前日受けた講習会を参考に、八重山そば大盛り(おかわり付き)で炭水化物の補給をバッチリこなしつつ、いよいよイベント迎えたイベント当日。しかし朝起きてみると低気圧の影響で激しい強風が・・・。果たして無事ゴールを迎えられるのか?シクロワイアード編集部・磯部の実走レポートをお伝えします。

スタート地点に集合 この時点ではまだ肌寒いスタート地点に集合 この時点ではまだ肌寒い
深夜には台風のような暴風雨が吹き荒れた石垣島。幸いなことに明け方に雨は上がったものの、強い北からの風が吹きつけている。コースは石垣島西側を北上するので、往路はひたすら向かい風の中を進むことになりそう。

「このまま暴風雨が収まらなければ、楽しいはずのイベントが、ただの過酷なトレーニングになってしまうなあ。」そんなことを思っていたのは私だけではないはずだ。誰か日ごろの行いが良くない人がいるのだろうか・・・。
少なくとも私ではないはず?ですが。

いよいよスタート!南国のコースへ飛び出していくいよいよスタート!南国のコースへ飛び出していく 午前6時過ぎ、まだ薄暗い会場には続々と参加者の皆さんが集まってくる。石垣島の11月の平均気温は23℃ほどであるが、今日は17℃ほどにとどまっていて若干肌寒い。私もアームウォーマーを装備して、撮影機材でいっぱいのリュックにウインドベストを詰め込んで出走準備は万全だ。

7時のスタートに向けてメカニックサービスは大忙しで、スタート後は車で追いかけてエイドステーションでメカブースを開くとのこと。万が一途中トラブルがあれば現場に急行してサポートをしてくれると云うから安心この上ない。

だんだんと空も白み始めるが、風は依然として強いまま。予定時刻の7時を迎え、いよいよスタートだ!10人ほどが1分間隔でゆっくり石垣の道へと走り出していく。私も写真を撮影しつつ中盤グループでスタートを切った。

スタートしてから第一エイドステーションまでは、海沿いで吹きさらしのルートが続く。みなさんキツい表情だが、今日はイベントで、一緒に走る仲間がたくさんいる。みんなで「キツいですねぇー」なんて話しながら進めば、あっという間に次のエイドステーションが近づいてくる。

親子で参加するにはぴったりのイベント親子で参加するにはぴったりのイベント おそろいのチームジャージで走るのもまた楽しいおそろいのチームジャージで走るのもまた楽しい


琉球文化あふれる唐人の墓など、石垣の風景を横目に見つつ、ずっと続く1本道のルートを進む。途中雨も降り出してくるが、スタート時よりも気温が上がっているので、それほど苦にならない。いかにも南国らしい気候だ。そもそも11月の東京でこんな天気だったら、寒くて自転車なんか乗らないだろう。取材という大義名分に隠れて、南国の島を走り廻れるなんて、この上ない素晴らしい役得!

ゴーヤ君がお見送りしてくれましたゴーヤ君がお見送りしてくれました ビーチを眺めて小休止ビーチを眺めて小休止


約30kmの道のりを走った後、第1エイドステーションの「やえやまファーム」に到着。
ここでは、地元のバナナや黒糖など、軽めの補給が中心だ。まだ走り始めて30kmほどだが、向かい風の中を走っているので少し疲労感がたまっている。この先のことを考えてしっかり頂くことにしましょう。
疲れた体には糖分が一番!とついつい黒糖やフルーツを食べ過ぎてしまったのはここだけの話。

序盤でもしっかりと補給を摂ろう序盤でもしっかりと補給を摂ろう 大活躍してくれた移動メカニックブース大活躍してくれた移動メカニックブース


このエイドを出てすぐに本格的な丘陵地帯が始まる。すると雨も上がって天気も少しづつではあるが回復してきた。だんだんと南国のリゾートイベントというイメージ通りになってきた。丘に遮られてキツい向かい風も少し和らぐのでより走りやすくなってきている。よしよし、やっぱ、リゾートライドはこうじゃなきゃね!

ところで石垣島といえば、現在ユーロップカーで活躍する新城幸也選手の生まれ故郷として有名である。
第1エイドを出てしばらくすると通りがかるユキヤのオバア(おばあさん)の家では、なんと私設のエイドステーションが用意され、参加者全員をおもてなししてくれていた。気になるその内容も、黒糖サーターアンダギーや、フルーツ類にドリンクと参加者大満足。親戚一同集まって朝早くから準備してくれていたという。

人懐っこい笑顔で人気者のユキヤのオバァ 隣は親戚のおじさんです人懐っこい笑顔で人気者のユキヤのオバァ 隣は親戚のおじさんです スターフルーツは初めて食べました いかにも南国の味!スターフルーツは初めて食べました いかにも南国の味!


「あーシクロワイアードさん!ほらほらスターフルーツたくさん食べていきなさい!」
新城選手のお母さんに呼ばれてスターフルーツを頂く。甘酸っぱくて水分をいっぱいに含んだいかにも南国の味が体に嬉しい。

ちなみにオバァの家の前を走るこの道路はいつからか「新城幸也ロード」と呼ばれているそう。地元ぐるみで自転車に力を入れていることを知ると、なんだかとっても嬉しくなってしまった。

ついつい食べ過ぎてしまった揚げたてサーターアンダギーついつい食べ過ぎてしまった揚げたてサーターアンダギー 第2エイドではシーサーがお出迎え第2エイドではシーサーがお出迎え


ほどなくして到着した第2エイド「米原ビーチ」。なんとなく漂う甘い香りにつられてテントへ向かうと、その場でサーターアンダギーを揚げている!大の甘いモノ好きの私はその美味しさにまたもついつい食べ過ぎて、ボトルの水をカラにしてしまった。 「スミマセン・・・お水を頂けますか?」

取材に勤しむ私。「編集長、ちゃんと仕事してますからね。」取材に勤しむ私。「編集長、ちゃんと仕事してますからね。」 その後アップダウンと向かい風に打ちひしがれて、なんとか到着した「船越漁港」エイドステーションでは、あったかいお昼ごはんが用意されいた。

石垣の地料理であるダシの効いた「牛汁」や、特産アブラ味噌のおにぎりがふるまわれ、その美味しさについつい食べ過ぎてしまって走り出すのが苦しくなってしまうほど。

南国の海を眺めながら、おいしい食べ物を楽しみながら小休止なんて、とっても素敵ですよね?

それなりには走れるという自信のあった私だが、アップダウンに加えて、ありがた迷惑な向かい風のおかげで、50kmという距離以上に脚にきてしまっている。

ここまでに立ち寄ったエイドで、サーターアンダギーや牛汁、アブラ味噌にぎりなどをガッツリと補給してしまっている私には、この先の125kmオプションコースがキツそうですが、頑張ってこの先のギバリヨーコースを目指すことにします。

皆で食べるお昼ご飯は最高においしい!皆で食べるお昼ご飯は最高においしい! これが名物アブラ味噌のおにぎり 3つ頂きましたこれが名物アブラ味噌のおにぎり 3つ頂きました


走りながらみなさんに話を伺うと「意外と上りが多くて驚きました。」という意見が多かった。
そうなのです、実は島の中央部にある標高526mの於茂登岳(おもとだけ)は沖縄県の最高峰。それを中心とする石垣島の道路はかなりのアップダウンを有しているのです。

これから挑むギバリヨーコースを前に、嬉しい応援これから挑むギバリヨーコースを前に、嬉しい応援 あまりのキツさに笑ってしまうあまりのキツさに笑ってしまう


今回私はシクロワイアード編集部という特権を生かして事前に情報をキャッチし、シクロワイアード号のギアには28Tを装備してきた。延々続くアップダウン+向かい風のコンディションでは私の大きな味方となってくれた。

途中休憩を入れつつ、辿り着いた「平久保岬展望台」は、三方を海に囲まれた素晴らしいロケーションを有する。そこから眺める雄大な景色は、都会の中で生活するストレスを一気に洗い流してくれるような気分になる。

心が洗われるような雄大な眺め心が洗われるような雄大な眺め
途中石垣島アースライドのコース上には、おいしそうなカフェや休憩スポットが点在している。そんなところにふらりと寄ることができるのもアースライドの自由なところだ。

実際に私が立ち寄ったアイスクリーム屋さんで頂いた「すぐ裏手にいる牛さんのお乳を使った」ジャージーソフトクリームは最高においしかった。酪農が盛んな石垣ならではの楽しみと言える。

さあ、ここまで来たら後は追い風に乗って一路ゴールを目指すのみ。一緒に走って仲良くなった皆さんとトレインを組み、気持ちの良いペースで南下する。やっぱりファンライドはこうでなきゃいけませんね。向かい風でとても苦しい思いをしたアップダウンも、追い風を味方にしてしまえばなんのその。

この丘を越えれば終点の平久保崎この丘を越えれば終点の平久保崎 無事にゴール みなさんお疲れ様でした無事にゴール みなさんお疲れ様でした


エイドステーションで軽く休息を入れつつも、あっと言う間に終着地点の会場が近づいてくる。終わってしまうのがもったいないような気もしつつ、くぐったゴールゲートではたくさんの笑顔が出迎えてくれた。

ゴールした後はお楽しみサンセットパーティー

パーティのフィナーレは恒例のカチャーシー みんなで踊る!パーティのフィナーレは恒例のカチャーシー みんなで踊る! 石垣島アースライドはゴールしてもまだまだ終わらない。みなさんお待ちかねのサンセットパーティーが開催されるのが恒例となっている。司会に白戸太郎さんを迎えて、まずはオリオンビールや泡盛で乾杯!いやー、仲良くなったみんなと一緒にいただくのは、本当に美味しくって楽しいですね。知らず知らずのうちに仲間ができていくのもロングライドの楽しいところ。

地元出身アーティストである仲田かおりさんのスペシャルライブを聴き、気分も盛り上がってきたところで恒例の沖縄の伝統文化であるカチャーシー。最後は参加者もスタッフも、みんなででステージに上がり、踊りまくってフィナーレを迎えるのでした。


このあとは、翌日行われたオプショナルツアー「西表島アースライド」にも同行しました。その模様は次回に続きます。


text&photo:So.Isobe
edit:Kenji.Degawa