「コークスクリュー(コルク栓抜き)」と名付けられたKOM(山岳賞)が、ゴールの僅か7km手前に設定されたツアー・ダウンアンダー第2ステージ。スイッチバックが続く平均勾配9%の登りで、総合優勝の行方を決めかねないアタック合戦が繰り広げられた。

Raphaの移動式カフェで休憩するスカイプロサイクリングRaphaの移動式カフェで休憩するスカイプロサイクリング photo:Kei Tsuji全長116kmのショートステージが、午前11時、アデレードの東35kmに位置するマウントバーカーをスタートした。

相変わらず太陽光線は容赦ないが、影に入ると涼しげな南オーストラリア。この日もUniSAオーストラリアが義務であるかのようにファーストアタックを繰り出した。

宮澤崇史(日本、サクソ・ティンコフ)「よーし!行くぞー!」宮澤崇史(日本、サクソ・ティンコフ)「よーし!行くぞー!」 photo:Kei Tsuji逃げに乗ったのは4名。1月3日から6日にかけて行なわれたジェイコ・ヘラルドサンツアーで史上最年少の総合優勝を果たしたカルヴィン・ワトソン(オーストラリア、UniSAオーストラリア)と、ウィリアム・クラーク(オーストラリア、アルゴス・シマノ)、クリストファー・イェンセン(デンマーク、サクソ・ティンコフ)、そしてギヨーム・ボナフォン(フランス、アージェードゥーゼル)。

逃げを見送り、ペースを緩めるメイン集団逃げを見送り、ペースを緩めるメイン集団 photo:Kei Tsujiこの日の勝負ポイントは、何と言ってもゴールの7km手前に位置する「コークスクリュー」の登りだ。平均勾配9.0%・登坂距離2.4kmという登りが、スプリンターたちのチャンスを奪う。そのため、前日に圧倒的なスプリントを披露したアンドレ・グライペル(ドイツ)擁するロット・ベリソルは集団コントロールの任務を放棄。代わりにスカイプロサイクリングとオリカ・グリーンエッジ、そしてBMCレーシングチームがコントロールを受けもった。

2分半のリードを得た先頭4名に対し、メイン集団の先頭ではベルンハルト・アイゼル(オーストリア、スカイプロサイクリング)とルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、グリーンエッジ)が率先して風を受ける。

メイン集団が背後に近づくと、昨年UniSAオーストラリアの一員として出場した独走逃げ切り勝利を飾ったクラークが独走を開始する。しかし「コークスクリュー」の登り口に向けて激しいポジション争いを繰り広げるメイン集団はハイスピード化。最後まで生き残ったクラークもラスト17kmで吸収された。

観客が詰めかけたハンドルフの街を通過観客が詰めかけたハンドルフの街を通過 photo:Kei Tsujiコークスクリューの登りに向かうメイン集団コークスクリューの登りに向かうメイン集団 photo:Kei Tsuji

ベルンハルト・アイゼル(オーストリア、スカイプロサイクリング)が牽引するメイン集団ベルンハルト・アイゼル(オーストリア、スカイプロサイクリング)が牽引するメイン集団 photo:Kei Tsuji

コークスクリューで飛び出すジョージ・ベネット(ニュージーランド、レディオシャック・レオパード)とゲラント・トーマス(イギリス、スカイプロサイクリング)コークスクリューで飛び出すジョージ・ベネット(ニュージーランド、レディオシャック・レオパード)とゲラント・トーマス(イギリス、スカイプロサイクリング) photo:Kei Tsujiリーダージャージを着るグライペルもチームメイトのために集団先頭へ。「コークスクリュー」の登りが始まるとヤン・ウゲ(フランス、アルゴス・シマノ)やアンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター)、マシュー・ロイド(オーストラリア、ランプレ・メリダ)らがアタックを仕掛けて集団を縦に伸ばす。

勾配10%オーバーのスイッチバック区間が近づくと、ジョージ・ベネット(ニュージーランド、レディオシャック・レオパード)が飛び出した。

3番手でコークスクリューを登るハビエル・モレーノ(スペイン、モビスター)3番手でコークスクリューを登るハビエル・モレーノ(スペイン、モビスター) photo:Kei Tsujiベネットに唯一反応出来たのは、下ハンドル&シッティングでギアを踏むトーマス。「この1週間ずっとコークスクリューでのアタックについて考えていた」というトーマスはそのまま先頭を奪い、独走で「コークスクリュー」の頂上を通過してみせる。アデレード市内のゴールに向けてハイスピードダウンヒルを開始した。

数秒遅れで続いたベネット、ベン・ヘルマンス(ベルギー、レディオシャック・レオパード)、ハビエル・モレーノ(スペイン、モビスター)は、ラスト5kmで先頭トーマスに合流。

そのすぐ後ろにはアダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ベリソル)やダニエーレ・ピエトロポッリ(イタリア、ランプレ・メリダ)ら11名が続く。

スイッチバックが続くコークスクリューの登りスイッチバックが続くコークスクリューの登り photo:Kei Tsuji

コークスクリューの登りで先頭から遅れるフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)コークスクリューの登りで先頭から遅れるフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム) photo:Kei Tsuji先頭トーマス、ベネット、ヘルマンス、モレーノは、追走グループを振り切ってラスト1km。ヘルマンスのためにベネットが献身的にリードアウトしたが、ラスト300mでトーマスが鋭い加速でスプリント体勢に入る。トラックレースで磨かれた圧倒的な加速力で、トーマスが1秒差を付けて勝利した。

およそ60番手でコークスクリューを登る宮澤崇史(日本、サクソ・ティンコフ)およそ60番手でコークスクリューを登る宮澤崇史(日本、サクソ・ティンコフ) photo:Kei Tsujiニックネームは「G」。2008年北京オリンピック&2012年ロンドンオリンピック、そして2007年、2008年、2012年のトラック世界選手権の団体追い抜きで金メダルを獲得(ロンドンでは3分51秒659のワールドレコードをマーク)しているトーマスが勝利した。

スプリントでモレーノとヘルマンスを突き放してゴールするゲラント・トーマス(イギリス、スカイプロサイクリング)スプリントでモレーノとヘルマンスを突き放してゴールするゲラント・トーマス(イギリス、スカイプロサイクリング) photo:John Veage/Tour Down Underボーナスタイムを合わせ、5秒のリードで総合首位に立ったトーマス。「ロンドンオリンピックの後、トラック向けに増やしていた体重を落とすためにトレーニングを積んできた。冬の間にかなりの距離を乗ったんだ。だから今日の勝利は冬場の成果だと言える」。

ステージ優勝を飾ったゲラント・トーマス(イギリス、スカイプロサイクリング)ステージ優勝を飾ったゲラント・トーマス(イギリス、スカイプロサイクリング) photo:John Veage/Tour Down Under「総合リーダージャージはボーナスだ。ジャージを着るからには守りきりたいと思う」と話すトーマスに、アルヴェセン監督も「これからはチームとしてジャージを守るために動く」と同意する。「ゲラントは12月の時点ですでに好調だった」とも。

一方、期待されたサイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)やフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)、アンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・レオパード)らは、いずれも「コークスクリュー」で勝負に絡めず、数分遅れでフィニッシュ。最終日前日の「オールドウィランガヒル」を待たずして、早くも総合争いから姿を消した。

また、ゴールに向かうダウンヒル区間では、ジルベールやロイドを含む数十名が落車。アルノー・クーテル(フランス、FDJ)とジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)が病院に搬送されている。それぞれ鼻骨と肋骨骨折の疑いでX線検査を受ける予定だ。

気合いのこもった表情でスタートした宮澤崇史(サクソ・ティンコフ)は、2分36秒遅れの65位でゴール。「今日は逃げに乗ろうと思っていたけど、スタートから同じく動いていたチームメイトのクリスが乗った」と言う。

オフシーズンのトレーニングをローラー中心に切り替える試みを行なったため「実走距離が少ないのでまだバイクに乗れていない感じがする」と言いながらも、65位という結果については「悪くない」。本格的なシーズンインに向けて、長い眼でコンディショニングを行なっている様子だ。


ツアー・ダウンアンダー2013第2ステージ結果
1位 ゲラント・トーマス(イギリス、スカイプロサイクリング)         2h44'18"
2位 ハビエル・モレーノ(スペイン、モビスター)                 +01"
3位 ベン・ヘルマンス(ベルギー、レディオシャック・レオパード)
4位 トムイェルテ・スラグテル(オランダ、ブランコプロサイクリング)       +04"
5位 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ベリソル)
6位 ダニエーレ・ピエトロポッリ(イタリア、ランプレ・メリダ)
7位 ジャック・バウアー(ニュージーランド、ガーミン・シャープ)
8位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ブランコプロサイクリング)
9位 ヨン・イサギーレ(スペイン、エウスカルテル)
10位 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、レディオシャック・レオパード)
65位 宮澤崇史(日本、サクソ・ティンコフ)                  +2'36"

個人総合成績
1位 ゲラント・トーマス(イギリス、スカイプロサイクリング)         6h19'18"
2位 ハビエル・モレーノ(スペイン、モビスター)                 +05"
3位 ベン・ヘルマンス(ベルギー、レディオシャック・レオパード)         +07"
4位 ダニエーレ・ピエトロポッリ(イタリア、ランプレ・メリダ)          +14"
5位 トムイェルテ・スラグテル(オランダ、ブランコプロサイクリング)
6位 ヨン・イサギーレ(スペイン、エウスカルテル)
7位 ゴルカ・イサギーレ(スペイン、エウスカルテル)
8位 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ベリソル)
9位 ジャック・バウアー(ニュージーランド、ガーミン・シャープ)
10位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック・レオパード)
74位 宮澤崇史(日本、サクソ・ティンコフ)                  +4'05"

山岳賞
ゲラント・トーマス(イギリス、スカイプロサイクリング)

ポイント賞
ダニエーレ・ピエトロポッリ(イタリア、ランプレ・メリダ)

新人賞
トムイェルテ・スラグテル(オランダ、ブランコプロサイクリング)

チーム総合成績
レディオシャック・レオパード

text&photo:Kei Tsuji in Adelaide, Australia
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