アスタナはストレス無くツール・ド・フランスに挑む。シーズン序盤から財政難が続いていたが、ブリュイネール監督とカザフスタン自転車競技連盟の合意により契約金が支払われた。そしてチームはツールのメンバー6名を発表。アームストロング(アメリカ)やコンタドール(スペイン)を中心に据えた強力なラインナップだ。

ツール・ド・フランスを前にチーム存続が確約されたアスタナツール・ド・フランスを前にチーム存続が確約されたアスタナ photo:Kei Tsujiスポンサーの契約金未払い問題に揺れていたアスタナチーム。ジロ・デ・イタリア期間中にはスポンサーロゴを薄くしたジャージを着用するなど、チーム存続の危機を迎えていた。しかしツールを前にしたこの時期にようやく事態は収拾。チーム存続の道が開けた。

アスタナのプレスリリースによると、チームのヨハン・ブリュイネール監督とチームライセンスを有するカザフスタン自転車競技連盟が会合を行い、スポンサー契約に関して合意に達した。チームはすでに6月10日にマネジメント会社への契約金の振込みを確認。シーズン終了までの支払いが確約されている。

ブリュネール監督のコメント
「ツール・ド・フランス開幕を16日後に控え、今選手たちに必要なのは心の平静だ。困難な状況下でも、忍耐強く闘い続けてくれた選手やスタッフ全員に感謝している。とにかく今はこのチームを継続できることに喜びを感じている。こんな強力なチームが、世界最大の自転車イベント(ツール)に出場できないなんて想像できなかったからね。これはチームにとって新たなスタートだ。経済危機が叫ばれている今、資金を調達してくれたカザフスタン政府に感謝している。彼らにはロードレースに投資したいという強い願いがある。彼らの期待を裏切るわけにはいかない。スポンサーの代表として、プライドをもって闘う」。

アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ) “新たなスタート”を切るアスタナチームは、ツールに向けて主力メンバー6名を発表。ツール7連覇達成後に引退し、今シーズン復帰を果たしたランス・アームストロング(アメリカ)と、2007年ツールの総合優勝者で、昨年ジロ・デ・イタリアとブエルタ・ア・エスパーニャを制したアルベルト・コンタドール(スペイン)を中心にした強力な布陣だ。

ランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ)ランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ) photo:Kei Tsujiエースを支えるのは、2004年&2006年総合2位のアンドレアス・クレーデン(ドイツ)や、2007年総合3位&ツアー・オブ・カリフォルニア3連覇のリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ)。これに強力なアシストとしてヤロスラフ・ポポヴィッチ(ウクライナ)とアイマル・スベルディア(スペイン)が加わる。残りの3名は後ほど発表される。

4年ぶりのツール出場を控えるアームストロングは、6月21日にアメリカ・カリフォルニア州で行なわれたネヴァダ・シティ・クラシックで2005年ツール以来の勝利を飾っている。レース終盤に抜け出し、後続を21秒引き離して独走勝利を飾ったアームストロングは、チーム公式サイトの中で「素晴らしいレースだった。ハードだったけど、観客の盛り上がりは最高だった。いい父の日になったよ」とコメントしている。

ツール出場が決定した6名
ランス・アームストロング(アメリカ)
アルベルト・コンタドール(スペイン)
アンドレアス・クレーデン(ドイツ)
リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ)
ヤロスラフ・ポポヴィッチ(ウクライナ)
アイマル・スベルディア(スペイン)

メンバー候補の7名、この中から3名を選出
ヤネス・ブライコヴィッチ(スロベニア)
クリストファー・ホーナー(アメリカ)
ベンハミン・ノバル(スペイン)
デミトリ・ムラフエフ(カザフスタン)
セルジオ・パウリーニョ(ポルトガル)
グレゴリー・ラスト(スイス)
トーマス・ヴァイクス(リトアニア)