナ峠に設定された山岳ポイントはいずれもピラッツィが先頭通過し、翌日の山岳賞ジャージを確定させた。

メイン集団はリーダージャージ擁するグリーンエッジがスヴェイン・タフト(カナダ、グリーンエッジ)を筆頭にコントロール。ゴールヘ向けて次第に前とのタイム差を削っていき、残り28kmを残した地点で逃げ続けた2人を飲み込んだ。

集団から飛び出しを図るエンリーコ・ガスパロット(イタリア、アスタナ)とファビオ・タボッレ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)集団から飛び出しを図るエンリーコ・ガスパロット(イタリア、アスタナ)とファビオ・タボッレ(イタリア、アックア・エ・サポーネ) photo:Riccardo Scanferlaリクイガス・キャノンデールやチームスカイが位置取り争いを繰り広げる中、残り8.6km地点の短い登りで飛び出しを図ったのはエンリーコ・ガスパロット(イタリア、アスタナ)とファビオ・タボッレ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)の2名。約2kmに渡って数秒のリードを保つが、ペースの上がった集団に吸収される。

決定的な主導権を握るチームが現れない混沌とした雰囲気の集団内では残り1.7km地点で落車が発生。この落車によってマイケル・マシューズ(オーストラリア、ラボバンク)がリタイアする事態に。

集団の速度を上げるチームスカイ集団の速度を上げるチームスカイ photo:Riccardo Scanferla最後は落車によって人数を減らした集団によるスプリントに持ち込まれ、チームメイトに導かれたタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・バラクーダ)が早いタイミングでスプリントを開始。

しかしその背後から勢い良く飛び出したカヴェンディッシュが、追い上げるオスカル・フレイレ(スペイン、カチューシャ)らをかわし先頭でゴールラインへと飛び込んだ。

「チーム、特にエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)のラスト1500mのアシストは素晴らしかった。彼は僕に『左、右、速く、速く』と指示をしてくれたんだ。まるでプレイステーションをしているみたいだったよ。」と語るカヴェンディッシュは今シーズン4勝目。目標とするミラノ~サンレモを前に、調子の良さを見せつける結果となった。

マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ)が集団スプリントを制すマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ)が集団スプリントを制す photo:Riccardo Scanferla表彰台に上がったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ)表彰台に上がったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ) photo:Riccardo Scanferla


総合トップのマシュー・ゴス(オーストラリア、グリーンエッジ)は38位でゴールし、リーダージャージを守っている。

翌第3ステージはインディカトーレからテルニにかけての178km。難易度はイージーで、引き続きスプリンターたちのバトルが繰り広げられるだろう。


ティレーノ〜アドリアティコ2012第1ステージ結果
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ)       6h32'32"
2位 オスカル・フレイレ(スペイン、カチューシャ)
3位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・バラクーダ)
4位 ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)
5位 サーシャ・モードロ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
6位 ケニーロバート・ファンヒュンメル(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)
7位 ダニーロ・ナポニターノ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)
8位 ボルト・ボジッチ(スロベニア、アスタナ)
9位 ウィリアム・ボネ(フランス、FDJ・ビッグマット)
10位 ルーベン・ペレス(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)

個人総合成績
1位 マシュー・ゴス(オーストラリア、グリーンエッジ)          6h51'13"
2位 スチュアート・オグレディ(オーストラリア、グリーンエッジ)
3位 セバスティアン・ラングフェルド(オランダ、グリーンエッジ)
4位 キャメロン・マイヤー(オーストラリア、グリーンエッジ)              +13”
5位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ)
6位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・バラクーダ)
7位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)    +17"
8位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・ニッサン)
9位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン)
10位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、ガーミン・バラクーダ)

山岳賞
ステファノ・ピラッツィ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)

ポイント賞
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ) 

新人賞
キャメロン・マイヤー(オーストラリア、グリーンエッジ)


text:So.Isobe
photo:Riccardo Scanferla

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