終盤の6人の逃げに福井の2人、井上和郎と中島康晴が入り磐石の態勢で井上が国体ロード4勝目。少年は序盤からの逃げ切りで小林泰正(群馬)がポイントレースとともに2勝を挙げた。

成年ゴール、井上和郎(福井)に青柳憲輝(栃木)が並ぶ成年ゴール、井上和郎(福井)に青柳憲輝(栃木)が並ぶ photo:Hideaki.TAKAGI
10月7日(日)、岐阜国体5日目最終日はロードレース。美濃市周回コースで、ツアー・オブ・ジャパン美濃ステージと同じ周回コースを使用する。平坦だが一箇所に短いが急な上りがある。TOJでは平地部分のアタックか、または上り区間での絞り込みで決着がつくこともあり、展開が勝負を左右するコース。

1周21.3kmのコースを少年は5周する106.5km、成年は7周する149.1kmのレース。両方ともに逃げの展開で決着して実力者が勝つ結果に。

少年 小林泰正(群馬、高崎工高)が優勝
少年2周目、美濃橋をバックに少年2周目、美濃橋をバックに photo:Hideaki.TAKAGI少年4周目、逃げ続ける6人少年4周目、逃げ続ける6人 photo:Hideaki.TAKAGI
1周目から強力なメンバーによる逃げが決まり、このままゴールへ向かうことに。メンバーは小林泰正(群馬)、城田大和(沖縄)、山本大喜(奈良)、馬渡伸弥(東京)、徳田優(京都)、吉田優樹(福島)。いずれも全国優勝ないし表彰台経験者だ。
もういっぽうの優勝候補、西村大輝(東京)と小橋勇利(愛媛)はマークがきつく、メイン集団にとどまる。
差は最大4分半にまで広がり、ラスト2周でメイン集団がペースアップして一気に1分縮めたが動きもそれまで。逃げは確定的に。
6人で最後の坂へ向かい、ここで小林、城田、山本の3人に。ゴール前の直線、ロングスパートをかけた小林が2位以下を30m以上離して圧勝。今大会でポイントレースに続いて2勝目を挙げた。

小林はトラックのポイントレースでは超高校生級の力でインターハイ、国体と優勝。しかしロードでは結果を出していなかった。「西村君、小橋君は上れるスプリンター。ロードレースで結果を出すには上れないと話しにならないので、今年は練習をつんできました。進路は未定ですが、出場した世界選手権では、世界のトップに決して届かない位置ではないことを確認できました。これからも世界を目指したいです」と意欲的に語る。
少年、小林泰正(群馬)が優勝少年、小林泰正(群馬)が優勝 photo:Hideaki.TAKAGI少年、メイン集団がゴール少年、メイン集団がゴール photo:Hideaki.TAKAGI


成年 井上和郎(福井、ブリヂストンアンカー)が国体4勝目
成年2周目、美濃橋をバックに成年2周目、美濃橋をバックに photo:Hideaki.TAKAGI成年4周目、逃げる7人成年4周目、逃げる7人 photo:Hideaki.TAKAGI成年ゴール前100m、井上和郎(福井)が先行成年ゴール前100m、井上和郎(福井)が先行 photo:Hideaki.TAKAGI成年ゴール、井上和郎(福井)に青柳憲輝(栃木)が並ぶ成年ゴール、井上和郎(福井)に青柳憲輝(栃木)が並ぶ photo:Hideaki.TAKAGI成年、メイン集団ゴール成年、メイン集団ゴール photo:Hideaki.TAKAGI最強の福井県コンビ最強の福井県コンビ photo:Hideaki.TAKAGI少年表彰少年表彰 photo:Hideaki.TAKAGI
成年は最終周回に決まった実力者の逃げで決着が付いた。
序盤からアタックがかかる。1周目で高宮正嗣(北海道)と青柳憲輝(栃木)が逃げるが吸収。4周目では7人の逃げができる。中島康晴(福井)、木村圭佑(滋賀)、普久原奨(沖縄)、山本隼(山梨)、平塚吉光(静岡)、入部正太朗(奈良)、長瀬幸治(埼玉)だ。だがこの強力な逃げも吸収される。その後も逃げはできても吸収され最終周回へ。
平坦区間で5人の逃げができる。井上、中島、青柳、窪木一茂(和歌山)、野中竜馬(広島)だ。これに中根英登(愛知)が合流して最後の坂へ。ここで井上がアタック、先頭で下りへ入るが青柳、窪木、中根が合流。ここから窪木がアタックして独走する。これをラスト500mでとらえた3人から井上がロングスパート。青柳がこれに反応しゴールまでかわしにかかるがわずかに届かず井上が優勝。

優勝した井上と2位の青柳の差はわずかにタイヤ1/2差。1cmほどの差だ。ゴールライン上でのスピードは青柳が勝っており、あと2m先ならば結果は逆と思われたほど。

それでも井上は「自分が残った(勝った)と思った」と振り返る。「最後の逃げはおいしいメンバー。ナカジ(中島)が動いてくれたおかげで勝つことができた」とチームメイトとの連携が成功した福井県チーム。「中盤のナカジの入った逃げは、そのままゴールまで行ってもよかった。あのメンバーならば有利だったし」とも。この2人でじつに国体ロード6勝目だ。

結果
少年 106.5km
1 小林泰正 群馬 高崎工高 2時間31分 4秒
2 城田大和 沖縄 北中城高 +02秒
3 山本大喜 奈良 榛生昇陽高
4 馬渡伸弥 東京 昭和一学園高 +33秒
5 徳田優 京都 北桑田高 +46秒
6 吉田優樹 福島 学法石川高 +1分03秒
7 岡本隼 和歌山 和歌山北高 +3分40秒
8 黒枝咲哉 大分 日出暘谷高 +3分41秒
9 片桐善也 新潟 吉田高
10 西村大輝 東京 昭和一学園高
11 小橋勇利 愛媛 ボンシャンス飯田
12 安田京介 京都 北桑田高
13 浅野一輝 宮城 東北高
14 沼口竜馬 大分 日出暘谷高
15 早乙女貴英 栃木 作新学院高
16 中釜優作 鹿児島 南大隅高
17 広瀬樹 神奈川 横浜高
18 堀川裕輝 神奈川 法政二高
19 間瀬勇毅 大阪 堺高
20 横山航太 長野 篠ノ井高

成年  149.1km
1 井上和郎 福井 ブリヂストンアンカー 3時間27分 7秒
2 青柳憲輝 栃木 シマノレーシング
3 窪木一茂 和歌山 和歌山県教育庁 +01秒
4 中根英登 愛知 中京大 +03秒
5 黒枝士揮 大分 鹿屋体大 +28秒
6 六峰亘 大分 ブリヂストンエスポワール
7 雨宮正樹 山梨 日大
8 大久保陣 鹿児島 パールイズミ・スミタ・ラバネロ
9 白石真悟 山口 シマノ
10 吉岡直哉 京都 京産大
11 板橋義浩 青森 日大 +29秒
12 末永周平 宮城 明大
13 中島康晴 福井 愛三工業レーシングチーム
14 中里仁 群馬 湘南ベルマーレ +30秒
15 安原大貴 大阪 マトリックスパワータグ
16 前園浩平 愛媛 立命大 +31秒
17 松本耀介 兵庫 日体大 +32秒
18 住吉宏太 熊本 日大 +35秒
19 安井雅彦 東京 東大 +37秒
20 石橋学 青森 鹿屋体大 +40秒

photo&text:高木秀彰


成年表彰成年表彰 photo:Hideaki.TAKAGI団体総合表彰団体総合表彰 photo:Hideaki.TAKAGI