ランプレ・メリダのUCIワールドツアーライセンスを引き継ぐ形で活動するUAEアブダビがチームジャージを発表した。当初は中国のTJスポートとして活動予定だったが、イタリアの伝統チームはバーレーン・メリダに続く中東第2のチームとして船出を迎える。



ジャージデザインを発表したUAEアブダビジャージデザインを発表したUAEアブダビ photo:Team UAE Abu Dhabi


BMCレーシングから移籍するダルウィン・アタプマ(コロンビア)BMCレーシングから移籍するダルウィン・アタプマ(コロンビア) photo:Tim de Waele18あるUCIワールドチーム(UCIワールドツアーライセンス保有チーム)のうち、中東登録のチームは2チームに。新城幸也が所属するバーレーン・メリダに続いて、UAE(アラブ首長国連邦)がバックアップするUAEアブダビが産声をあげる。実質的なランプレ・メリダの後継チームがジャージデザインを発表した。

チームスカイから移籍するベン・スウィフト(イギリス)チームスカイから移籍するベン・スウィフト(イギリス) photo:Kei Tsuji当初ランプレ・メリダは中国企業のバックアップを得てTJスポートとして活動予定だったが、申請書類の不備によってUCIはUCIワールドツアーライセンスの交付を保留。中国側のプロジェクトリーダーの体調不良によって必要書類が揃わず、チームの活動資金を確約できなかったことが原因であるとイタリアのガゼッタ紙は伝えている。

申請のデッドラインが迫る中、急遽新たなスポンサー探しを強いられたジュゼッペ・サロンニGM。スポンサーコンサルタントを務めるマウロ・ジャネッティ氏の橋渡しによってサロンニ氏に救いの手を差し伸べたのは、自転車競技の愛好者であるUAEのマタル・スハイル氏(建設不動産企業会長)だった。UAEでは近年ジロ・デ・イタリア主催者RCSスポルトがドバイツアーやアブダビツアーを開催中。イタリアとの結びつきは強い。

ガゼッタ紙によると、チームはわずか10日間で交渉と契約、書類申請までを完了。UCIワールドツアーライセンスを保持するとともに、12月20日にUCIが発表した最終的なUCIワールドチームリストに滑り込んだ。サロンニGMは「チーム存続を断念することを考える暇もなかった。10日間で全てを決定し、話を固めた。このチャンスを逃せば全てが台無しになると分かっていた」と語っている。

チーム名はシンプルにUAEアブダビで、スポンサー企業の名前は入らない。今回発表されたジャージは白と黒を基調としたシンプルなもので、こちらにもスポンサー名は無し。腹部に描かれたグランドモスクのシルエットの上に、白緑赤のUAE国旗がなびく。チームはカンパニョーロのコンポーネントを搭載したコルナゴバイクを使用する。

現在判明している25名のメンバーのうち、ランプレ・メリダからの継続選手は16名。新たにダルウィン・アタプマ(コロンビア)やベン・スウィフト(イギリス)、アンドレア・グアルディーニ(イタリア)、マルコ・マルカート(イタリア)らがチームに加わる。チームリーダーを務めるのはランプレ・メリダ時代から変わらずルイ・コスタ(ポルトガル)とディエゴ・ウリッシ(イタリア)、そしてルイス・マインティーズ(南アフリカ)だ。

装い新たに出発する伝統チームは1月15日に開幕するツアー・ダウンアンダーで初戦を迎える。ダウンアンダーではスウィフトがエースを担う予定だ。

text:Kei Tsuji

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