6月17日、UCI(国際自転車競技連盟)はバイオロジカル・パスポートの情報に基づき、ドーピング違反が確認された5人の選手の名前を発表した。名前が挙がったピエトロ・カウッキオーリ(イタリア、ランプレ)やリカルド・セラーノ(スペイン、フジ・セルヴェット)らに対して、UCIは懲戒手続きを申請している。

今回UCIが発表したドーピング違反者は5名。バイオロジカル・パスポートに基づいた違反者は今回が初めて。違反が見つかった5名に対して、すでにUCIは懲戒手続きを申請している。

UCIが発表したドーピング違反者5名
イゴール・アスタルロア(スペイン)
ピエトロ・カウッキオーリ(イタリア、ランプレ)
フランチェスコ・デボニス(イタリア、ディキジョヴァンニ)
ルーベン・ロバト(スペイン)
リカルド・セラーノ(スペイン、フジ・セルヴェット)

バイオロジカル・パスポートとは、ドーピング撲滅を目指すUCIが昨シーズン導入した新たなアンチドーピングプログラムで、レース内外のドーピング検査(尿検査と血液検査)の結果に加え、血液サンプルの血液学的な分析結果や尿サンプルのステロイド値をデジタルデータとして蓄積。選手たち一人一人の状態を総合的かつ継続的に監視することで、正常値と異常値の判別が可能になるという。パスポートが義務づけられているのは全てのプロツアーチームとワイルドカード登録を済ませたプロコンチネンタルチーム。現在は840名の選手たちがこのプログラムの監視下におかれている。

今回の発表を受け、すでにランプレはピエトロ・カウッキオーリ(イタリア)を、フジ・セルヴェットはリカルド・セラーノ(スペイン)を出場停止状態にした。両チームとも、選手の違反は他チームに所属していた昨シーズンの事例であると主張している。

パトリック・マックエイド会長は6月10日に行なわれた記者会見の中で、バイオロジカル・パスポートに基づいたドーピング違反者を近く発表すると述べ、さらにその対象者が50名に上るとコメントしていた。この先、さらに多くの違反者が発表される可能性が高い。