2つの丘を含むアップダウンの厳しいコースで、リッチー・ポルト(オーストラリア)が優勝候補として急浮上しているのはカンチェラーラの発言でも明らかな通りだ。はたしてポルトはアルカンシェルを地元にもたらすのか?

ジロ・デ・イタリア2010でマリアローザを獲得したリッチー・ポルト(サクソバンク、オーストラリア)  ジロ・デ・イタリア2010でマリアローザを獲得したリッチー・ポルト(サクソバンク、オーストラリア)   (c)CorVosオーストラリアは自国出身のリッチー・ポルトのタイムトライアルでの勝利を祈願して、道路に「Richie Porte Power」のペインティングを始めている。

ポルトは今シーズンプロ入りしてからというもの初めて自国の土を踏む。ツール・ド・ロマンディ第3ステージの個人タイムトライアルで有力選手たちを打倒して衝撃の優勝を挙げ、続くジロ・デ・イタリアでは個人総合7位でフィニッシュし、新人賞を獲得するという活躍を見せた。

ポルトは言う「プレッシャーはある。でもそれに従うよ。プレッシャーがあるからといってタイムトライアルの走り方が変わるわけじゃない。ただフル・ガス(全開)で行くだけだよ」。

25歳のポルトは、イギリスのデーヴィド・ミラーやスイス人のサクソバンクのチームメイト、ファビアン・カンチェラーラらに対抗することになる。

「ファビアンはすごいヤツだよ。彼は昨日の記者会見で僕に対してナイスなコメントをしてくれたようだけど、たぶんそれがプレッシャーを少し増してくれたようだ」。

ジロ・デ・イタリア2010の個人TTを走るリッチー・ポルト(オーストラリア、サクソバンク)ジロ・デ・イタリア2010の個人TTを走るリッチー・ポルト(オーストラリア、サクソバンク) photo:Kei Tsujiポルトがプレッシャーを感じるのも無理もない。なぜなら今回のアップダウンがあるコースが非常にポルト向きだと言えるのだ。コースにある2つの上り。それを2周するというそのコースが、ポルトが勝利してきたタイムトライアルのケースに合致するのだ。

「丘を見たとき、ちょっと興奮してしまったことは認めざるをえないね。僕が思うにファビアンはそれに十分対処できると思う。しかし僕のような小さな選手が有力選手に入ってくるのは確かだね。僕はそれらの丘を有利に使うつもりだよ」。

ポルトは44×25Tの組み合わせのローギアを用意しているという。ミラーもまた44Tをセットしていた。しかしポルトが有利なのは家族の応援があること。彼の両親と、3人の兄弟のうちふたりの兄弟がコース脇に立ってポルトを応援する。丘は2つだから、ふた手に別れて声援を送るだろう。彼らにとってもプロになったリッチーの姿を観戦するのは初めてのことだ。

「これは世界選手権なんだ。フィニッシュラインまで全力を尽くすよ。そしていい結果を出してみせる」。

ポルトは二度と無いビッグチャンスをモノにしようと意気込んでいるようだ。




text:Gregor Brown in Geelong
translation:Makoto.AYANO
photo:Makoto.AYANO,Cor Vos

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