今年からワンデイレースに戻ったおきなわ。UCIレースの210kmはふたたび熾烈な戦いが予想される。国内チームの監督ら10人がそれぞれ意気込みを語る。

チャンピオンクラス(UCIレース)の各チームチャンピオンクラス(UCIレース)の各チーム photo:Hideaki.TAKAGI沖縄出身の内間康平(チームNIPPO)が選手宣誓沖縄出身の内間康平(チームNIPPO)が選手宣誓 photo:Hideaki.TAKAGI森兵次レースディレクターの求心力で行われるおきなわ森兵次レースディレクターの求心力で行われるおきなわ photo:Hideaki.TAKAGIサイクリングのスタートは朝7時サイクリングのスタートは朝7時 photo:Hideaki.TAKAGI国頭村与那にて国頭村与那にて photo:Hideaki.TAKAGI
11月24日(土)、ツール・ド・おきなわがいよいよ開幕した。当日はやんばるや本島1周サイクリングの第1日目、朝7時に名護市からスタートしたサイクリストは1200人超。

今年のおきなわはワンデイレースに戻り、主会場も名護市役所西隣となり、実質4年前の状態に戻った。特にUCIレースであるチャンピオンレースは純粋なロードレースの展開となり、それまでどおりの終盤の激しい攻防で数人がばらばらでゴールする、サバイバルな戦いになる可能性が高くなった。

そしてこの日は翌日25日(日)のロードレースの各種受付や開会式が行われた。国内チームの各監督らにその意気込みを語ってもらった。

そこで異口同音に出たのは、大会時期が11月下旬で選手の体調維持が自他チームともにどれくらいできているか、ということ。さらに今回出場のチームで、絶対的に飛びぬけて有力なチームというものがない。
逃げがいつできるか、メンバー・人数は、逃げ切るのか否か。各チームの思惑が交錯するおきなわだ。

さらに11月18日から20日まで行われたツアー・オブ・フーチョウ(UCI2.2、中国福建省)で1ステージと個人総合優勝したチョイ・キーホー(香港)は好調のままおきなわ入り。スキルシマノでも活躍したフローリス・フーシンニン(ドラパック)も参加。おきなわでの走りが注目される。

以下、国内各監督の意気込みを紹介しよう。(スタートリスト順)

愛三工業レーシングチーム 別府匠監督
いくちじまと同じメンバーでチームワークが良いのは確認済み。綾部も怪我明けから年度後半に調子を上げている。ワンデイになったことで逃げの人数とメンバーが重要。今回は若手中心だがこれから先を考えて結果を出すことと同時に経験を積ませることも重要。若手はシーズン後半でも走れるので期待したい。

シマノレーシング 野寺秀徳監督
シーズン終盤だが練習は続けているし、何よりも選手たちの気持ちが高いレベルにあるので期待している。チーム力としてはチャレンジする立場になると思う。レースではミスなく畑中を先頭へ送り込むこと。そして平塚と阿部にも勝つチャンスはあるはず。入部と野中は好調だがアシストに徹することを課す。ワンデイなので少人数の戦いになる。そこに送り込んで勝ちを狙う。

ブリヂストンアンカーサイクリングチーム 宮崎景涼監督
合宿を続けてきているので調子はいい。ミヤタカは過去2回失敗しているので今度こそはと本人も考えている。コースは西薗向きのタフなもの。吉田のスプリントにも井上の強さにも期待できる。伊丹は09年に優勝していて勝ち方を知っている。誰でもいける強みがあると思う。

トレンガヌサイクリングチーム 福島晋一
チームにはスプリンターもいるし、このレースの好きなボクもいるので戦い方の幅がある。コンディションもいいのでチームの誰かが勝てれば。ワンデイなのでいい展開になるのではと思う。

チームNIPPO 大門宏監督
この時期でのレースということだが、移籍が決まっている佐野もオフはなくなるが、自分と相談して出場を決めた。NIPPOでの最後のレースになるので、納得のいく走りをするはず。内間は地元なのでもちろんふさわしい走りをするだろう。今回はワンデイなので本来の展開になるだろう。

宇都宮ブリッツェン 栗村修監督
(当初3名だったが骨折明けの若杉を加えた4名でスタートする)
今回のメンバーは高強度の練習を続けている選手たち。地元の普久原をエースにして飯野と中村はアシスト。戦えるこの3人だけなので動きは制約される。逃げや攻撃の場面で不利。だがワンデイで活発な動きが予想される。飯野には逃げ切れるチャンスがあれば後ろを見ずに踏み続けろと言ってある。それくらいが明確な指示。あとは臨機応変に戦いたい。

鹿屋体育大学 黒川剛監督
語れるほど強くは無いのですが。3年生の黒枝・山本を中心として動きたい。逃げに入るかどうかの見極めは重要。逃げ切りの可能性もあるのでよく考えたい。誰を見て走るのか、そのときに内間や中島のようなチームのOBが身近なので、彼らを見ることがひとつの目標だと思う。

マトリックスパワータグ 安原昌弘監督
マリウス(ヴィズィアック)を中心に展開する。若手をアシストとして、永良を最終アシストとして残しておきたい。3位以内を期待しているが最低でもUCIポイントを取ることが重要。

キャノンデール・スペースゼロポイント 佐藤成彦監督
来年はチーム名が変わる。このチーム名で走る最後のレースなので何かを残したい。最低でもUCIポイントを取りたい。展開は読みにくいが厳しい戦いにはなるだろう。最後の勝負どころにどれだけ残れるかが課題。森本と遠藤を中心に走る。

京都産業大学 秋田謙監督
戦力として一番弱いのは明らかなので、それを認識した上で戦う。吉岡は結果を求めて、ほかは格上の選手に挑戦すること。今年3月にこのコースで3週間合宿をして厳しさを知っているので、高すぎる目標は立てられない。スプリントポイントで動いたり序盤の逃げに乗ったり、最低完走すること以上の何かを残したい。
じつは今回、お願いして招待をいただいた。だからこそ強くそれは思うこと。アマチュア選手たちの模範となって欲しい、という主催者側の言葉を尊重したい。

photo&text:高木秀彰