2009年2月11日、ツール・ド・ランカウイ(UCI2.HC)の第3ステージが行なわれ、大集団でのスプリントバトルを今一度マッティア・ガヴァッツィ(イタリア、ディキジョヴァンニ)が制した。ここまで負け無しパーフェクトのガヴァッツィは、もちろん総合成績でもトップに君臨している。

揃ってスタートのサインをするEQA・梅丹本舗・グラファイトデザインのライダーたち揃ってスタートのサインをするEQA・梅丹本舗・グラファイトデザインのライダーたち photo:Hitoshi.OMAEランカウイ第3ステージは海沿いの街マラッカをスタートし、内陸部を経てスタート地に帰着する186kmで行なわれた。105km地点に4級山岳ケサンが登場するものの、そこからゴールまで80kmに渡って平坦路が続く。翌日からレースは山岳地帯に突入するため、スプリンターたちにとって前半戦最後の活躍のチャンスだ。

レースは開始早々1km地点でアリアフメド・ファラニー(マレーシア、マレーシアナショナルチーム)とリカルド・ファンデルフェルド(オランダ、ガーミン)のアタックが決まり、遅れてソ・ソッキュ(韓国、ソウルサイクリング)がこれに合流。この3名は60km地点で8分15秒のリードを稼ぎ出した。

逃げの3人。前からファラニー(マレーシアナショナルチーム)、ソッキュ(ソウルサイクリング)、ファンデルフェルド(ガーミン)逃げの3人。前からファラニー(マレーシアナショナルチーム)、ソッキュ(ソウルサイクリング)、ファンデルフェルド(ガーミン) photo:Hitoshi.OMAEメイン集団をコントロールしたのは、リーダージャージ保有チームであり、ここまでの集団スプリント負け無しのディキジョヴァンニ。このスプリント3勝目を狙うチームの集団牽引により、先頭3名のリードは徐々に削られた。この日唯一の4級山岳はソ・ソッキュが獲得したが、ジェンス・ヴァンレンスブルク(南アフリカ、南アフリカナショナルチーム)の山岳賞トップの座は揺らいでいない。

やがてゴールまで40kmを切るとタイム差は2分を切り、先頭3名はその抵抗空しくラスト16kmで吸収。ここから総合4位のディミトリ・グルージェフ(カザフスタン、カザフスタンナショナルチーム)がカウンターアタックを仕掛け、単独で最大15秒のリードを稼ぎ出すも、ラスト4kmで吸収された。

マッティア・ガヴァッツィ(イタリア、ディキジョヴァンニ)が3勝目を挙げるマッティア・ガヴァッツィ(イタリア、ディキジョヴァンニ)が3勝目を挙げる photo:Hitoshi.OMAEディキジョヴァンニに対抗すべく、フジ・セルヴェットやガーミン、そしてEQA・梅丹本舗・グラファイトデザインがトレインを形成。しかしこの日も最強スプリンター・ガヴァッツィの勢いは止まらなかった。

イエロージャージを着るガヴァッツィは、スプリントでクリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン)とオレリアン・クレール(スイス、アージェードゥーゼル)を下して勝利。圧巻の3連勝で、ランカウイ前半戦を締めくくった。もちろん総合トップの座はキープしている。

連日スプリントに絡んでいた日本勢は、新城幸也(Bboxブイグテレコム)の21位が最高位。Bboxブイグテレコムはヨアン・ジェーヌ(フランス)が10位に送り込んでいる。

序盤の平坦3連戦を終え、レースは翌日から内陸部に移行する。大会最長の221kmで行なわれる第4ステージは、コース後半に3級山岳ブキット・タンガと2級山岳ゲンティン・ペレスが登場。これらの山岳で総合争いは動き始める。

ツール・ド・ランカウイ2009第3ステージ結果
1位 マッティア・ガヴァッツィ(イタリア、ディキジョヴァンニ)4h33'29"
2位 クリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン)
3位 オレリアン・クレール(スイス、アージェードゥーゼル)
4位 ノラン・ホフマン(南アフリカ、南アフリカナショナルチーム)
5位 デニス・コスチュック(ウクライナ、ISD)
6位 レネ・ハーゼルバッハー(オーストリア、フォアアールベルク)
7位 ヒルトン・クラーク(オーストラリア、フジ・セルヴェット)
8位 イゴール・アバコモフ(ベルギー、ISD)
9位 サマイ・サマイ(インドネシア、レテュア・サイクリングチーム)
10位 ヨアン・ジェーヌ(フランス、ブイグテレコム)

個人総合成績
1位 マッティア・ガヴァッツィ(イタリア、ディキジョヴァンニ)11h21'54"
2位 クリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン)+18"
3位 ノラン・ホフマン(南アフリカ、南アフリカナショナルチーム)+20"
4位 リカルド・ファンデルフェルド(オランダ、ガーミン)
5位 アレクサンドル・プリウスチン(モルドバ、アージェードゥーゼル)+21"
6位 オレリアン・クレール(スイス、アージェードゥーゼル)+22"
7位 ディミトリ・グルージェフ(カザフスタン、カザフスタンナショナルチーム)+23"
8位 クリスティアン・メイヤー(カナダ、ガーミン)+29"
9位 ロマン・ジイエンターエフ(カザフスタン、カザフスタンナショナルチーム)
10位 ホセイン・ナテギ(イラン、イランナショナルチーム)+30"

ポイント賞
マッティア・ガヴァッツィ(イタリア、ディキジョヴァンニ)

山岳賞
ジェンス・ヴァンレンスブルク(南アフリカ、南アフリカナショナルチーム)

アジアンライダー賞
ディミトリ・グルージェフ(カザフスタン、カザフスタンナショナルチーム)

チーム総合成績
南アフリカナショナルチーム

アジアンチーム総合成績
マレーシアナショナルチーム