第51回JBCF西日本ロードクラシック広島大会の初日・Day1が開催された。Jプロツアーはホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)が優勝。女子チャンピオンシップは序盤から独走に持ち込んだ唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)が優勝した。



全日本選手権終了後、最初の国内公式戦となった「西日本ロードクラシック広島大会」。会場は広島空港に隣接する広島県立中央森林公園。1994年のアジア大会ロードレースに使用され、2010年まで幾度も全日本選手権が開催されている事でおなじみのコースだ。

1994年に開催されたアジア大会の記念碑がコース沿いにある1994年に開催されたアジア大会の記念碑がコース沿いにある Photo:Satoru Katoスタート前、ホセ・ビセンテに日傘をさすマトリックスパワータグの安原監督スタート前、ホセ・ビセンテに日傘をさすマトリックスパワータグの安原監督 Photo:Satoru Kato

陽炎の中を行く集団陽炎の中を行く集団 Photo:Satoru Kato
1周12.3kmのコースは、曲がりくねってアップダウンが繰り返されるハードなコース。この日は30℃を超える暑さにより、1周目から補給が許される事になった。

P1クラスタ リーダージャージのホセ・ビセンテが山本元喜を下して優勝

Jプロツアー第7戦となるP1クラスタは、6周73.8kmの短距離レース。スタート直後から散発的なアタックが繰り返されるが、どれも1周ともたずに吸収される。

大きく動いたのは4周目。吉岡直哉(那須ブラーゼン)、雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)、安原大貴(マトリックスパワータグ)の3人が抜け出して先行。5周目に安原が遅れ、入れ替わりでルビーレッドジャージを着るホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)、山本元喜(キナンサイクリングチーム)、才田直人(LEOMOベルマーレレーシングチーム)ら5人が合流。先頭集団は7人となる。

レース序盤は決定的な動きがうまれないまま進行レース序盤は決定的な動きがうまれないまま進行 Photo:Satoru Kato4周目に先行した3人4周目に先行した3人 Photo:Satoru Kato
5周目、上りで攻撃する山本元喜(キナンサイクリングチーム)5周目、上りで攻撃する山本元喜(キナンサイクリングチーム) photo:Hideaki TAKAGI6周目最後の上りでアタックする山本元喜(キナンサイクリングチーム)6周目最後の上りでアタックする山本元喜(キナンサイクリングチーム) photo:Hideaki TAKAGI


最終周回に入ると、山本が何度もアタック。この動きで、山本、ホセ、才田の3人が先行。その後も繰り返される山本のアタックに才田が遅れ、勝負はホセと山本の一騎打ちに。山本のアタックを封じてきたホセは、残り1kmを切ってアタック。山本を引き離して残り300mのホームストレートに先行して現れた。山本は最後まで追いすがったが、最後はジャージのファスナーをあげる余裕を見せたホセが先にゴールラインを越えた。

ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)が山本元喜(キナンサイクリングチーム)を下して優勝ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)が山本元喜(キナンサイクリングチーム)を下して優勝 Photo:Satoru Kato
P 表彰式P 表彰式 Photo:Satoru Katoホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)自らルビーレッドジャージの足場固めホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)自らルビーレッドジャージの足場固め Photo:Satoru Kato

「3週間ほど間があいた後のレースだったが、今日は暑くてハードなレースだった。勝てて嬉しい」と、表彰式で語ったホセ。那須塩原クリテリウムで獲得したルビーレッドジャージだが、今季3勝目で自ら足場を固めた形となった。

一方、レース終盤に再三にわたってアタックした山本は「今日はレースの展開を全て自分でつくりました。全日本選手権で結果を出せなかったので、(全日本に向けて)調整した足をここで発揮しました。最後はホセ選手に行かれてしまいましたが。これまでは逃げて目立ってアピールする走りばかりしてきましたが、エースとして勝つために走る事が今後の課題です。明日は距離が長くなるので、自分にプラスになると思います。」と、コメントした。
P 結果
1位 ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ) 1時間47分53秒
2位 山本元喜(キナンサイクリングチーム) +1秒
3位 才田直人(LEOMO Bellmare Racing team) +14秒
4位 横塚浩平(LEOMO Bellmare Racing team) +1分
5位 小森亮平(愛三工業レーシングチーム)
6位 吉岡直哉(那須ブラーゼン) +1分1秒
ルビーレッドジャージ:ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)
ピュアホワイトジャージ:岡篤志(宇都宮ブリッツェン)



F 唐見実世子が序盤から逃げ切り

Fクラスタ 1周目からペースを上げる唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)Fクラスタ 1周目からペースを上げる唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム) photo:Hideaki TAKAGIF 単独で逃げる唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)F 単独で逃げる唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム) Photo:Satoru Kato

女子チャンピオンシップとして行われたFクラスタは、5周61.5km。

1周目に早くも4人に絞られる。メンバーは唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)、中原恭恵(JBCF J-FEMININ)、合田祐美子(BH BIORACER)、福田咲絵(フィッツ)。2周目に入ると唐見が独走を開始。これを中原と合田が追うが、最終的に2分以上の差をつけて優勝した。

F 4周を逃げ切った唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)F 4周を逃げ切った唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム) Photo:Satoru Kato
F 表彰式F 表彰式 Photo:Satoru Katoシスターローズジャージは引き続き唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)シスターローズジャージは引き続き唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム) Photo:Satoru Kato

これでJフェミニンツアーでは今季14勝目を挙げた唐見だが、「先週の全日本選手権で完敗してしまったので、来年の全日本選手権はすぐなので、それまで勝ち続けるしかないと思ってます。」と言う。「今日は早いうちに1人になる事を考えていましたが、みんな強くて思ったより差が広がらなくて、ちょっとなめてたかなと思います。全日本の疲れもあって足があまり回らなかった事もありますが。」

早々に独走に持ち込んだ事について、何人かで一緒に行くという考えはあったのかとの問いには「無いですね」と即答。「数人で行った方が安全ではあるけれど、今日は約60kmだから1人でも大丈夫かなと判断しました。協調出来る選手がいないわけではないけれど、全日本であの差を見せつけられては私も足踏みしてはいられないので……これ以上差をつけられないようにしないといけないと思っています。出来る事をやっていかないと1年なんてすぐに過ぎてしまいますからね。」と、すでに来年の全日本選手権を念頭にしているようだ。
F 結果(61.5㎞)
1位 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム) 1時間48分55秒
2位 中原恭恵(JBCF J-FEMININ) +2分1秒
3位 合田祐美子(BH BIORACER) +2分11秒
4位 上田順子(BC.ANELLO) +5分51秒
5位 福本千佳(Live GARDEN BICI STELLE)
6位 島橋由美子(バルバレーシングクラブ) +7分8秒


その他結果
E1クラスタ 中盤で逃げる日野泰静(松山城南高等学校自転車競技部)E1クラスタ 中盤で逃げる日野泰静(松山城南高等学校自転車競技部) photo:Hideaki TAKAGIE1 表彰式E1 表彰式 Photo:Satoru Kato
E2 小山智也(イナーメ信濃山形-EFT)が優勝E2 小山智也(イナーメ信濃山形-EFT)が優勝 Photo:Satoru KatoE3 北宅柊麻(松山城南高等学校自転車競技部)が優勝E3 北宅柊麻(松山城南高等学校自転車競技部)が優勝 Photo:Satoru Kato
E1(61.5㎞)
1位 日野泰静(松山城南高等学校自転車競技部) 1時間34分5秒
2位 日野凌羽(松山城南高等学校自転車競技部) +2秒
3位 加賀雄大(Team UKYO Reve) +3秒
4位 岩崎晶雲(グランペールサイクリングチーム)  
5位 岩島啓太(MIVRO) +5秒
6位 寺崎武郎(バルバレーシングクラブ) +6秒
E2(49.2㎞)
1位 小山智也(イナーメ信濃山形-EFT) 1時間17分21秒
2位 香山飛龍(横浜高校自転車競技部) +0秒
3位 藤田涼平(サイタマサイクルプロジェクト)
4位 西村和真(Life Ride)
5位 稲津祐哉(HEART BEAT Racing但馬)
6位 筧 五郎(イナーメ信濃山形-EFT)
E3(36.9㎞)
1位 北宅柊麻(松山城南高等学校自転車競技部) 56分48秒
2位 前原直幸(ナカガワAS・K’デザイン) +1秒
3位 瀧山里玖(Team Eurasia-IRC TIRE)
4位 渡邊誉大(NIKO Factory)
5位 三谷卓也(エキップ ティラン)
6位 藤井 翼(voyage cycling team)
text:Satoru Kato
photo:Satoru Kato,Hideaki TAKAGI
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