ピュアジャパニーズブランドとしてリーズナブルかつ高性能と実用性に長けた製品を展開するエヴァディオ(AVEDIO)。2017年モデルより各種フレームがモデルチェンジを果たすと同時に、新たに同社初のホイール展開も開始した。今回はそのラインアップよりハイエンドモデルである「RS25」のインプレッションをお届け。



エヴァディオ RS25(レッド)エヴァディオ RS25(レッド) photo:MakotoAYANO/cyclowired.jp
2008年に誕生して以来、国内のロードバイクシーンに則したオリジナルプロダクトを数多く取り揃え、特に実用面重視のサイクリストから支持を集めてきたジャパニーズブランドがエヴァディオだ。カラーオーダー可能な各種フレームを主軸とし、ハイクオリティー&ハイコストパフォーマンスをコンセプトに、確かな性能とリーズナブルな価格で以て国内での展開を広げてきた。

ブランド設立後早い段階からカーボン、アルミ、チタンといった幅広いフレームラインアップを揃え、それだけでなくサドルバックやバーテープ等のアクセサリー、ウェア類まで豊富に展開するといった中で、未だ製品化されていなかったものがホイールだ。実際、完成車販売される同ブランドのバイクはハンドルやステムといったパーツには自社ブランド製品がアッセンブルされていたものの、ホイールに関しては市販の完組ホイールを合わせることで対応していた。

特徴的な極太アルミ製のダブルバテッドスポーク特徴的な極太アルミ製のダブルバテッドスポーク
ストレートプルスポークにより剛性を高める。フロントはオーソドックスなラジアル組みストレートプルスポークにより剛性を高める。フロントはオーソドックスなラジアル組み エヴァディオロゴが光るハブ。鮮やかなアルマイト加工によりカラー処理されるエヴァディオロゴが光るハブ。鮮やかなアルマイト加工によりカラー処理される


そんなエヴァディオが新たなステップとして昨夏よりホイールの展開を開始。価格や用途に応じて全5種類のアルミホイールがラインアップされたが、その中でもトップモデルを担うのが「RS25」だ。硬さと加速感を重視し、極太のエアロ形状アルミストレートプルスポークを採用することで高剛性を実現。高い反応性を有したホイールに仕上がっている。

その特徴的なスポークは、マヴィックやエンヴィのホイールにも採用された実績もある台湾のスポークメーカーPillar(ピラー)社のものを使用。アルミ素材のスポークにより剛性を高めるとともに、軽量化にも貢献している。アルミスポークと言えば、フルクラム・レーシングゼロやカンパニョーロ・シャマルなど、いわゆる高性能アルミホイールと呼ばれるものに採用される実績もあり、その性能の高さが伺えるというものだ。

ハブにはセラミックベアリングで評判の高いアメリカの大手ベアリングメーカー、エンデューロ社のメタリックベアリングを採用。高精度のシールドベアリングにより、回転抵抗も少なくスムーズな転がりを実現している。各パーツに妥協のないセレクトをエヴァディオ代表の犬塚氏自ら行うことで、確かな性能を備え製品化に至った。

モデル名を記載したステッカーがリム面1箇所に貼り付けモデル名を記載したステッカーがリム面1箇所に貼り付け 別売りにて販売されるクイックリリース。ホイールとのカラー相性もバッチリ(全8色)別売りにて販売されるクイックリリース。ホイールとのカラー相性もバッチリ(全8色)


リムにはRS25専用の25mmハイトのものを採用。リム幅19.2mmと昨今主流になっているワイドリムにはなっておらず、従来型のタイヤクリアランスを備えるフレームでも問題なく使用が可能だ。各社リムのワイド化が進む中、オーソドックスなアルミリムのルックスはどのバイクともマッチするだろう。

豊富なカラーバリエーションを揃えるのも特徴の1つで、ベーシックなブラックと、リム・スポーク・ハブ全て赤のアルマイト加工が施されたレッドの2種類を基本に、それらを組み合わせるブラック/レッド、レッド/ブラックも展開。さらにブルー、ゴールド、ピンク、グリーンのカラフルなスポーク・ハブを用いた4色も数量限定で販売される。

カラフルなカラーラインアップ。左からブルー、ゴールド、ピンク、グリーン(製品版はハブもスポークと同カラーとなる)カラフルなカラーラインアップ。左からブルー、ゴールド、ピンク、グリーン(製品版はハブもスポークと同カラーとなる) (c)エヴァディオ
オールアルミ素材ながらペア重量は1500gを切る1472gと、アルミのレーシングホイールとしては申し分ない軽さだ。リムはクリンチャータイヤにのみ対応。フリーボディはシマノとカンパニョーロのどちらも用意される。なお、車体とのマッチングを考慮してクイックリリースは付属されず、その分も含め価格を抑えられたと言う。エヴァディオのアクセサリーラインアップには軽量クイックリリースも用意されるため、揃えたい人はそちらを別途購入すれば良い。

今回はこのRS25をトレーニングホイールとしても普段から使用しているシルベストサイクルの藤岡徹也さんよりインプレッションをいただいた。実業団のエリートトップカテゴリーでも活躍する藤岡氏は、このホイールをどう評価するのか。それではインプレッションに移ろう。



ー インプレッション

「軽快感の高い万能ホイール、豊富なカラバリも嬉しいところ」藤岡徹也(シルベストサイクル)

踏んだ時にアルミスポーク特有の反応の良さが光るホイールですね。高剛性ながらリム外周が軽いため、非常に軽快感のある走りをしてくれます。苦手なシチュエーションはなく、オールラウンドに使っていける使い勝手の良い仕上がりになっていると感じました。

「軽快感の高い万能ホイール、豊富なカラバリも嬉しいところ」藤岡徹也(シルベストサイクル)「軽快感の高い万能ホイール、豊富なカラバリも嬉しいところ」藤岡徹也(シルベストサイクル)
1500gを切る重量で、手で持ってみても軽さを感じるところではありますが、乗ったときの走りの軽さも負けてはいません。ホイール外周に軽さを感じるところですが、つくりは非常にしっかりしていて、パワー入力に対しグイグイ進むような加速感が得られます。走りの軽さが際立つため、体重がある人からすると足元に多少ヒラヒラ感を感じるところかもしれませんね。

カラーバリエーション豊富な点も推しのポイントです。カラースポークのホイールはラインアップが少なく、しかもRS25はハブまで同カラーに処理されるためよりインパクトが強いですよね。リム・スポーク・ハブ全て赤いホイールはなかなか無いですし、バイクとのコーディネートを楽しめるホイールだと思います。

ひとつ気になったのはインナーニップルになっている点ですね。外出しのニップルではないため、振れ取りの際はタイヤやリムテープを外さなくてはいけません。しかし、その辺もショップでは問題なく対応可能なので、メンテナンス性に関して大きく気にする必要はないと思います。

ホイールの性格を考えると、アップダウンのあるロードレースやストップアンドゴーが激しいクリテリウムにおいて力を発揮すると感じます。速度変化に対応しやすいため加減速が多いシチュエーションで大いに活躍するでしょう。ワイドリムにはなっていませんが、昨今主流になっている25cタイヤとの相性も悪くないですし、逆に20cのような細身のタイヤを装着できるのもメリットなのではないでしょうか。

エアロロードに合わせて軽快感を高めるも良し。スペシャライズドのTarmacやキャノンデールのSUPERSIX EVOのようなオールラウンドバイクに合わせて性能の底上げをするも良し。練習からレースまで万能にこなせるホイールを探している人には非常にオススメです。

エヴァディオ RS25エヴァディオ RS25 (c)エヴァディオ
エヴァディオ RS25
タイヤタイプ:クリンチャー
素材:フルアルミ
フリーボディ:シマノ、カンパニョーロ
リムサイズ:高さ25mm、幅19.2mm
ペア重量:1472g(フロント647g、リア825g)
カラー:ブラック、レッド、ブルー、ゴールド、ピンク、グリーン、ブラック/レッド、レッド/ブラック
価格:99,800円(税抜)



インプレッションライダーのプロフィール

藤岡徹也(シルベストサイクル)藤岡徹也(シルベストサイクル) 藤岡徹也(シルベストサイクル)

シルベストサイクルみのおキューズモール店で店長を務める28歳。プロロードレーサーとしてマトリックスやNIPPOに所属し国内外のレースを転戦。ツール・ド・フクオカでは優勝、ツール・ド・熊野の個人TTで2位などの実績を持つ。今もシルベストの一員として実業団レースに参戦中。スタッフとして乗り方や最適なアイテムの提案、走行会を通じて「自転車の楽しさを伝える」ことをモットーに活動している。

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