北欧ノルウェーを舞台に開催されたツアー・オブ・ノルウェー。山岳ステージで逃げ切ったピーター・ウェーニングがリードを守りきり、総合優勝に輝いた。



雪が残るノルウェーの山岳地帯を走る雪が残るノルウェーの山岳地帯を走る photo:CorVos


集団内で走るピーター・ウェーニング(オランダ、ルームポット・オレンジペロトン)集団内で走るピーター・ウェーニング(オランダ、ルームポット・オレンジペロトン) photo:CorVos落車した窪木一茂(NIPPOヴィーニファンティーニ)落車した窪木一茂(NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:CorVosステージ2勝を飾ったエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)ステージ2勝を飾ったエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) photo:CorVos総合トップスリー。ピーター・ウェーニング(オランダ、ルームポット・オレンジペロトン)が中央に立つ総合トップスリー。ピーター・ウェーニング(オランダ、ルームポット・オレンジペロトン)が中央に立つ photo:CorVos5月18日から22日にかけての5日間、北欧ノルウェーを舞台としたステージレース「ツアー・オブ・ノルウェー」が開催された。

1999年から2010年まではリンゲリケ・グランプリとして行われていた大会だが、同レースが2011年よりワンデイレースに変更されたことを受け、グラスウールの製造会社、グラヴァ社をタイトルスポンサー迎え2011年にリスタート。正式名称はグラヴァ・ツアー・オブ・ノルウェーであり、2014年からはUCIのHCレースに格上げされている。

伝統的に強豪選手を輩出し、2017年には南部の街・ベルゲンでロード世界選手権が開催されるノルウェー。国内での自転車競技人気も高く、今大会にも地元のスター選手であるエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ディメンションデータ)や2014年のU23世界王者スヴェンエリック・ビストロム(ノルウェーナショナルチーム)らが凱旋参加。NIPPOヴィーニファンティーニからは全日本王者の窪木一茂と小石祐馬が出場した。

5日間のうちに設定された難関山岳は第2ステージ終盤の一つだけで、昨年はこのステージで逃げ切り勝利を挙げたジャスパー・ハンセン(デンマーク、ティンコフ)がリードを維持して優勝に輝いた。

開幕ステージの集団スプリントはスティール・ヴォンホフ(オーストラリア、ワンプロサイクリング)が獲り、迎えた2日目。終盤までに逃げを捉え、雪が残る最難関の1級山岳(登坂距離11.3km、平均勾配7%)でピーター・ウェーニング(オランダ、ルームポット・オレンジペロトン)が単独アタック。そのまま下りと平坦をこなして後続を46秒振り切りフィニッシュし、一躍総合リーダーに浮上した。

登坂距離2.3km、平均勾配7.9%の2級山岳ゴールが用意された第3ステージではマッズ・ペデルセン(デンマーク・ストルティングサーヴィスグループ)がルイス・マス(スペイン、カハルーラル)と共に逃げ切り、勝利を掴んだ。2名は総合で大きく遅れていたため、ステージ4位に入ったウェーニングは危なげなく首位を守りきる。

そして第4ステージでは、ノルウェーナショナルチャンピオンのボアッソンハーゲンがソンドレホルスト・エンゲル(ノルウェー、ノルウェーナショナルチーム)を下してスプリント勝利。続く最終ステージでも最終盤にアタックを仕掛け、集団を8秒引き離して2連勝を達成。しかしウェーニングの総合首位を揺るがすには至らず、危なげなく集団内で走りきったウェーニングが総合優勝に輝いた。

「ボアッソンハーゲンがアタックした時は危険を感じたが、集団も大きかったので落ち着いてレースを進めた。こうしたレースは得意分野で、チームの若い選手たちはよくやってくれた」と言うウェーニング。2003年から2011年までラボバンク、2015年までオリカ・グリーンエッジに所属していた35歳ウェーニングにとってはおよそ2年ぶりの勝利となった。



ツアー・オブ・ノルウェー2016結果
5月18日(水)第1ステージ ドランメン〜ランゲサンド(174km)

1位 スティール・ヴォンホフ(オーストラリア、ワンプロサイクリング)        4h19’31”
2位 フィル・バウハウス(ドイツ、ボーラ・アルゴン18)
3位 ヤニック・マルティネス(フランス、デルコ・マルセイユプロヴァンスKTM)
4位 ロビン・ステヌイ(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)
5位 トッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・ソウダル)


5月19日(木)第2ステージ クラガロ〜リューカン(211km)
1位 ピーター・ウェーニング(オランダ、ルームポット・オレンジペロトン)
2位 ソンドレ・ホルストエンゲル(ノルウェー、ノルウェーナショナルチーム)
3位 クリスティアン・エイキングオッド(ノルウェー、ノルウェーナショナルチーム)
4位 ファブリシオ・フェラーリ(アルゼンチン・カハルーラル)
5位 サンデル・アルミー(ベルギー、ロット・ソウダル)
5h17’00”
+46”







5月20日(金)第3ステージ リューカン〜イェイロ(168km)
1位 マッズ・ペデルセン(デンマーク・ストルティングサーヴィスグループ)
2位 ルイス・マス(スペイン、カハルーラル)
3位 ソンドレホルスト・エンゲル(ノルウェー、ノルウェーナショナルチーム)
4位 ピーター・ウェーニング(オランダ、ルームポット・オレンジペロトン)
5位 サンデル・アルミー(ベルギー、ロット・ソウダル)
4h24’40”
+04”
+35”
+36”
+37”




5月21日(土)第4ステージ フラ〜エッゲモーエン(174km)
1位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)
2位 ソンドレホルスト・エンゲル(ノルウェー、ノルウェーナショナルチーム)
3位 ポール・マルテンス(ドイツ、ロットNLユンボ)
4位 ミカエル・シュワルツマン(ドイツ、ボーラ・アルゴン18)
5位 マルコ・マルカート(イタリア、ワンティ・グループグベルト)
4h16’17”








5月22日(日)第5ステージ ドローバック〜サルプスボルグ(163km )
1位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)
2位 ソンドレホルスト・エンゲル(ノルウェー、ノルウェーナショナルチーム)
3位 オーガスト・イェンセン(ノルウェー、チームコープ)
4位 トロンド・トロンドセン(ノルウェー、チームスペアバンケン)
5位 トッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・ソウダル)
3h59’17”
+08”







個人総合成績
1位 ピーター・ウェーニング(オランダ、ルームポット・オレンジペロトン)
2位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)
3位 ソンドレ・ホルストエンゲル(ノルウェー、ノルウェーナショナルチーム)
4位 クリスティアン・エイキングオッド(ノルウェー、ノルウェーナショナルチーム)
5位 サンデル・アルミー(ベルギー、ロット・ソウダル)
22h17’20”
+23”
+33”
+55”
+57”


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